「夜中に天井裏でガサガサ、ドタドタと音がして眠れない」「早朝、屋根の上で何かが動く気配がする」。姿は見えないのに、確かに何かがいる——この「正体が分からない」状態が、いちばん不安なものです。
でも、落ち着いてください。屋根裏の物音は、音の種類・聞こえる時間帯・足音の重さから、正体をかなりの精度でしぼり込めます。ネズミなのか、イタチなのか、ハクビシンやアライグマなのか。相手が分かれば、次にやることは自然と決まります。
この記事の要点は、3つです。
- 正体は「音・時間帯・足音の重さ」でしぼれる。軽い音ならネズミやコウモリ、重い足音ならハクビシン・アライグマの可能性が高い
- 勝手に捕まえると法律違反になる動物がいる。家ネズミ以外は、許可なく捕獲・殺傷できません
- 追い出したら、侵入口を塞ぐまでがワンセット。ここを飛ばすと、何度でも戻ってきます
必要なところから読めます。
- そもそも動物の音?と迷う方 → 「まず切り分け」の章へ
- 何の動物か知りたい方 → 「逆引き早見表」の章へ
- 自分で追い出せる?と気になる方 → 「DIYの方法と限界」の章へ
- 札幌・北海道で気をつけることは?という方 → 「北海道の事情」の章へ
- 業者に頼む費用は?という方 → 「費用相場と業者選び」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌の暮らしの困りごとの相談窓口です。害獣の被害についても、ご相談を承っています。この記事は、売り込みのためではなく、まずご自身で正体を見極め、安全に対処していただくための実践ガイドです。法律や北海道の情報は、環境省・北海道・札幌市の公式情報で裏を取りました。
まず切り分け|その音、本当に動物ですか?
最初にやってほしいのが、「その音は、本当に動物のものか」の切り分けです。天井裏の音には、動物以外の原因もたくさんあります。ここを見極めておくと、無用な心配をせずにすみます。
動物ではない音の、よくある正体
次のような音は、動物ではない可能性があります。
- 家鳴り(いえなり):木材が温度や湿度の変化で伸び縮みする「パキッ」「ミシッ」という音。とくに、昼と夜の寒暖差が大きい季節や、新築〜数年の家で起きやすいものです
- 水道管・配管の音:壁の中を通る水道管が、水を流したときや温度変化で「コンコン」「ゴンッ」と鳴ることがあります
- 風の音:換気口や屋根のすき間を風が抜けるときの「ヒュー」という音や、あおられた部材が鳴る音
- 雪や氷(積雪地):北海道では、屋根に積もった雪がずれる音や、軒先の氷が落ちる「ドサッ」という音を、動物と勘違いすることがあります
これらは、いずれも「その場で1回だけ」「不規則」に鳴るのが特徴です。移動しません。
動物なら、音に「規則性」がある
一方、動物がいる場合は、音にはっきりした特徴が出ます。
- 決まった時間に鳴る:たとえば毎晩、日が暮れてから、あるいは深夜の同じころ。生き物の活動時間に沿って鳴ります
- 音が移動する:天井の右から左へ、走るように音が動く。これは、明らかに何かがそこにいるサインです
- 複数の音が混じる:足音だけでなく、鳴き声・かじる音・引っかく音などが組み合わさる
なお、天井裏には断熱材が敷かれていることが多く、その断熱材が音を吸うため、実際より小さく、こもって聞こえることがあります。「小さい音だから小動物だろう」と決めつけず、時間帯や規則性もあわせて判断してください。
屋根裏の物音・逆引き早見表|音・時間帯・足音の重さでわかる

動物だと分かったら、いよいよ正体の特定です。決め手は3つ。①どんな音か(音の種類)、②いつ聞こえるか(時間帯)、③足音は軽いか重いか(体の大きさ)です。この3つを組み合わせると、犯人はかなり絞り込めます。
①音の種類でしぼる
まず、聞こえた音がどのタイプに近いかを思い出してください。オノマトペは人によって感じ方が違うので、あくまで「近いもの」で構いません。
- 「カリカリ」「カサカサ」と軽い音(何かをかじる・引っかく)→ ネズミ。壁の中や天井を、小刻みに走り回ります
- 「バサバサ」「パタパタ」という羽ばたきのような音→ コウモリ。夕方や夜明けに、出入りの気配があります
- 「トタトタ」「ドタドタ」と中くらいの足音(速く動く)→ イタチ。胴が細長く、動きが素早いのが特徴です
- 「ドスドス」「ドシン」と重い足音(ゆっくり・大きい)→ ハクビシン・アライグマ・タヌキ。人が歩くような、はっきりした足音です
②活動する時間帯でしぼる
何時ごろに聞こえるかも、大きな手がかりです。
- 夜〜早朝(日没後〜明け方):ネズミ・イタチ・ハクビシン・アライグマ・タヌキなど、ほとんどの哺乳類。夜行性です
- 夕方と夜明け:コウモリ。エサ(虫)を求めて夕方に飛び立ち、明け方に戻る「出入りのリズム」があります
- 早朝・日中(昼間):鳥(ムクドリなど)。昼行性なので、朝から日中に音がするのが決定的な違いです(次章でくわしく)
③足音の重さ(=体の大きさ)でしぼる
足音の「重さ」は、そのまま体の大きさに比例します。
- 軽い(カサカサ):ネズミ・コウモリ。手のひらサイズの小さな動物
- 中くらい(トタトタ・ドタバタ):イタチ。細身で軽快
- 重い(ドスドス):ハクビシン・アライグマ・タヌキ。猫〜中型犬ほどの大きさで、床がきしむような足音になります
この3つを重ねると、たとえば「深夜に、天井を重い足音がドスドス移動する」ならハクビシンかアライグマ、「深夜に、壁の中でカリカリ小さな音」ならネズミ、といったように、あなたのケースがしぼれてきます。まずは、あなたが聞いた音は、どれに近かったでしょうか。次の章で、動物ごとの見分け方をもう少しくわしく見ていきます。
動物別|鳴き声・足音・フン・活動時間の見分け方

早見表で当たりをつけたら、決め手になるフンと見た目で答え合わせをしましょう。音や時間帯は前章の早見表を、ここでは各動物の「動かぬ証拠」を押さえてください。くわしい追い出し方や駆除の手順は、それぞれの専門記事にまとめていますので、正体が決まったら、そちらへ進んでください。
ネズミ|散らばった小さなフンが目印
天井裏の音で、もっとも多いのがネズミです。フンは長さ0.5〜1cmほどの小さな米粒状で、あちこちに散らばって落ちているのが目印。「カリカリ」と硬いものをかじる習性があり、配線をかじって漏電・火災の原因になることもあります。ネズミの駆除と侵入経路のふさぎ方で、対処を詳しく解説しています。
イタチ|強烈なフン尿臭が最大の特徴
イタチは胴が細長く、動きが素早い動物です。最大の特徴は強烈なフン尿のにおい。決まった場所にためる「ためフン」をし、天井に茶色いシミを作ります。ふだんはあまり鳴きませんが、威嚇すると「キーキー」と鋭い声を出します。
イタチの見分け・追い出し・費用は、イタチの駆除・追い出し方でくわしく解説しています。
ハクビシン|額の白い線と、種混じりのフン
ハクビシンは、額から鼻にかけて1本の白い線があるのが目印。体長50〜60cmほどと猫より少し大きい動物です。フンは細長く、果物の種や皮が混じることが多いのが特徴。木登りが得意で、電線や塀を伝って屋根から侵入します。ハクビシンとアライグマは天井裏の物音の正体|ハクビシン・アライグマの見分け方と対処でくわしく扱っています。
アライグマ|しま模様のしっぽと、破壊力
アライグマは、しっぽの黒い横しま模様が目印。前足が器用で力が強く、屋根裏の6種のなかで足音がもっとも重く、破壊音を立てるのが特徴です。フンは太めで、骨や種が混じります。北海道では特に重要な相手なので、後の章でくわしく触れます。
タヌキ|重い足音だが、床下が多い
タヌキも重い足音を立てますが、木登りが苦手なため、屋根裏より床下に入り込むことが多いのが特徴です。獣臭のするためフンをします。「重い足音なのに、聞こえるのが床のほうから」なら、タヌキの可能性があります。
コウモリ|崩れやすい細長いフン
コウモリは、足音ではなく羽ばたきの音が手がかり。人に住みつくのはほとんどが小型のアブラコウモリで、1〜1.5cmほどのすき間から入り込みます。フンは黒〜こげ茶の細長い形で、乾くとパサパサ崩れ、虫の羽が混じるのが目印です。コウモリの追い出し方と糞の掃除に、時期の注意も含めてまとめています。
なお、北海道ならではの顔ぶれ(キタキツネ・エゾリス・エゾモモンガ・ムササビなど)については、後半の「北海道の事情」の章で改めて取り上げます。
早朝・日中の音なら鳥かも|哺乳類との決定的な違い
ここまで哺乳類を中心に見てきましたが、「朝や昼間に音がする」場合は、動物が鳥である可能性が高くなります。これは、哺乳類との切り分けで、いちばん分かりやすいポイントです。
時間帯が「昼」なら、まず鳥を疑う
これまで見てきたネズミ・イタチ・ハクビシンなどの哺乳類は、ほとんどが夜行性です。日中は静かにしていて、夜に活動します。
一方、ムクドリやスズメなどの鳥は昼行性。早朝の夜明けとともに活動を始め、日中にさえずり、動き回ります。ですから、「明け方から朝にかけて、あるいは日中に音がする」なら、哺乳類より鳥の可能性が高いと考えられます。この時間帯の違いが、鳥と哺乳類を分ける決定的な手がかりです。
鳥ならではのサイン
鳥が屋根裏や軒下、換気口などに巣を作っている場合、次のようなサインが出ます。
- 「チュンチュン」「ギャーギャー」という鳴き声:とくにヒナがいると、親を呼ぶ声でにぎやかになります
- 羽音と、巣材を運ぶ音:枯れ草や小枝を運び込む、ガサガサという音
- 集団の気配:ムクドリなどは群れるので、複数の鳴き声が重なります
巣に卵やヒナがいる時期の扱いには注意が必要です。むやみに撤去せず、状況に迷ったら、次章以降の内容や、専門家への相談を検討してください。とくにカラスや鳩は、卵やヒナがいる巣を勝手に撤去すると鳥獣保護法に触れる場合があります。カラスの巣・威嚇への対処は札幌のカラスの巣・威嚇対策、ベランダや軒に居着く鳩は札幌の鳩対策・駆除で、法律とあわせて対処法をまとめています。
放置は危険|屋根裏害獣がもたらす4つの被害
「音がするだけで、実害はない」と思って放置すると、被害はだんだん深刻になります。屋根裏の害獣がもたらす害は、大きく4つあります。
①騒音・不眠
まず、いちばん身近なのが騒音です。夜中や早朝に、頭上でドタドタ、カリカリと音がすれば、当然、眠れません。睡眠不足は、日中の集中力や体調にも響きます。「気にしなければいい」で済むものではありません。
②フン尿・天井のシミ・悪臭
ハクビシンやアライグマ、イタチは、決まった場所にフンと尿をためる「ためフン」をします。これが天井板にしみ込むと、大きなシミになり、強烈な悪臭の原因に。放置してフンの量が増えると、最悪の場合、天井が傷んで抜けてしまうこともあります。
③健康リスク(ダニ・ノミ・病原体)
野生動物の体には、ダニやノミが付いていることがあり、これが室内に落ちて人を刺すことがあります。また、フンや尿には細菌などの病原体が含まれることがあり、乾いたフンの微粒子を吸い込むと、アレルギーや呼吸器の症状につながる場合があります。とくに小さなお子さんやアレルギー体質の方がいるご家庭では、注意したいところです。北海道では、これに加えてエキノコックスへの衛生注意もありますが、これは後の章でくわしく説明します。
④断熱材・配線の損傷(漏電・火災リスク)
見落とされがちですが、これがいちばん怖い被害かもしれません。動物は、天井裏の断熱材を巣材のために引き裂き、電気の配線をかじります。とくにネズミは、歯を削るために硬いものをかじる習性があり、かじられた配線がショートして漏電・火災の原因になることがあります。断熱材が荒らされれば、家の断熱性能も落ちます。
これらの被害は、動物がすみつく期間が長く、数が増えるほど拡大します。「音に気づいた今」が、いちばん被害が小さいタイミングです。早めに手を打つ意味は、ここにあります。
自分で追い出せる?DIYの方法と限界

「業者に頼む前に、まず自分でやってみたい」という方も多いと思います。DIYで対処できる部分もありますが、動物や状況によって、できることの範囲ははっきり分かれます。まず、追い出しの基本的な方法を知り、そのうえで「限界」を正直にお伝えします。
追い出しの基本|嫌がる環境を作る
共通する考え方は、「捕まえる」のではなく「嫌がって出ていってもらう」ことです。理由は次章でくわしく説明しますが、多くの動物は勝手に捕まえると法律違反になるためです。使われる方法は、主に次の通りです。
- 忌避剤(きひざい):動物が嫌がるにおいで追い払います。ハッカ(メントール)や木酢液(もくさくえき)の成分が代表的。スプレー・くん煙(けむり)・設置タイプがあります
- くん煙剤:煙を焚いて、屋根裏など広い空間からまとめて追い出します
- 光・音:夜行性の動物は明るさを嫌うので、強い光を当て続けると居心地が悪くなります。ラジオなどの音も一時的に効くことがあります
なお、市販の超音波撃退器は手軽ですが、動物が音に慣れてしまうと効かなくなるなど、効果は限定的です。過度な期待はしないほうがよいでしょう。
今すぐ試せる、追い出しの手順
音がして「すぐ何とかしたい」ときに、家庭でできる範囲の手順です。相手を傷つけず、出ていってもらうのが目的です。
- 音のする真下から、天井を軽く叩く:先端にタオルを巻いた棒などで、動物がいるあたりの天井をコンコンと叩き、「ここは落ち着けない」と感じさせます。驚かせて暴れさせるのではなく、居心地を悪くするのが狙いです
- 光と音で嫌がらせる:点検口から強い光を当て続けたり、天井近くでラジオや犬の鳴き声を流したりします。夜行性の動物は、明るさと物音を嫌います
- 忌避剤・くん煙剤は「逃げ道」を考えて使う:屋根裏だけで焚くと、動物が壁の中へ逃げ込むことがあります。天井裏・床下もあわせて処理すると、壁の中に隠れさせず、家の外へ追い出しやすくなります
- 点検口から様子を見る:押入れの天井板や、ユニットバスの天井に点検口があることが多く、そこから状況を確認できます。ただし高く不安定な場所なので、無理に体を入れないこと
ネズミなら、通り道になっている壁ぎわに粘着シートを複数並べ、数日で集中して仕掛けるのがコツです。ただし、ここまでやっても「追い出す」のはゴールではありません。このあとの侵入口ふさぎまで進めないと、また戻ってきます。
動物別の「DIYで追い出せる度」
おおよその目安は次の通りです。
- ネズミ:忌避剤・くん煙で追い出しやすい。ただし繁殖が速いので、侵入口封鎖まで徹底しないとすぐ戻ります
- コウモリ:忌避剤と光で、時期を守れば比較的対処しやすい。ただし追い出せる時期が限られます
- イタチ:くん煙などで追い出せることもありますが、素早く再侵入しやすい相手です
- ハクビシン・アライグマ・タヌキ:体が大きく力も強いため、DIYでの完全な追い出し・封鎖は難しく、プロ向きです
DIYで、絶対に守ってほしい注意点
自分で対処する場合、次の2点だけは必ず守ってください。安全と、二次被害の防止に直結します。
- 子育ての時期は、無理に追い出さない:春〜夏は、天井裏で子どもを産み育てていることがあります。この時期に親だけ追い出すと、動けない子どもが取り残されて死に、かえってひどい悪臭・害虫被害になります。小さな鳴き声が聞こえるときは、無理をせず専門業者に相談してください
- フンの掃除は、掃除機を使わない:掃除機の排気で、病原体を含んだ粉じんが部屋中に舞い散ります。手袋・マスクを着け、霧吹きで湿らせてから拭き取り、消毒します。素手で触るのも避けてください
ここから先は、プロの領域
正直にお伝えすると、DIYには明確な限界があります。天井裏にあるすべての侵入口を見つけて完全にふさぐこと、大量にたまったフンの除去と消毒、高所での作業、そしてハクビシン・アライグマなど大型獣の対応は、家庭では安全にも技術的にも難しいのが実情です。「追い出したのに、また戻ってきた」というのは、たいてい侵入口をふさぎきれていないサインです。手に負えないと感じたら、無理をせず、後の章を参考にしてください。
捕まえたらダメ|鳥獣保護法・外来生物法の基礎
DIYの前に、この記事でいちばん大切な注意点をお伝えします。屋根裏の動物の多くは、見つけても勝手に捕まえたり殺したりすると、法律違反になります。知らずに手を出すと、あなたが罰せられる側になりかねません。
家ネズミは、駆除してよい
まず、例外から。家に棲むネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種)は、鳥獣保護管理法の対象外です。環境省の説明によると、この法律は鳥類・哺乳類の野生動物を守るものですが、環境衛生に重大な支障を及ぼすこの家ネズミ3種は、対象から外されています。ですから、粘着シートや捕獲器で駆除しても、法律違反にはなりません。
ネズミ以外は、許可がないと捕まえられない
一方、イタチ・ハクビシン・タヌキ・コウモリ・アライグマなどは、鳥獣保護管理法で守られている野生動物です。環境省の捕獲許可制度の説明によると、野生鳥獣は、狩猟の場合を除いて、原則として捕獲・殺傷が禁止されています。被害が出ている場合に捕獲するには、お住まいの市区町村や都道府県の許可が必要で、ワナを使うには狩猟免許も要ります。
つまり、これらの動物に対して住民ができるのは、「傷つけずに追い出す」「侵入口をふさぐ」ところまで。捕獲・処分は、許可を持つ人や業者の仕事だと考えてください。
アライグマは「特定外来生物」でさらに厳しい
そのなかでも、アライグマは特別に厳しい扱いです。アライグマは「特定外来生物」に指定されており、外来生物法で、飼うこと・保管すること・生きたまま運ぶこと・野外に放すこと・人に譲ることが、原則禁止されています。
とくに注意したいのが、「生きたまま運ぶ」ことも禁止という点です。「かわいそうだから、捕まえて山に放そう」と考えても、その行為自体が違反になります。環境省が示す罰則では、許可なく野外に放った場合、個人で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(法人は1億円以下)にもなり得るとされています。北海道はアライグマの生息地なので、この点はとくに重要です(次章でくわしく)。
これは「行政が厳しい」という話ではなく、生態系や農業を守るための仕組みです。ルールを知って、その範囲でできる自衛(追い出し・侵入口ふさぎ)に集中するのが、いちばん安全で確実な道です。
【札幌・北海道】屋根裏に入る動物と地域の注意

ここからは、札幌・北海道にお住まいの方にこそ知ってほしい事情です。全国向けの情報だけでは見落としがちな、北海道ならではのポイントがあります。
アライグマは、ほぼ道内全域に定着している
「アライグマは本州の話」と思われがちですが、それは誤解です。北海道の資料によると、道内のアライグマは、昭和54年(1979年)に恵庭市で飼育されていた10頭ほどが逃げ出したことが野生化の始まりとされ、高い繁殖力によって、いまではほぼ道内全域で目撃されています。
農業被害も深刻で、同じ資料によれば、令和2年度には約1億2千万円もの農業被害が報告されています。北海道は外来生物法にもとづくアライグマの防除実施計画を定めており、行政をあげて対策に取り組んでいます。札幌近郊でも、住宅への侵入は、めずらしくなくなっています。屋根裏で重い足音がしたら、北海道ではアライグマの可能性を、現実的なものとして考える必要があります。
キタキツネと「エキノコックス」への衛生注意
北海道には、道外ではあまり知られていないエキノコックス症という病気があります。ここは正確に理解してください。札幌市の説明によると、エキノコックスは主にキタキツネ(と、そのエサになる野ネズミ)に寄生する寄生虫で、その卵が口から入ることで、まれに人に感染します。
つまり、エキノコックスの主役は、ハクビシンやアライグマではなく「キツネ」です。屋根裏の害獣とは分けて考えてください。庭や住宅地にキツネが出るときの対処や、症状・区の無料検査については札幌のキツネ対策|エキノコックスの症状・予防・区の無料検査でくわしく解説しています。ただし、北海道で野生動物のフンを扱う以上、衛生面に気をつける意味は共通します。札幌市は、次のような予防を呼びかけています。
- 野山や庭仕事から帰ったら、手をよく洗う
- 山菜や果実を口にするときは、流水でよく洗い、十分に加熱する
- 沢の水・わき水など、生水を飲まない
- キツネにエサを与えない
フンを扱うときに手袋・マスクをして素手で触らないのは、こうした理由からも大切です。
エゾリス・エゾモモンガ・ムササビも屋根裏に
北海道の屋根裏まわりには、本州にはいない顔ぶれも登場します。エゾリス・エゾモモンガ・ムササビは、森に近い住宅で、屋根裏や軒下に入り込むことがあります。とくにムササビは大きく、「ガサガサ」「バタバタ」と大きめの音を立てます。これらも野生動物なので、勝手な捕獲はできません。森林や公園が近いお住まいでは、可能性の一つとして頭に入れておいてください。
アブラコウモリの冬眠|冬に音が消えても油断しない
北海道の寒冷地で、とくに気をつけたいのがコウモリの冬眠です。人に住みつくアブラコウモリは、おおよそ11月中旬から3月中旬ごろまで冬眠します。この時期は動きが鈍り、音もほとんどしなくなります。
ここに落とし穴があります。「冬になって音が消えたから、いなくなった」と思い込み、侵入口をふさいでしまうと、冬眠中のコウモリを閉じ込めてしまうのです。とくに高断熱の住宅では、断熱材の中が暖かい越冬場所として好まれます。冬に音が消えても、居なくなったとは限りません。封鎖は、活動期に完全に出ていったことを確認してから行うのが鉄則です。
札幌市・北海道の相談窓口
アライグマなど、法律で捕獲がしばられている動物の被害は、行政も相談を受け付けています。北海道は、アライグマを目撃したり被害を受けたりした場合、お住まいの市役所・町村役場に連絡するよう案内しています。札幌市内にお住まいなら、まずはお住まいの区の担当窓口や市の環境部署に問い合わせるのが第一歩です。自治体によっては、捕獲やワナの貸し出しに対応していることもあります。
札幌で屋根裏の害獣に困ったら|費用相場と業者選び
「自分では手に負えない」と感じたら、専門業者に頼むのが、いちばん確実で安全です。ここでは、気になる費用の考え方と、後悔しない業者選びのポイントを、中立の立場でお伝えします。
費用は「作業内容」で大きく変わる
まず前提として、害獣駆除の費用は、動物の種類・被害の広さ・建物の構造・侵入口の数・清掃や消毒の有無によって、大きく変わります。ひとくくりに「いくら」とは言えません。
そのうえで目安をお伝えすると、日本有害鳥獣駆除・防除管理協会のガイドによれば、屋根裏の動物駆除の相場はおおよそ5万円〜20万円、清掃・消毒・侵入口の封鎖まで徹底して行う場合は10万円〜50万円が一つの目安とされています。被害が軽いうちなら費用も軽く、フンがたまり数が増えてからでは高くなる、という傾向があります。ここでも、早く動くほど負担が小さいのは共通しています。
なぜ幅があるのか|ネズミ以外は許可・資格がからむ
費用に幅があるのは、作業量の違いだけではありません。前の章で見たとおり、ネズミ以外の動物(イタチ・ハクビシン・アライグマ・タヌキ・コウモリ)は鳥獣保護管理法で守られており、捕獲には許可や資格がからみます。その手続きや、高所での封鎖作業、専門機材による消毒などが加わるほど、費用は上がります。逆に言えば、これらは家庭では難しい作業であり、費用が高いのには理由がある、ということです。
後悔しない業者選び|確認したい3点
自社に誘導するためではなく、中立の見方として、契約前に次の3点を確認することをおすすめします。
- 現地を調査し、見積書を項目ごとに出してくれるか:「一式いくら」ではなく、追い出し・清掃・消毒・封鎖の内訳が分かること
- 再発時の保証があるか:保証の期間と条件。害獣は再発しやすいので、ここは重要です
- 追い出しだけでなく、侵入口の封鎖・消毒まで総額に含まれているか:追い出しだけでは、必ず戻ってきます
業者選びに迷ったら、開拓札幌にご相談を
私たち開拓札幌は、特定の業者に肩入れせず、お客さまにとって最適な方法を中立の立場でご案内する、札幌の相談窓口です。ご案内するのは、法律に沿って対応でき、見積り・保証がはっきりしている業者だけです。
一括見積もりサイトのように、申し込んだ直後から何社もの営業電話が鳴ることはありません。ご案内するのは、ご希望の条件に合う1〜2社だけ。「電話したら対象エリア外だった」「もう予約でいっぱいだった」という探し直しも、こちらで引き受けます。
相談の前に、まずは自分の耳と目で正体を確かめたい——そんな方のために、この記事の「音・時間帯・足音の重さ」による逆引きと、動物別のフン・法律の注意点を、いざという時に手元で見返せる1枚の無料シートにまとめました。

その名も「札幌の虫・害獣・蜂・鳥 見分け&対処 早見表」。深夜にまた音がしたとき、スマホでこの1枚を開けば、①軽い音か重い足音か ②何時に鳴るか ③自分で追い出してよい相手か(家ネズミ以外は捕獲NG)が、その場でたどれます。公式LINEから無料で受け取れます。「天井裏に何かいる」という眠れない夜の不安を、正体不明のままにしないための1枚です。
札幌に拠点を持つ害獣駆除業者【中立比較表】
ここまでで「正体の見分け」と「鳥獣保護法のルール」を見てきました。いざ業者に頼むとき用に、札幌に拠点を置く自社施工の害獣駆除業者を、公式サイトの公開情報のまま一覧にします。おすすめ順・ランキングではありません(2026年7月時点・各社公式サイト調べ)。業者を紹介するだけの一括見積もりサイト・全国ディスパッチ業者・全国FCは載せていません。害獣ならではの確認ポイントは、「鳥獣保護法に沿った適法な対応か」「再発防止(侵入口封鎖)と保証があるか」——ここを列にしました。
| 屋号(運営会社) | 所在地(区) | 対応害獣(公式記載) | 料金体系 | 鳥獣保護法・資格の明示 | 再発保証 | 電話 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 駆除屋(くじょや) | 厚別区 | ネズミ・アライグマ・ハト・カラス | 見積り型(調査・見積り無料) | 「人道的な捕獲」記載(資格・法の明示なし) | 記載なし(再発防止の記載あり) | 011-600-0113 |
| ゲッコー商会 | 東区 | ネズミ(+害虫) | 見積り型(見積り無料) | 防除作業監督者/北海道ペストコントロール協会 | 記載なし(作業後の定期点検あり) | 011-213-8994 |
| ねずみ駆除センター ((株)ライフケアコーポレーション) | 中央区 | ネズミ専門 | 一戸建て40,000〜400,000円等(見積り無料) | 防除作業監督者 | 最長5年 | 011-600-2265 |
| (株)札幌サニター | 東区 | 有害鳥獣全般(ネズミ・ハト・スズメ・ヘビ等) | 見積り型(相談・見積り無料) | わな猟免許・許可申請代行・多数の国家資格/PCO協会 | 記載なし | 011-791-9770 |
| ベストティアーズ24 | 西区 | ネズミ(+害虫・害鳥) | 調査10,000円〜・害虫15,000〜50,000円(調査有料) | 鳥獣保護法に言及(資格は記載なし) | 記載なし | 011-206-0455 |
| 日本ガード(株) | 白石区 | ネズミ(+一般害虫) | 見積り型(初回調査無料) | 建築物環境衛生管理技術者 | 記載なし | 011-872-2035 |
| (株)北海道防疫サービス | 西区 | 有害鳥獣(ネズミ・ドバト)・害虫全般 | 見積り型 | 記載なし | 記載なし | 011-671-0181 |
表の見方を、4点補足します。
- いちばん大事なのが「対応害獣」です。じつは今回調べた札幌の地元業者はネズミを前面に出す社が中心で、イタチ・ハクビシン・アライグマ・コウモリを種名で明記している自社施工業者はごく少数でした。屋根裏の物音の正体がイタチやハクビシンなら、依頼前に電話で「この動物に対応できますか」を必ず確認してください
- 鳥獣保護法・資格の明示=勝手な捕獲・殺処分が違法になる害獣もいるため、許可申請の代行や、わな猟免許・防除作業監督者を掲げているかは信頼の目安。今回、法対応や資格を厚く明示していたのは一部の業者に限られました(記載なし=資格や法対応がない、と断定はできません)
- 再発保証=駆除して終わりでなく、侵入口をふさいで再発を防ぎ、保証年数を明示しているか。年数を明示していたのは今回1社(最長5年)でした
- 料金は現地調査による見積り型が主流(建物構造・被害範囲で大きく変わるため)。調査が有料の社もあるので、依頼前に「調査・見積りは無料か」を確認しましょう。また、札幌の電話番号でも実体が全国ディスパッチ・紹介ポータルのケースがあるので、自社施工の地元業者かも見ておくと安心です
屋根裏の物音について、よくあるご質問
Q. 壁の中からも音がします。動物は壁の中も通るのですか?
はい。ネズミやイタチのような細身の動物は、壁の中の空洞を通り道にして移動します。天井裏と壁の中を行き来しながら、家じゅうを動き回ることもあります。壁の中を「カサカサ」と音が上下したり移動したりするなら、動物がいるサインと考えてよいでしょう。
Q. スマホで音を録音すれば、正体を特定できますか?
録音そのもので種類を断定するのは難しいですが、「いつ・どんな音か・どこで鳴るか」を記録する意味はあります。時間帯と音の種類、足音の重さは、正体しぼりの大きな手がかりです。録音した日時をメモしておき、業者に相談するときに伝えると、判断の助けになります。
Q. 冬になったら音が消えました。いなくなったのでしょうか?
油断できません。とくにコウモリは冬に冬眠して音がしなくなるため、いなくなったと勘違いしやすい相手です。北海道では、断熱材の中などで越冬していることもあります。音が消えたからと侵入口をふさぐと、閉じ込めてしまうおそれがあります。活動期(春〜秋)に、完全に出ていったことを確認してから封鎖してください。
Q. 賃貸住宅です。駆除の費用は誰が負担しますか?
一般的には、建物の管理にかかわる問題として、まず大家さん・管理会社に連絡・相談するのが基本です。負担の考え方は契約内容や状況によって変わるため、自己判断で業者に依頼する前に、必ず貸主側に一報を入れてください。勝手に工事を進めると、後でトラブルになることがあります。
Q. 天井にシミやカビが出てきました。害獣と関係ありますか?
関係している可能性があります。ハクビシンやイタチなどのためフンの尿が天井板にしみ込むと、茶色いシミになります。放置すると悪臭やカビ、天井材の腐食につながります。音とあわせてシミが出てきたなら、屋根裏の状況を確認する必要があるサインです。
Q. 自分でやるか、業者に頼むか迷っています。
判断の目安は、「相手が家ネズミやコウモリで、被害が軽いうち」ならDIYを試す価値があり、「重い足音の大型獣」「大量のフン」「高所の作業」「何度も戻ってくる」なら業者向きです。とくにアライグマなど法律がからむ相手は、無理をしないほうが安全です。迷ったら、開拓札幌の公式LINEで、状況をお聞かせください。
まとめ|屋根裏の物音は「音でしぼって→正体→対処→再発防止」
最後に、大切なことをおさらいします。
- まず音の規則性と移動で、動物か家鳴りかを切り分ける
- 正体は音・時間帯・足音の重さでしぼる。軽い音はネズミ・コウモリ、重い足音はハクビシン・アライグマ・タヌキ、昼の音は鳥
- 放置すると騒音・フン尿・健康リスク・配線損傷の被害が拡大する。気づいた今がいちばん軽い
- 家ネズミ以外は、勝手に捕まえると法律違反。とくにアライグマは生きたまま運ぶのも禁止。できるのは「追い出し・侵入口ふさぎ」まで
- 北海道はアライグマがほぼ全域に定着、コウモリは冬に音が消えても居るかもしれない。エキノコックスの主役はキツネ
- 手に負えないときは、見積り・保証がはっきりした業者に相談を
「天井裏に何かいる」という不安は、放っておくほど大きくなります。でも、音でしぼって正体を見極め、法律に沿って手順どおり動けば、必ず前に進めます。
