「もう何年も使っていない」「灯油代が高くて、やめたい」「壊れたまま放置している」「中古で買った家に、なぜか付いていた」——。ロードヒーティングの撤去を考えはじめた理由は、人それぞれだと思います。
まず、大事なことをお伝えします。撤去は「する・しない」の二択ではありません。機器だけ外す・舗装ごと剥がす・止めたまま置いておく・いっそ直して使う——選び方はいくつもあります。急いで決める前に、まずは全体像から整理していきましょう。
まず気になる「費用」から、正直にお伝えします。
- いちばん多いのはボイラーなど機器だけの撤去で、目安はおよそ5.5万〜7万円(税別)です
- 地面に埋まった配管まで撤去すると、外構工事になり、費用は大きく上がります
- 正確な金額は、設置状況で変わるため「見積り」でしか分かりません
必要なところから読めます。
- 撤去すべきか迷っている方 → 「判断基準」の章へ
- いくらかかるか知りたい方 → 「費用の相場」の章へ
- 撤去したあとの雪が心配な方 → 「撤去した後の雪対策」の章へ
- 売る予定の家のRHにお悩みの方 → 「売却予定の家」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌で除雪や住まいの困りごとの相談窓口を運営しています。
ロードヒーティング(この記事では、以下「RH」とも呼びます)の撤去についても、ご相談を承っています。特定の業者に肩入れせず、お客さまにとって最適な進め方を、中立の立場でご案内します。この記事では、急かすのでも脅すのでもなく、撤去の判断・費用・流れ・そのあとの雪対策までを、順を追ってお伝えします。
ロードヒーティング、撤去すべき? 判断の基準
「撤去したい」と思っても、いざとなると迷うものです。まずは、撤去に踏み切る方が多い理由と、逆に「撤去しないほうがよい」ケースを、中立に整理します。RHの仕組みや向き不向きから知りたい方は、札幌のロードヒーティング完全ガイドも参考にしてください。
RHを撤去・停止する方に多いのは、次のような状況です。
- もう何年も使っていない:灯油代・電気代が負担で、スイッチを入れなくなった
- 壊れたまま放置している:直そうにも修理見積りが高く、そのままになっている
- ボイラー・灯油タンクが老朽化している:長く使っていない機器の劣化が心配(灯油漏れ・不凍液の劣化など)
- 売却・建て替えの前に整理したい:使わない設備を片付けておきたい
- 中古で買った家に付いていた:使う予定がなく、管理の手間だけが残っている
「撤去する前に、直して使う」も選択肢
一方で、「撤去」ではなく「直して使う」ほうが、結果的に得になるケースもあります。とくに、次のような場合です。
- 不調の原因が、センサーや不凍液など部品レベルの軽い故障にとどまっている
- 高齢のご家族がいて、毎日の雪かきの負担を今後も減らしたい
- 玄関前や急な坂など、雪や凍結で転倒の危険がある場所に敷いてある
「動かない=寿命」とは限りません。症状によっては、数万円の部品交換で復活することもあります。直すか撤去するかを決める前に、ロードヒーティングが動かないときの症状別チェックと修理相場で、まず不調の原因を確かめてみてください。修理の費用感がわかれば、「直す・撤去する」の判断がぐっとしやすくなります。
撤去を前向きに考えてよいケース
逆に、次のような場合は、撤去(または機器の停止)を前向きに検討してよいと考えられます。
- ライフスタイルが変わり、車を手放した・雪かきが苦にならない場所に引っ越す予定がある
- 修理費が高額で、この先の灯油代・メンテ費まで含めると割に合わない
- ボイラーや灯油タンクの老朽化リスクを、これ以上抱えたくない
- 撤去して、排雪契約や除雪代行に切り替えたほうが、暮らしに合っている
ロードヒーティングの撤去、選択肢は大きく3つ
「撤去」と一口に言っても、実はやり方がいくつかあります。ここを知らないまま業者に頼むと、想定外の費用になったり、逆に不要な工事まで頼んでしまったりします。大きく分けて、次の3つです。

(a) 機器(ボイラー等)だけ撤去する = いちばん多い
もっとも一般的で、費用も抑えられるのがこの方法です。ボイラーやボイラー庫(機器を収める小屋)を撤去し、地面に埋まった配管(ヒーティングパイプ)はそのまま残します。
配管を掘り起こすには、舗装を剥がす外構工事が必要で高額になるため、「場所をとる機器だけ外して、埋設部分は残す」という選び方をする方が多いのです。見た目もすっきりし、灯油タンクや老朽化した機器の不安もなくなります。
- 向いている人:とにかく費用を抑えたい/機器の老朽化だけ解消したい/将来また使う可能性をゼロにしたくない
- 残るもの:地中の配管(残しても、通常はそのまま埋めておいて問題ありません)
(b) 舗装ごと全部撤去する = 外構工事
地面の配管まで完全になくしたい場合は、舗装(コンクリート・アスファルト)を剥がして配管を掘り出し、整地・再舗装する外構工事になります。
駐車場を作り直す・庭にする・土地を更地にして売るなど、その場所の使い方を根本から変えるときに選ばれます。ただし、機器だけの撤去とは費用の桁が変わります(くわしくは次の章で)。
- 向いている人:駐車場・外構をまるごとリフォームする/更地にして売却する
- 注意:外構工事とセットで考えると、撤去費が全体に埋もれて割安になることもあります
(c) 撤去せず、停止したまま置いておく
「工事費をかけたくない」「使う可能性を残したい」という理由で、撤去せずに止めたまま置いておく選び方もあります。これ自体は問題ありませんが、放置には次のようなリスクがあることは知っておいてください。
- 凍結による破損:温水式で不凍液が古いまま/抜けている場合、配管やボイラーが凍って割れることがあります
- 灯油・不凍液の劣化:長く放置した灯油タンクの灯油は劣化し、灯油漏れの原因にもなります
- ボイラーの老朽化:動かさない機器も、年数とともに傷みます。いざ使おうとしても動かないことがあります
- 見た目・管理の手間:使わない機器庫が場所をとり、外観の印象にも影響します
「当分は判断を保留したい」という場合でも、灯油を抜いておく・不凍液の状態を確認しておくと、破損やトラブルを防ぎやすくなります。
ロードヒーティングの撤去費用の相場【札幌・パターン別】
いちばん気になる費用です。ここでは、公表されている実際の料金をもとに、パターン別の目安をお伝えします。撤去費は「ボイラー庫を残すか、庫ごと撤去するか」「埋設配管まで撤去するか」で大きく変わります。

機器(ボイラー)だけの撤去費用
札幌でRHの撤去・修理を手がける札幌ニップロが公表している撤去費用の目安によると、機器だけの撤去は次のとおりです。
| 撤去のしかた | 費用の目安(税別) | 所要時間の目安 |
| ボイラー庫を残して撤去 | 55,000〜65,000円 | 1時間30分〜2時間 |
| ボイラー庫ごと撤去 | 60,000〜70,000円 |
※上記は同社が公表している目安です。設置状況によって変わります。
※電気工事や外構工事が別途必要になると、追加費用がかかることがあります。
このように、機器だけの撤去なら、おおよそ5.5万〜7万円(税別)が目安です。ボイラー庫(機器を収める小屋)を残すか、庫ごと壊して撤去するかで、少し金額が変わります。作業自体は半日かからず、1時間半〜2時間ほどで終わることがほとんどです。
埋設配管まで撤去する場合(外構工事)
地面に埋まった配管まで撤去する場合は、舗装を剥がして掘り起こす外構工事になります。これは機器だけの撤去とは費用の性質がまったく違い、面積・舗装の種類・再舗装の有無で数十万円以上になることも珍しくありません。金額は現場ごとの見積りでしか出せないため、業者に現地を見てもらう必要があります。
なお、参考までにRHの設置(新設)は、面積や方式によって数十万〜100万円超が目安です。設置費や電気代・灯油代の相場はロードヒーティングの費用・電気代・ランニングコスト大全でまとめています。
灯油・不凍液の抜き取りは費用に含まれる?
撤去では、灯油タンクの灯油や、温水式の不凍液を抜き取る作業が発生します。この抜き取り・処分費が、撤去費用に含まれているか別料金かは業者によって異なります。見積りを取るときは、「灯油・不凍液の抜き取りと処分まで込みか」を必ず確認してください。
ロードヒーティング撤去工事の流れ
実際の撤去工事が、どんな手順で進むのかを知っておくと、見積りの内容も理解しやすくなります。機器(ボイラー)だけを撤去する場合の、大まかな流れは次のとおりです。

① 灯油・不凍液の抜き取り
まず、灯油タンクの灯油と、温水式の場合は配管を巡る不凍液を抜き取ります。これらはそのままでは運べず、適正に処分する必要があります。地中の配管(ヒーティングパイプ)は、地面の位置でカットして残すのが一般的です。
② 機器の取り外し・配管の処理
灯油配管は、地上で分岐している場合は切り離します。ボイラーまで伸びる配管が地中深くにある場合は、そのまま残すこともあります。電源は、外壁の外部コンセントから取っている場合はコンセントを抜いて配線を撤去し、室内から電力を取っている場合は別途、電気工事が必要になります。
③ ボイラー・ボイラー庫の撤去
ボイラー本体を取り外し、「庫ごと撤去」を選んだ場合はボイラー庫(小屋)も解体して撤去します。この工程で、見た目がすっきりします。
④ 整地・後片付け
撤去でできた跡を整え、片付けて完了です。機器だけの撤去なら、ここまでを1時間半〜2時間ほどで終えられるのが一般的です。埋設配管まで撤去する場合は、ここに舗装の解体・掘削・整地・再舗装が加わり、日数も費用も大きくなります。
工事ができるのは、春〜秋だけ
ひとつ大切な注意点があります。RHの撤去工事は、冬(積雪期)にはできません。地面が雪や凍結でふさがっているためです。工事ができるのは、雪が解けた春から秋にかけて。「今シーズンはもう使わない」と決めたら、次の冬が来る前、できれば春〜夏のうちに動いておくと、業者の予約も取りやすく安心です。
ロードヒーティングを撤去した後、雪対策はどうする?
撤去でいちばん見落とされがちなのが、ここです。RHをやめたら、これまで自動で溶けていた雪を、別の方法で処理しなければなりません。撤去の見積りを取る前に、「そのあとの雪をどうするか」まで決めておくと、後悔がありません。札幌での現実的な選択肢は、大きく3つです。

① 除雪を頼む(除雪代行)
玄関前や駐車スペースの雪を、そのつど(または契約で)かき分けてもらう方法です。RHのように「溶かす」のではなく「どかす」ので、灯油代・電気代のような毎月のランニングコストはかかりません。高齢のご家庭や、日中家を空けがちなご家庭に向いています。
頼み方や料金の考え方は、札幌の除雪代行の料金相場と業者の選び方でくわしくまとめています。
② 排雪を頼む(スポット排雪・シーズン契約)
かいた雪や積もった雪を、トラックで運び出してもらう方法です。1回だけ頼む「スポット排雪」と、ひと冬を通してお願いする「シーズン契約」があります。RHをやめると、敷地内に雪をためる場所が必要になることもあり、そのときに排雪が効いてきます。
料金の目安や契約の選び方は、札幌の排雪の料金相場|スポットとシーズン契約の違いをご覧ください。
③ 融雪機・融雪槽に買い替える
「やっぱり雪は溶かしたい。でもRHのランニングコストは高い」という方には、融雪機・融雪槽への買い替えという選択肢もあります。とくに札幌では、地下水を使う融雪槽なら電気代を大きく抑えられるケースがあり、RHより維持費が安く済むこともあります。
RHを撤去して融雪機・融雪槽に替える場合の費用感は、RHの費用・ランニングコスト大全で設備どうしを比べられます。
どれが合う? 選び方のヒント
ざっくりした目安は、次のとおりです。
- 毎月の固定費をなくしたい → 除雪代行・排雪(設備を持たない)
- 雪をためる場所がなく、運び出したい → 排雪(シーズン契約)
- 雪は溶かしたいが、維持費は下げたい → 融雪機・融雪槽への買い替え
売却予定の家のロードヒーティングは、撤去すべき?
「家を売る前に、使っていないRHを撤去したほうがいい?」——これも、よくいただくご相談です。結論から言うと、撤去したほうがよいかどうかは、RHが動くか・止まっているかで考え方が変わります。売却の判断は最終的に不動産会社と相談すべきものですが、整理のヒントをお伝えします。
ちゃんと動くRHは、プラス材料になりうる
現役で使えるRHは、札幌のように雪の多い地域では「雪かきの負担が少ない家」というアピール材料になりえます。この場合、あわてて撤去する必要はありません。買い手が「いらない」と判断すれば、その方が撤去すればよいだけです。むしろ「動く設備」として残しておいたほうが、選ばれる可能性が広がることもあります。
故障・停止中のRHは、現状を正直に
一方、壊れている・長年止まっているRHは、そのまま残すと「動くのか動かないのか分からない設備」になり、買い手にとってはかえって不安材料になることがあります。この場合の選び方は、主に次の2つです。
- 現状のまま、正直に伝える:「故障・停止中で、修理・撤去は買主負担」と明示して売る。撤去費をかけずに済みます
- 機器だけ撤去して、すっきりさせる:老朽化した機器を撤去し、見た目と管理の不安をなくしてから売りに出す
どちらが有利かは、物件・相場・買い手層によって変わります。「撤去すれば必ず高く売れる」といった単純な話ではありませんので、まずは不動産会社に「この状態のRHを、撤去するか・現状で出すか」を相談するのが確実です。
ロードヒーティング撤去業者の選び方と、相談窓口
最後に、どこに頼めばよいかです。撤去は、設置ほど業者が多くなく、「そもそも撤去だけ頼めるのか」が分かりにくい工事です。次の点を確認して選ぶと、失敗しにくくなります。
確認したい、4つのポイント
- 撤去だけを頼めるか:業者によっては「設置とセットでないと受けない」こともあります。撤去のみ対応してくれるかを、まず確認します
- 灯油・不凍液の抜き取り・処分まで対応できるか:これらは適正処分が必要です。撤去費に含まれるか、別料金かも合わせて聞きましょう
- 電気工事の範囲:室内から電源を取っている場合、配線の処理に電気工事が必要になります。そこまで一社で対応できるかを確認します
- 見積りが無料で、項目ごとに出るか:「一式いくら」ではなく、撤去・処分・電気工事などの内訳が分かる見積りだと安心です
撤去だけの工事は、業者選びに迷いやすい
撤去は、設置や修理に比べて頼む機会が少なく、「相場が分からない」「どこに聞けばいいか分からない」となりがちです。かといって、一括見積もりサイトに登録すると、申し込んだ直後から何社もの営業電話が鳴ることもあり、気が重いものです。
開拓札幌では、RHの撤去だけを頼める業者、灯油・不凍液の処分まで対応できる業者を、条件に合わせてご案内します。ご案内するのは条件に合う1〜2社だけなので、営業電話がいくつも鳴ることはありません。「電話したら撤去は受けていなかった」「対応エリア外だった」という探し直しも、こちらで引き受けます。
もちろん、ご相談は無料です。撤去するかどうかまだ迷っている段階でも、「うちの場合はいくらくらいか」「撤去したあとの雪はどうすればいいか」といった相談だけでも大丈夫です。しつこい営業は、いたしません。
撤去したあとの冬は、除雪をどう回すかが、そのまま費用になります。開拓札幌の公式LINEでは、「札幌の除雪・排雪 損しない業者選びと相場 まる分かりシート」を無料でお渡ししています。

相場早見表と3つの頼み方の使い分け、契約前の5つの質問まで1枚に。撤去後の段取りづくりに使えます。ご登録だけでも大丈夫です。しつこい営業は、いたしません。
ロードヒーティングの撤去について、よくあるご質問
Q. 灯油タンクも一緒に撤去できますか?
はい、多くの場合、灯油タンクも撤去の対象にできます。ただし、タンク内の灯油を抜き取って適正に処分する作業が必要です。撤去費に含まれるか別料金かは業者によって異なるので、見積りのときに「灯油タンクと中の灯油の処分まで込みか」を確認してください。
Q. 一部だけ撤去する(機器は残して配管だけ、など)ことはできますか?
現実的に多いのは、その逆で「機器(ボイラー等)だけ撤去して、地中の配管は残す」パターンです。配管だけを撤去して機器を残すことは、通常あまり行いません。埋設配管の撤去は舗装を剥がす外構工事になり高額なため、費用を抑えたい場合は機器だけの撤去がおすすめです。
Q. 撤去せず、融雪機に切り替えることはできますか?
できます。RHを撤去(または機器のみ撤去)したうえで、融雪機や融雪槽を新たに設置する方も多いです。とくに札幌では、地下水式の融雪槽なら維持費を抑えられるケースもあります。設備どうしの比較はRHの費用・ランニングコスト大全を参考にしてください。
Q. 撤去の見積りは無料ですか?
業者によりますが、無料で現地見積りを行うところが多いです。開拓札幌がご案内するのは、見積りが無料で、内訳が分かるかたちで出してくれる業者です。まずは公式LINEでご相談ください。
Q. 冬でも撤去してもらえますか?
基本的に、積雪期(冬)の撤去工事はできません。地面が雪でふさがっているためです。工事ができるのは、雪の解けた春から秋にかけてです。「今シーズンで終わりにしたい」と決めたら、春〜夏のうちに動くのが安心です。
Q. 撤去したあとの雪かきが不安です。
撤去のあとは、除雪代行・排雪・融雪機への買い替えなどで雪に備えます。「うちの敷地なら、どの方法が楽か」も含めてご相談いただけます。くわしくは「札幌の除雪代行」「札幌の排雪」もあわせてご覧ください。
まとめ|撤去は「そのあとの雪対策」まで決めてから
最後に、大切なポイントをおさらいします。
- 撤去は二択ではない。機器だけ撤去/舗装ごと全撤去/停止のまま放置から、状況に合う方法を選ぶ
- いちばん多いのは機器だけの撤去で、目安は5.5万〜7万円(税別)。埋設配管まで撤去すると外構工事で高額になる
- 工事ができるのは春〜秋だけ。冬は不可なので、早めに動く
- 「動かない」だけなら直して使う選択もある。まず不調の原因を確かめる
- 撤去後の雪対策(除雪・排雪・融雪機)まで決めてから撤去すると、冬に慌てない
使わなくなった設備を整理するのは、暮らしを軽くする前向きな一歩です。撤去するか、直すか、別の雪対策に替えるか——迷ったら、ひとりで抱えずにご相談ください。

