「屋根の雪が、もう限界かもしれない」「軒先の雪が落ちてきそうで怖い」——。札幌の冬、そんな不安からこの記事にたどり着かれたのだと思います。
まず、いちばん大事なことをお伝えします。
屋根の雪下ろしは、自分でやるには危険な作業です。とくに、無理は禁物です。北海道では毎年、雪下ろしや除雪の作業中に、多くの方が屋根やはしごから転落してけがをし、命を落とす方もいます(くわしい数字は、後の「事故データ」の章で正直にお伝えします)。
そのうえで、多くの方が気になる「費用」から、先にお伝えします。
- 屋根の雪下ろしを業者に頼む費用は、1名1時間あたり12,000円前後〜、または1回10,000円〜35,000円ほどが目安です
- 屋根の広さ・雪の量・雪の重さ・排雪まで含むかで、金額は大きく変わります
- 正確な金額は、「見積り」でしか分かりません
必要なところから読めます。
- 費用の目安を知りたい方 → 「費用相場」の章へ
- いつ下ろすべきか知りたい方 → 「下ろすタイミング」の章へ
- 自分でやれるか迷っている方 → 「自分でやるのは危険」の章へ
- 空き家・実家の屋根にお困りの方 → 「空き家・実家」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌の家まわりの困りごとの相談窓口です。屋根の雪下ろしについても、ご相談を承っています。この記事では、脅すのでも急かすのでもなく、正直な費用と、安全な進め方をお伝えします。
屋根の雪下ろしを業者に頼む費用相場【札幌】
最初に、費用の全体像からお伝えします。屋根の雪下ろしの料金は、大きく分けて「時間制」と「1回いくらの定額制」の2通りで示されます。
屋根の雪下ろし料金の目安
札幌の業者が公表している料金をまとめると、目安は次のとおりです。
| 料金の出し方 | 目安(税込) | 補足 |
| 時間制(1名1時間あたり) | 12,000円前後〜 | 安全のため2名以上で作業する業者が多く、実際は2名分になることが多い |
| 1回の作業(一般的な戸建て) | 10,000円〜35,000円 | 屋根の広さ・雪の量で変動 |
※作業費の目安です。下ろした雪を運び出す「排雪」を頼むと、別途料金がかかります。
※屋根が高い・急勾配・雪が凍って重い、といった条件では、これを超えることもあります。
「時間制なのに、なぜ2名分?」と思われるかもしれません。屋根の上は転落の危険がある場所です。下で雪を受けたり、命綱を確保したりするために、2名以上で作業するのが、まっとうな業者のやり方だからです。1名で安く見える見積りは、かえって注意が必要です。
料金を決める、4つの要素
「なぜ、こんなに幅があるの?」——その答えが、料金の内訳にあります。屋根の雪下ろしの費用は、主に次の4つで決まります。
- 屋根の広さと形状:面積が広いほど、勾配が急なほど、時間と手間がかかります
- 雪の量と状態:積もった量はもちろん、湿って凍った雪は重く、作業が難しくなります
- 作業のしにくさ:高い建物、隣家との距離が近い、雪の落とし場所が狭い、といった現場の条件
- 排雪まで含むか:下ろした雪を敷地に置くだけか、トラックで運び出すかで変わります
とくに見落としやすいのが、④の排雪です。屋根から下ろした雪は、敷地に大きな山になります。置く場所がなければ、運び出しが必要です。排雪の費用相場や頼み方は、札幌の排雪ガイドでくわしくまとめています。
屋根の雪、いつ下ろすべき? 下ろすタイミングの目安
「まだ大丈夫かな」と迷っているうちに、屋根の雪は静かに重くなっていきます。下ろすかどうかの判断材料を、お伝えします。
積雪の目安は「50cm〜1m」。ただし、重さで考える
一般には、屋根の積雪が50cm〜1mを超えたら、雪下ろしを検討するのが目安とされます。ただし、大事なのは深さより「重さ」です。なお、札幌に多い平らな「無落雪屋根」は、そもそも雪を下ろさず屋根に載せて解かす作りなので、雪下ろしの考え方が変わります。ご自宅がこのタイプの方は、札幌の無落雪屋根まるごとガイドで仕組みとメンテのポイントをご確認ください。
雪は、新しくてサラサラなうちは軽いのですが、時間がたって湿ったり、下の層が凍ったりすると、一気に重くなります。目安として、次のように考えてください。
- 新雪:1㎡・深さ1mで、およそ100〜150kg
- 湿った雪・しまり雪:1㎡・深さ1mで、300kg以上になることも
たとえば屋根の面積が60㎡で、湿った雪が50cm積もっていれば、屋根の上には合計で9トン前後の重さがのっている計算になります。乗用車およそ6台分です。「まだ50cmだから」と油断できないのは、このためです。
とくに早めに下ろしたほうがよいサイン
次のような様子が見られたら、深さにかかわらず、早めの相談をおすすめします。
- 屋根の縁から、雪が庇(ひさし)のようにせり出している(=雪庇。落下すると危険)
- 窓や玄関のドアが、雪の重みで開けにくくなってきた
- 天井や壁から、ミシミシと音がする/建具のたてつけが悪くなった
- 雨どいが、雪の重みで曲がったり外れたりしている
- 築年数が古い家、物置・車庫・カーポートなど、もともと雪に弱い建物
とくに雪庇(せっぴ)は、放っておくと巨大な氷雪の塊になり、下を歩く人や車、隣家に落ちて大事故につながります。雪庇の見分け方・落とし方・費用は、雪庇(せっぴ)の対処ガイドでくわしくお伝えしています。
屋根の雪を放置すると、どうなる?
「そのうち解ける」と思っているうちに、リスクは静かに大きくなります。放置で起こりうることを、ありのままにお伝えします。
- 建物の変形・倒壊:重い雪が長くのり続けると、屋根や柱がゆがみ、最悪の場合は倒壊します。とくに古い家や、物置・カーポートは要注意です
- 雨漏り・すが漏り:屋根の雪が解けて再び凍る「すが漏り」で、天井や壁から水がしみ出すことがあります。すが漏りの原因や火災保険の使えるケースは、リンク先でくわしく解説しています
- 落雪による事故:屋根に積もった雪や雪庇が突然すべり落ち、下にいる人や車、隣家を直撃します。人にけがをさせれば、家の持ち主が責任を問われることもあります
- 玄関・窓がふさがる:軒先の落雪で出入り口が埋まり、いざというときに避難できなくなります
とくに、落雪による事故は「自分の家の雪で、他人にけがをさせてしまう」という、避けたい事態につながります。隣家との距離が近い札幌の住宅街では、けっして人ごとではありません。こうした落雪そのものを防ぐには、屋根に雪止めを付ける手もあります。付けるべき家・不要な家の見分けや後付け費用は、北海道の屋根の雪止めで解説しています。
屋根の雪下ろしを自分でやるのは危険|事故データが示す現実
「業者に頼むとお金がかかるから、自分で」——そう考える方は多いと思います。ですが、屋根の雪下ろしは、命に関わる作業です。数字で、正直にお伝えします。
北海道だけで、毎年これだけの人がけがをしている
北海道が公表している「雪による被害状況」によると、2024年11月から2025年3月までの1シーズンで、道内の雪による人的被害は244人(死者11人・重傷66人・軽傷167人)にのぼりました。そして、亡くなった11人は、全員が除雪や排雪の作業に関わる事故でした。
さらに、この数字には、見過ごせない特徴があります。
- 死傷した方のおよそ7割が、65歳以上の高齢者
- 事故の原因は「屋根からの転落」が約36%、「はしごからの転落」が約20%。この2つで、全体の半分以上を占めます
つまり、雪下ろしの事故の多くは、「屋根やはしごから落ちる」ことで起きています。そして、その被害に高齢の方が多いのが、北海道の冬の現実です。
全国でも、多雪の年は100人以上が亡くなっている
これは北海道だけの話ではありません。国土交通省の「雪下ろし安全10箇条」によると、雪の多い年には全国で年間1,000件以上の除雪事故が発生し、100人以上が亡くなっています。そして、死亡事故の約8割が65歳以上の高齢者によるものです。
「毎年やっているから慣れている」——その油断が、いちばん危ないのです。屋根の上は、足場が悪く、雪で滑りやすい高所です。落ちれば、無事では済みません。
それでも自分でやるなら|最低限の安全対策と、やってはいけないこと
「どうしても自分で」という方のために、最低限の安全対策をお伝えします。ただし、少しでも不安があれば、無理をせずプロに任せてください。命より大切な屋根はありません。
守ってほしい、安全のポイント
国土交通省の「雪下ろし安全10箇条」などをもとに、とくに大切な点をまとめます。
- 必ず2人以上で作業する:1人での作業は、絶対に避けてください。落ちても誰も気づけません
- 命綱とヘルメットをつける:命綱は、丈夫な場所にしっかり固定します
- はしごは、上をしっかり固定する:はしごからの転落が、事故の2割を占めます
- 晴れた日の日中に行う:吹雪や、暗くなってからの作業はしない
- 携帯電話を身につける:万一のとき、その場で助けを呼べるように
- 低い屋根でも油断しない:物置や車庫のような低い屋根でも、落ちればけがをします
これは、絶対にやってはいけない
- 屋根の雪を、下に人がいる場所へ落とす:通行人や、雪かき中の家族を直撃します
- 命綱なしで、屋根のふちに近づく:ふちの雪は、雪庇として張り出していることがあり、踏み抜くと一緒に落ちます
- 屋根の雪を、全部きれいに下ろそうとする:屋根材が見えるまで削ると、屋根を傷めます。10〜20cm残すのが基本です
- 一人暮らしの高齢者が、一人で上がる:これがいちばん危険です。家族や近所に一声かけてから
カーポート・物置・車庫の雪下ろし
屋根本体だけでなく、カーポート・物置・車庫の雪も、見落とせません。これらは、家の屋根より雪に弱いことが多いからです。
カーポートは、意外と雪に弱い
カーポートの屋根は、家の屋根ほどの重さに耐えられない設計のものが多くあります。とくに、湿った重い雪が積もると、支柱ごとつぶれてしまうことがあります。下に停めた車ごと、被害を受けるケースも少なくありません。
- 積雪に弱いタイプのカーポートは、20〜30cmの積雪でも要注意とされます
- お使いのカーポートが、どのくらいの雪に耐える設計か(耐積雪の目安)を、一度確認しておくと安心です
- 雪下ろしのときは、屋根材(ポリカーボネートなど)を割らないよう、樹脂製のスコップを使うなどの配慮が必要です
カーポートを自分で安全に下ろす「何cmで下ろすか」の目安や道具は、カーポートの雪下ろし|目安と安全なやり方でくわしく解説しています。なお札幌の業者では、カーポートの雪下ろしを1回・数千円〜1万円台で受けているところもあります。屋根本体とあわせて頼めば、割安になることもあります。もし雪で変形・破損してしまったら、札幌のカーポート・車庫修理もあわせてご覧ください。
物置・車庫も、同じ考え方で
古い物置や車庫は、屋根が傷んでいることもあり、重い雪でつぶれやすい建物です。中に大切なものをしまっているなら、家の屋根と同じように、早めの雪下ろしを検討してください。
空き家・実家の屋根の雪管理(遠方から頼むとき)
「札幌を離れて暮らしていて、実家や空き家の屋根が心配」——近年、とても増えているご相談です。誰も住んでいない家ほど、雪の異変に気づく人がいません。
放っておくと、こんなことが起きる
- 雪の重みで、屋根や建物が傷み、資産価値が下がる
- 軒先からの落雪で、隣家や通行人に被害を出し、持ち主が責任を問われる
- すが漏りで室内が傷み、いざ売る・貸すときに、修繕費がかさむ
とくに、相続などで引き継いだまま放置している空き家は、雪の問題が「気づいたときには手遅れ」になりがちです。空き家の管理義務や費用の考え方は、相続放棄したら実家・空き家はどうなる?でもふれています。屋根の雪だけでなく、水抜きや見回りの頻度など冬の空き家管理の全体像は「空き家の管理はどうする?自分でやる場合の頻度と、管理サービスの費用相場」にまとめています。
遠方からでも、頼める進め方
- 現地の写真・動画を、近所の方やご家族に撮ってもらい、それをもとに業者に見積りを頼む
- 作業には立ち会わず、作業後の写真報告で確認する(対応できる業者があります)
- 毎冬のことなら、シーズンを通した見守り・除排雪を相談しておく
今の状況を写真で送っていただくのがいちばん早いです。開拓札幌の公式LINEから、屋根の写真を1枚送るところで大丈夫です。ご相談は無料です。
失敗しない、屋根の雪下ろし業者の選び方
料金と同じくらい大切なのが、「どこに頼むか」です。屋根の雪下ろしは、屋根を傷めたり、事故が起きたりするリスクのある作業です。次の点を確認してください。
チェックしたい、5つのポイント
- 損害賠償保険に入っているか:作業中に屋根やカーポートを壊した、雪が隣家に落ちた——そんなとき、保険に入っていない業者だと、賠償でもめることがあります。ここは、必ず確認してください
- 見積りが「項目ごと」で、追加料金なしと明言するか:「作業後に追加請求しない」と言い切ってくれるか
- 2名以上で、安全対策をして作業するか:命綱・ヘルメットなど、安全への意識がある業者か
- 屋根を傷めない配慮があるか:雪を残す・屋根材に合った道具を使う、といった説明があるか
- 会社の所在地・連絡先が、はっきり示されているか
とくに①の保険は、屋根の雪下ろしでは最重要です。高所での作業には、どうしても事故のリスクがつきまといます。万一に備えている業者かどうかが、安心して任せられるかの分かれ目です。
札幌の除雪・排雪業者一覧には、雪下ろしに対応し、料金を公表している業者もまとめています。頼む前の比較に、あわせてお使いください。
「安さ」だけで選ばない
屋根の雪下ろしは、「1人あたりの料金と聞いていたのに、作業後に人数×時間分の高額を請求された」といった料金トラブルが起きやすい作業です。時間制か定額か、何名で来るか、排雪は含むか——契約の前に、必ず確認してください。
屋根の雪下ろしについて、よくあるご質問
Q. 屋根の雪下ろしは、いくらぐらいかかりますか?
一般的な戸建てで、1回10,000円〜35,000円ほどが目安です。時間制の場合は、1名1時間あたり12,000円前後〜が目安です。屋根の広さ・雪の量・排雪の有無で変わるため、正確な金額は見積りで確認してください。
Q. 何cm積もったら、下ろすべきですか?
一般には50cm〜1mが目安ですが、大事なのは深さより「重さ」です。湿った雪や凍った雪は重く、少ない積雪でも屋根に大きな負担がかかります。窓が開けにくい・雪庇が張り出している、といったサインがあれば、深さにかかわらず早めにご相談ください。
Q. 自分でやってはいけませんか?
禁止はされていませんが、屋根やはしごからの転落事故が毎年多く起きており、おすすめはできません。とくにご高齢の方は、無理をなさらないでください。どうしても自分でやる場合は、必ず2人以上・命綱ありで行ってください。
Q. 下ろした雪は、どうなりますか?
敷地に置く場合と、トラックで運び出す(排雪する)場合があります。置き場所がないときは排雪が必要で、別途費用がかかります。くわしくは札幌の排雪ガイドをご覧ください。
Q. 立ち会えないのですが、頼めますか?
写真・動画での見積りや、作業後の写真報告に対応できる業者があります。遠方にお住まいで実家や空き家の屋根が心配な方も、ご相談ください。
Q. 屋根の雪下ろしと、ふだんの雪かきは別に頼めますか?
はい。屋根は雪下ろし、敷地の雪はふだんの除雪、と分けて頼めます。除雪代行の料金や頼み方は、札幌の除雪・雪かき代行ガイドでまとめています。
まとめ|屋根の雪下ろしは、無理をせず、早めに
最後に、大切なことを、もう一度おさらいします。
- 業者費用の目安は1回10,000円〜35,000円(時間制なら1名1時間12,000円前後〜)。正確な額は「見積り」で確かめる
- 下ろすタイミングは、深さより「重さ」で判断。雪庇・窓が開けにくい・ミシミシ音はサイン
- 自分でやるのは危険。北海道では毎冬多くの人が屋根やはしごから転落している。とくに高齢の方は無理をしない
- 業者選びは損害賠償保険の加入を必ず確認。安さだけで選ばない
屋根の雪は、放っておくほど重く、危険になります。だからこそ、まだ動けるうちに手を打つのが、いちばん安全です。
雪下ろしを含む札幌の除雪・排雪の相場早見表と、契約前に業者へ聞く5つの質問は、無料資料「札幌の除雪・排雪|損しない業者選びと相場 まる分かりシート」(A4×6ページ)にまとめています。

公式LINEの友だち追加で、どなたでも無料でお受け取りいただけます。印刷して、この冬の手元資料としてお使いください。