「実家をどうするか、そろそろ考えないと」——親御さんが高齢になり、久しぶりの帰省で誰も住まなくなった部屋を見たとき。あるいは、施設への入居や相続をきっかけに、ふと立ち止まったとき。そんなタイミングで「実家じまい」という言葉にたどり着かれたのだと思います。
でも、いざ調べてみると、「何から手をつければいいのか」「いくらかかるのか」「親が元気なうちにやるべきなのか」——分からないことばかりで、かえって手が止まってしまう。そんな方が、とても多いです。
この記事では、実家じまいの全体像を、次の順番で整理します。
- 実家じまいとは何か(「家じまい」との違い)
- 親が元気なうち/亡くなった後で分かれる、2つのルート
- 進め方の7ステップと、片付け・処分の費用の目安
- 見落としがちな相続の期限と、空き家にした実家の雪・凍結リスク
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌で遺品整理・生前整理・不用品回収の相談窓口を運営しています。実家じまいは、片付け・処分から相続、家の売却・解体まで、いくつもの分野をまたぐ大仕事です。私たちは特定の業者に肩入れせず、お客さまにとって最適な進め方を、中立の立場でご案内します。
実家じまいとは?「家じまい」との違いと、なぜ今増えているのか
実家じまいとは、親が住まなくなった実家(家財と建物)を整理し、最終的に手放すまでの一連の作業のことです。中の荷物を片付けるだけでなく、その後の「家をどうするか(売る・貸す・解体・空き家管理)」まで含めて考えるのが、ふつうの片付けとの大きな違いです。
「実家じまい」「家じまい」「生前整理」「遺品整理」の違い
似た言葉が多く、混乱しやすいところです。まず、ここを整理しておきましょう。
- 実家じまい:子どもの側が、親の実家を整理して手放すこと
- 家じまい:ほぼ同じ意味ですが、親自身が「終活」として自分の家を整理・処分するときによく使われます
- 生前整理:親が元気なうちに、持ち物や家を整理しておくこと(実家じまいの“存命ルート”の中心)
- 遺品整理:親が亡くなった後に、遺された家財を整理すること(実家じまいの“死後ルート”の中心)
つまり実家じまいは、生前整理や遺品整理を「家の出口」まで含めて大きくとらえた言葉だと考えると分かりやすいです。生前整理そのものの進め方は「生前整理とは?何から始める・やることリスト」でくわしくまとめています。
実家じまいが、いま増えている背景
実家じまいの相談は、近年はっきり増えています。背景には、いくつかの事情があります。
- 親世代の高齢化:施設入居や介護をきっかけに、実家が空き家になる
- 子世代が遠方に住んでいる:札幌の実家を、道外の子どもが管理しきれない
- 空き家の増加:放置された空き家が全国的な課題になっている
- 相続登記の義務化:2024年(令和6年)4月から、相続した不動産の登記が義務になった(くわしくは後述します)
「まだ元気だから」と先延ばしにしているうちに、親が亡くなって選択肢が狭まり、あわてて動くことになる——これが、いちばん多い後悔のかたちです。だからこそ、全体像を早めに知っておくことに意味があります。
実家じまいは、2つのルートに分かれる(親が元気なうち/亡くなった後)
実家じまいで最初に押さえてほしいのが、「今、親が元気か(存命か)」で進め方がまるごと変わるということです。ここを取り違えると、余計な手続きや費用が発生します。まず、自分がどちらのルートかを確認してください。
ルートA|親が元気なうちに進める(生前整理ルート)
親御さんがご存命で、話ができる状態なら、こちらです。親と一緒に、少しずつ進められます。
- 進め方の中心:親と話し合いながらの生前整理(何を残し、何を手放すか)
- 家の名義:親のまま。売却するなら親本人の意思・手続きが必要
- メリット:親自身が「残したいもの」を選べる/貴重品や書類のありかが分かる/家族の負担と費用が、あとで大きく減る
- 注意:親の判断力が下がると、売却などの手続きが難しくなる。元気なうちが動きやすい
ルートB|親が亡くなった後に進める(遺品整理+相続ルート)
すでに親御さんが亡くなっている、あるいは相続をきっかけに考え始めた場合は、こちらです。期限のある手続きが加わるのが特徴です。
- 進め方の中心:遺された家財の遺品整理+相続の手続き
- 家の名義:相続人へ変更(相続登記)が必要
- 注意:相続放棄・相続税など、期限のある判断が出てくる(3か月・4か月・10か月。くわしくは「タイミングと相続の期限」の章で)
- 順番の落とし穴:相続放棄を考えているなら、先に遺品を片付けてはいけないケースがあります
とくにルートBの「相続放棄を考えている場合」は、片付けの順番を間違えると放棄できなくなることがあります。判断の前に「相続放棄するなら遺品整理はどうする?」を必ずご確認ください。
実家じまいの進め方7ステップ
ルートA・Bのどちらでも、大きな流れは共通しています。全体を7つのステップに分けて、順番に進めれば迷いません。まずは全体像を、ざっと押さえてください。
- 家族で方針を話し合う:いちばん最初にして、いちばん大切な一歩
- 貴重品・重要書類を確保する:現金・通帳・権利証・保険証券など
- 家財を整理する(生前整理/遺品整理):残す・譲る・売る・処分するに仕分け
- 不用品を処分する・売れるものは買取に回す:費用を下げる山場
- 名義・相続の手続きを進める:相続登記など(ルートB中心)
- 家の出口を決める(売る・貸す・解体・空き家管理):専門家と相談して
- 完了・引き渡し:カギの返却、公共料金の停止、近隣へのあいさつ
①家族で方針を話し合う
最初にやるべきは、片付けではなく「家族の合意」です。「売るのか・残すのか」「費用は誰が出すのか」を先に決めないまま片付けを始めると、あとで「勝手に捨てた」ともめる原因になります。親御さんが元気なら、まず親の希望を聞くことから始めてください。
②貴重品・重要書類を確保する
片付けの前に、お金と権利にかかわるものだけは先に探して確保します。現金・預金通帳・キャッシュカード・実印・不動産の権利証(登記識別情報)・保険証券・年金手帳・有価証券などです。これらは相続や各種手続きで必ず必要になり、うっかり処分すると取り返しがつきません。
③家財を整理する(生前整理/遺品整理)
「残す・家族に譲る・売る・処分する」の4つに仕分けていきます。親が元気なら生前整理として一緒に、亡くなった後なら遺品整理として進めます。量が多い戸建てでは、ここがいちばんの大仕事です。自分たちで進めたい方は「遺品整理は自分でできる?手順・費用・やめどきの見極め方」も参考になります。
④不用品を処分する・売れるものは買取に回す
仕分けで出た不用品を処分します。少量なら自治体の大型ごみ、量が多ければ不用品回収や遺品整理の業者に依頼します。ここで大切なのが、売れるものを先に買取に回すこと。家電・家具・貴金属・骨董品などは、買取額を処分費から差し引けて、総額が下がります(「遺品整理の買取ガイド」参照)。
⑤名義・相続の手続きを進める
親が亡くなっている場合は、家の名義を相続人に変える相続登記が必要です。2024年から義務化され、期限もあります(次章でくわしく)。相続税や相続放棄など、期限のある判断もこの段階で確認します。
⑥家の出口を決める(売る・貸す・解体・空き家管理)
家財が片付いたら、建物そのものをどうするかを決めます。売る・貸す・解体して更地にする・当面は空き家として管理する——大きく4つの選択肢があります。ここは不動産・税金の専門領域なので、後の章で全体像を整理し、専門家への相談の仕方までお伝えします。
⑦完了・引き渡し
最後に、カギの返却や引き渡し、電気・ガス・水道の停止、郵便物の転送、近隣へのあいさつなど、仕上げの手続きを済ませて完了です。
実家じまいの費用の全体像
実家じまいの費用は、大きく「片付け・処分の費用」と「家の出口(解体・売却など)の費用」の2つに分かれます。まずは、金額のはっきりしている片付け・処分から見ていきましょう。
片付け・処分の費用【間取り別の目安】
家財の整理・処分を業者に頼んだ場合の費用は、間取り(広さ)と荷物の量で決まります。札幌の遺品整理の相場は、次のとおりです。
| 間取り | 費用の目安 | 作業の目安 |
|---|---|---|
| 1K・1R | 30,000円〜80,000円 | 作業員1〜2名/半日ほど |
| 1DK | 45,000円〜90,000円 | 作業員2名/半日ほど |
| 1LDK | 60,000円〜150,000円 | 作業員2〜3名/半日〜1日 |
| 2DK | 90,000円〜180,000円 | 作業員2〜3名/1日ほど |
| 2LDK | 100,000円〜250,000円 | 作業員3〜4名/1日ほど |
| 3DK | 130,000円〜300,000円 | 作業員3〜4名/1日〜 |
| 3LDK以上 | 140,000円〜500,000円 | 作業員4名〜/1〜2日 |
※人件費・車両費・処分費・出張費まで含んだ総額の目安です。荷物の量や建物の条件、オプションで変わります。
実家は戸建てで荷物が多いことが多く、2DK〜3LDK以上のレンジ(9万〜50万円)におさまるケースが目立ちます。ただし、同じ間取りでも「押入れ・物置・車庫まで物が詰まっている」お住まいは、量が多い分だけ上がります。正確な金額は、お部屋の状態を見た「見積り」でしか分かりません。費用の内訳や、安く抑えるくわしいコツは「札幌の遺品整理の費用相場」で解説しています。
家の出口(解体・売却)の費用は、幅で押さえる
建物そのものを手放す費用は、立地・広さ・構造で大きく変わるため、ここではおおまかな目安だけ押さえておきます。正確な金額は、必ず不動産会社や解体業者の見積りで確認してください。実家を解体するかどうかの迷いや進め方は、実家の解体を考えたらで整理しています。
- 解体費用:木造の戸建てで坪あたり3万〜5万円が目安。30坪なら、およそ90万〜150万円。鉄骨・鉄筋コンクリート造はさらに高くなります。相場の内訳や見積りの見方は、札幌の家の解体費用と業者の選び方でくわしく解説しています
- 売却の仲介手数料:売買価格が400万円超なら、上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」(国が定める上限)
- 登記費用:名義変更(相続登記・所有権移転)に、登録免許税+司法書士報酬で数万〜十数万円
売却か解体かで、かかる費用も手元に残るお金も変わります。この判断は税金にも関わるため、片付けが終わったら、早めに不動産会社・税理士など専門家に相談するのが結局いちばん損をしません。
費用を抑える、3つの考え方
実家じまいの費用は、工夫しだいで下げられます。片付けの部分では、次の3つが効きます。
- 売れるものは、買取に回す:家電・家具・貴金属・工具などの買取額を、処分費から差し引けます
- 自分で出せるゴミは、先に減らす:少量なら札幌市の大型ごみ収集も使えます。ただし量が多いと分別・運搬だけで大仕事です
- 早めに始める:空き家のまま放置するほど、固定資産税や管理の手間がかさみます。動くほど、総額は軽くなります
いつ始める?タイミングと、見落としがちな相続の期限
実家じまいで多い後悔が、「もっと早く始めればよかった」というものです。タイミングによって、できることも、費用も変わります。
親が元気なうちに始める、3つのメリット
可能であれば、親御さんが元気なうち(存命ルート)に少しずつ始めるのが理想です。理由は3つあります。
- 親自身が選べる:何を残し、誰に譲るかを、親の意思で決められます
- 貴重品・書類のありかが分かる:通帳や権利証の場所を、本人に聞けます。亡くなった後に探すのは、想像以上に大変です
- 手続きがスムーズ:親の判断力があるうちなら、家の売却などの手続きもスムーズ。逆に、認知症などで判断が難しくなると、成年後見制度が必要になり、手間も時間もかかります
親と実家じまいの話を切り出すコツや、もめないための進め方は、次の章と、生前整理の記事でくわしくお伝えしています。
亡くなった後は「期限のある手続き」に注意
親御さんが亡くなった後(死後ルート)は、期限の決まった手続きが出てきます。実家じまいの片付けと並行して、早めに確認してください。うっかり過ぎると、選択肢が消えたり、余計な税金がかかったりします。
| 手続き | 期限(相続の開始を知った日から) |
|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 3か月以内 |
| 故人の所得税の準確定申告 | 4か月以内 |
| 相続税の申告・納付 | 10か月以内 |
※期限は、厳密には「知った日の翌日」から数えます(国税庁の案内による)。
とくに相続放棄は3か月以内と短く、実家じまいでは要注意です。借金のほうが多いなど、相続したくない事情があるなら、この期間内に家庭裁判所へ申し立てます。国税庁によると、故人の所得税の準確定申告は4か月以内、相続税の申告・納付は10か月以内が原則です。
相続登記は「3年以内」が義務。空き家の税優遇は「3年目の年末」まで
建物・土地を相続したら、名義変更(相続登記)も必要です。ここも期限が決まっています。
- 相続登記の義務化:法務省によると、2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務になり、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。義務化より前(2024年3月31日以前)に相続した不動産も対象で、こちらは2027年(令和9年)3月31日までの申請が必要です
- 空き家の3,000万円特別控除:相続した実家(空き家)を売って一定の要件を満たすと、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる特例があります。国税庁によると、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売るのが条件で、現在の適用期限は令和9年12月31日までです(なお、相続人が3人以上の場合は、控除額が1人あたり2,000万円になります)
この「3年目の年末までに売ると税金が軽くなる」という点は、家の出口を決めるうえで大きな判断材料になります。要件が細かいので、必ず税理士など専門家に確認してください。
空き家のまま放置するとどうなる?(札幌・北国の雪と凍結リスク)
「すぐに売る決心もつかないし、しばらく空き家のままで……」。よくあるお気持ちですが、空き家の放置は、思っている以上にお金とリスクがかかります。とくに札幌をはじめとする雪国では、本州にはない固有の危険があります。
全国共通の、放置リスク
- 費用は払い続ける:誰も住んでいなくても、固定資産税・火災保険料・電気や水道の基本料金はかかり続けます
- 資産価値が下がる:人が住まない家は、傷むのが早い。売るなら、価値が落ちる前が有利です
- 「管理不全空き家」「特定空き家」のリスク:管理されず危険な状態と行政に判断されると、固定資産税の軽減(住宅用地特例)が外れ、税額が大きく上がることがあります
札幌・雪国ならではの、冬のリスク
ここが、全国メディアではあまり触れられない部分です。人が住まない実家は、冬に次のトラブルを起こしやすくなります。
- 水道管の凍結・破裂:暖房が入らない空き家は、水道管が凍って破裂することがあります。「水抜き」をしないまま冬を越すと、春に室内が水浸し——という事故は、札幌では珍しくありません
- 屋根の雪の重み・落雪:雪下ろしをしないと、屋根や建物に負担がかかります。隣家や通行人への落雪事故は、持ち主の責任が問われることもあります
- 雪で状況が分からない:雪に埋もれると、破損や不審者の侵入に気づけません。遠方に住む子世代ほど、冬の実家は目が届きにくくなります
屋根の雪下ろしを遠方から手配する費用や頼み方は「屋根の雪下ろし|業者の費用相場・頼むタイミング」でくわしくまとめています。
「当面は空き家」と決めたら、管理は欠かせない
すぐに売る・解体すると決められない場合でも、空き家を放置ではなく「管理」することが大切です。とくに雪国では、冬の水抜き・見回り・雪対策を、誰かが担う必要があります。遠方に住んでいて自分では通えないなら、空き家管理サービスを使う方法もあります。札幌の空き家管理については「札幌の空き家管理サービス」で、費用や冬の管理内容を整理しています。
なお、相続放棄をした場合でも、次の管理者が決まるまでは一定の管理責任が残ることがあります。相続放棄と空き家の関係は「相続放棄したら実家・空き家はどうなる?管理義務・費用・その後」でくわしく解説しています。
実家じまいで後悔・失敗しないための注意点
最後に、実家じまいでつまずきやすいポイントを整理します。先に知っておくだけで、大きな失敗は避けられます。
①家族に相談せず、勝手に進めない
実家じまいでいちばん多いトラブルが、家族間の行き違いです。「兄が勝手に処分した」「思い出の品を捨てられた」——こうしたことがきっかけで、きょうだい仲が悪くなることもあります。片付けを始める前に、費用の分担や、残すもの・処分するものの方針を、家族で共有しておいてください。親御さんが元気なら、親の気持ちを最優先に。切り出すときは、いきなり「捨てて」ではなく、「冬に転んだら心配だから」のように、親を気づかう言葉から始めるのがコツです。もめない進め方のコツは、生前整理の記事「生前整理とは?何から始める・やることリスト」でくわしくまとめています。
②貴重品を確認せず、一気に処分しない
「早く終わらせたい」と一気に処分してしまい、あとから現金・通帳・権利証・保険証券が出てくるはずだったと気づく——これも、よくある後悔です。とくにタンス預金や、古い封筒にしまわれた書類は見落としがちです。処分の前に、必ず貴重品と重要書類のチェックを済ませてください。
③「安い」だけで業者を選ばない
片付け・処分を業者に頼むとき、料金の安さだけで選ぶと、かえって高くつくことがあります。この分野には、「一式○円」と格安をうたって当日に高額を追加請求する、無許可で不用品を不法投棄する、といった悪質な業者もいるためです。無許可の業者に処分を任せると、不法投棄で依頼した側が責任を問われるおそれもあります。見積りの内訳・処分方法・追加料金の有無を、契約前に必ず確認してください。「無料回収」をうたう業者の見分け方は「「無料回収」は本当に無料?」で整理しています。
④実家が「ゴミ屋敷」状態でも、責めない
久しぶりに帰った実家が、物であふれていた——近年、とても増えているご相談です。加齢や体力の低下、心の事情が背景にあることも多く、頭ごなしに責めると、かえって片付けが進まなくなります。深刻な状態のときは「親の家の片付け(ゴミ屋敷)」も参考にしてください。
また、開拓札幌の公式LINEでは、「生前整理・実家じまいで“あとで後悔しない・損をしない”7つのチェックリスト」を無料でお渡ししています。
貴重品・重要書類の見落とし防止、相続の期限、費用を下げるコツ、悪質な業者を見抜く3つの質問など、この記事の要点をぎゅっとまとめた内容です。実家じまいを始める前に、ぜひ受け取ってください。ご登録だけでも大丈夫です。しつこい営業は、いたしません。

実家じまいについて、よくあるご質問
Q. 実家じまいは、何から始めればいいですか?
まずは家族での話し合いから始めてください。「売るのか・残すのか」「費用は誰が出すのか」を先に決めておくと、あとのトラブルを防げます。親御さんが元気なら、親の希望を聞くことが最初の一歩です。方針が決まったら、貴重品・重要書類の確保 → 家財の整理、と進めます。
Q. 親が実家の片付けを嫌がります。どう切り出せばいいですか?
無理に説得しないのがいちばんの近道です。「捨てよう」ではなく、「冬に転んだら心配だから」「災害のときに逃げやすくしたいから」など、親を気づかう理由から、引き出し1つの小さな範囲で始めてみてください。声のかけ方やもめない進め方は「生前整理とは?何から始める・やることリスト」でくわしく解説しています。
Q. 親が元気なうちと、亡くなった後、どちらで始めるべきですか?
可能なら、親が元気なうちがおすすめです。親自身が残すものを選べて、貴重品のありかも聞けます。売却などの手続きも、親の判断力があるうちのほうがスムーズです。亡くなった後は、相続放棄(3か月)・相続税(10か月)など期限のある手続きが加わります。
Q. 実家じまいの費用は、全部でいくらかかりますか?
「片付け・処分の費用」と「家を手放す費用」に分かれます。片付けは間取りと荷物量しだいで、戸建てなら9万〜50万円ほどが目安。これに、解体するなら木造30坪で90万〜150万円、売却するなら仲介手数料などが加わります。買取や自治体の大型ごみをうまく使うと、片付け費用は下げられます。
Q. 実家が遠方で、なかなか通えません。
遠方でも進められます。片付けは、帰省のタイミングに合わせて業者に1日で入ってもらう、動画・写真で見積りを取る、といった方法があります。空き家にしたあとの管理も、空き家管理サービスを使えば、遠方から任せられます。
Q. 相続放棄を考えています。実家の片付けをしても大丈夫ですか?
注意が必要です。相続放棄を検討しているなら、財産を処分・持ち出しする前に確認すべきことがあります。順番を間違えると、相続放棄ができなくなることがあるためです。片付けを始める前に「相続放棄するなら遺品整理はどうする?」を必ずご確認ください。
Q. 実家じまいの費用に、補助金は使えますか?
片付け・処分そのものに使える公的な補助金は、基本的にありません。ただし、老朽化した危険な空き家の解体については、自治体によって補助金を設けている場合があります。札幌市の場合の対象条件や申請の手順は、札幌の空き家 解体 補助金にまとめています。お住まいが市外の方は、それぞれの市区町村に確認してみてください。
まとめ|実家じまいは、「順番」と「早め」がすべて
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 実家じまいは、親が元気なうち(生前整理ルート)/亡くなった後(遺品整理+相続ルート)で進め方が変わる。まず自分がどちらかを確認する
- 進め方は7ステップ。①〜④が「片付け」、⑤〜⑦が「家と手続き」
- 費用は「片付け(間取り別の目安)」と「家の出口(解体・売却)」の2つ。買取・早めの着手で抑えられる
- 死後ルートは期限に注意(放棄3か月・税金10か月・登記と売却の税優遇は3年)
- 空き家のまま放置すると、税・資産価値・そして札幌なら冬の凍結・落雪のリスクがある
実家じまいは、人生でそう何度も経験することではありません。分からなくて当たり前です。大切なのは、正しい順番で、少しずつ、早めに動き出すこと。それだけで、費用も心の負担も、ずいぶん軽くなります。