「相続した実家をそのままにしているけれど、傷みが進んで心配」「解体したいが、費用が重くて踏み出せない」——。空き家をお持ちの方から、いちばん多くいただくお悩みです。
そんな方に、まずお伝えしたいことがあります。札幌市には、危険な状態になった空き家の解体費用を補助する制度があります。うまく使えば、解体費の一部が戻ってきます。
ただし、この制度には「知らずに動くと、そもそも対象外になる」落とし穴があります。しかも、令和8年度は申請の受付が始まっている真っ最中です。急ぎで押さえるべき点だけ、先に3つお伝えします。
- 補助が出るのは、市の事前確認で「危険空家等」と判定された空き家だけ。まず判定を受ける必要があります
- 戻る額は通常型で最大50万円(工事内容によってはこれ未満)。150万円の枠もありますが、今年もらえるものではありません(後述)
- 市の交付決定より前に解体を契約・着手すると、対象外。締切も「申請9/30」の前に「事前確認9/16」があります
必要なところから読めます。
- いくら戻るのかを知りたい方 → 「補助額の計算」の章へ
- 今年間に合うのか・締切が心配な方 → 「スケジュールと3つの落とし穴」の章へ
- 申請の手順・書類を知りたい方 → 「申請の流れ」の章へ
- 相続した実家で使えるか知りたい方 → 「相続した実家で申請するには」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌で空き家・実家じまいや解体の相談窓口を運営しています。
この記事では、令和8年度の札幌市公式の情報をもとに、補助の対象・金額・申請の手順を、専門用語をかみくだいてお伝えします。読み終えるころには、「自分は使えるのか」「次に何をすればいいのか」がはっきりします。
令和8年度・札幌市の空き家 解体 補助金とは(対象になる空き家の条件)
最初に、制度の全体像からお伝えします。正式には「令和8年度 札幌市危険空家等除却補助制度」といいます。「除却(じょきゃく)」とは、建物を解体して撤去することです。
札幌市の公式ページ(2026年6月10日更新)によると、この制度は「倒壊や建築部材の飛散のおそれがある危険な空き家などの解体工事にかかる費用の一部を補助する」ものです。つまり、どんな空き家でも対象になるわけではなく、「危険な状態」と市が認めたものが対象です。
補助の対象になる4つの条件
令和8年度時点で、補助を受けられるのは、次のすべてに当てはまる工事です。
- 市の事前確認で「危険空家等」と判定された空き家であること。ここでの「空き家」とは、札幌市内にあり、原則として1年以上使われていない建物や、その附属工作物などを指します
- その空き家の原則すべてを解体し、更地にする工事であること(一部だけ壊す工事は対象外)
- まだ着手していない工事であること。すでに終わった・着手した・市の決定前に契約した工事は対象外です
- 解体を任せる業者が、建設業法の許可(土木・建築・解体のいずれか)、または建設リサイクル法にもとづく北海道知事の登録を受けた事業者であること
「1年以上使っていない」「更地にする」「まだ壊していない」「ちゃんとした業者に頼む」——この4つが入口の条件だと考えてください。
なお、「危険空家等」に当たるかどうかは、自分では判断できません。市の事前確認(判定)を受けて、はじめて決まります。倒壊や外壁・屋根材の飛散のおそれがあるかどうかを、市が確認します。「うちは対象になるだろうか」と迷う段階でも、まず判定を依頼してみるのが第一歩です。
申請できるのは「個人」だけ
もう一つ大事な線引きがあります。この補助金を申請できるのは個人だけで、法人(会社)は申請できません。
そのうえで、申請できるのは次のいずれかに当てはまる方です。
- 解体する空き家の建物の所有者(登記名義人の相続人を含みます)
- 解体する空き家が建つ土地の所有者(登記名義人に限ります)
- その他、市が認めた方(空き家の建物所有者の親族など)
「建物の名義人が亡くなった親のままだけれど、自分は相続人」という方も対象に含まれます。相続がからむケースは、あとの「相続した実家で申請するには」の章でくわしくお伝えします。
そのうえで、申請する方には次の条件もあります。あわせて確認しておいてください。
- 申請は、令和8年度内に一人1回までです。同じ年度に何件も申請することはできません
- 申請者が、市税(市民税・固定資産税・都市計画税)を滞納していないこと
- 申請者が、暴力団員でないこと。また、暴力団や暴力団員と密接な関係を有する者でないこと
(市税の滞納がないことは、相続がからむケースでも共通の条件です。相続の章でもあらためて触れます。)
いくら戻る? 空き家 解体 補助金の額を自分で計算する

いちばん気になるのは、「結局いくら戻るのか」ですよね。ここが、この記事のいちばん大事なところです。
先に結論をお伝えすると、通常型で最大50万円です。ただし「必ず50万円」ではありません。3つの計算のうち、いちばん低い額になる仕組みだからです。順番に見ていきましょう。
通常型は「3つの式のいちばん低い額」
札幌市公式によると、通常型の補助額は、次の1〜3のうちいちばん低い額です。
- ① 解体工事費 × 3分の1
- ② 国が定める標準除却費 × 延べ面積 × 10分の8
- ③ 50万円
「50万円」はあくまで上限です。①や②で計算した額が50万円より小さければ、その小さいほうが補助額になります。とくに建物が小さい場合は、50万円に届かないことがあります。
①の「除却工事費」に、入るもの・入らないもの
①の計算に使う「除却工事費」は、解体にかかる費用ならなんでも入れられる、というわけではありません。ここを勘違いすると、試算した補助額と、実際に戻る額がずれてしまいます。
札幌市公式によると、除却工事費の扱いは次のとおりです。
- 残置物の処分費、跡地の舗装費用、各種手数料などは、除却工事費に含められません(建物を壊して更地にする工事そのものの費用が対象、という考え方です)
- 消費税・地方消費税も、除却工事費には含められません(税抜きで考えます)
- 値引きがある場合は、税抜額から値引額を差し引いた額で除却工事費を計算します
たとえば見積書に「解体工事費」のほかに「残置物の処分」「跡地の舗装」といった項目が並んでいても、①の計算に使えるのは解体工事そのものの部分(税抜)だけです。見積りを取ったら、どこまでが除却工事費に当たるかを、業者に確認しておくと安心です。
「標準除却費」とは?(自分の家で試算してみる)
②に出てくる「標準除却費」は、国が1平方メートルあたりで定めた解体費の目安です。令和8年度の額は、次のとおりです。
| 建物の構造 | 標準除却費(1㎡あたり) |
| 木造 | 36,000円 |
| 非木造(鉄骨・鉄筋コンクリートなど) | 51,000円 |
※標準除却費は毎年変わります。上記は令和8年度・国が交付決定の時点で定める額です。
この数字を使って、実際に試算してみましょう。たとえば延べ面積60㎡の木造の空き家で、解体の見積りが150万円だったとします。
- ① 150万円 × 1/3 = 50万円
- ② 36,000円 × 60㎡ × 8/10 = 172万8,000円
- ③ 50万円
この場合、いちばん低いのは①と③の50万円なので、補助額は50万円になります。
では、もっと小さい家だとどうなるでしょうか。延べ面積30㎡の木造で、見積りが90万円のケースです。
- ① 90万円 × 1/3 = 30万円
- ② 36,000円 × 30㎡ × 8/10 = 86万4,000円
- ③ 50万円
このときは、いちばん低い①の30万円が補助額です。50万円満額にはなりません。
このように、「工事費が安い・家が小さい」ほど、補助額も小さくなるのがこの制度の特徴です。逆に言えば、上限50万円を満額もらえるのは、それなりの規模の工事のときです。
150万円の「地域連携型」は、今年もらえるものではない

札幌市の制度には、通常型のほかに「地域連携型」という枠があり、こちらは最大150万円です。2つの型を並べると、こうなります。
| 項目 | 通常型 | 地域連携型 |
| 上限額 | 50万円 | 150万円 |
| 工事費に対する率 | 3分の1 | 10分の9 |
| 標準除却費×面積に対する率 | 10分の8 | 10分の9 |
| 土地の利用制限 | なし | 解体後の土地を5年間、地域の団体に無償で貸す等の条件つき |
| 令和8年度の扱い | 交付を受けられる | 令和9年度以降を目指す案件の相談・協議の段階 |
※どちらも「①工事費×率」「②標準除却費×延べ面積×率」「③上限額」の3つのうち、いちばん低い額になります。
「それなら150万円のほうを狙いたい」と思いますよね。ですが、ここに注意が必要です。
札幌市公式によると、令和8年度の地域連携型は、原則として「令和9年度以降に申請することを目指す案件の、相談・協議を受け付ける段階」です。つまり、令和8年度中に150万円が実際に交付されるわけではありません。「今年150万円もらえる」と早合点しないでください。
しかも地域連携型には、解体後の土地を5年間、町内会などの地域の団体に無償で貸し、その団体が土地を維持管理・活用することに同意するという条件がつきます。土地を自由に使えなくなる期間があるということです。使えるかどうかは、地域の事情や土地の活用計画としっかりすり合わせる必要があります。
なお、この記事は「補助金」を軸にまとめています。解体費そのものの相場や坪単価は、費用をくわしく扱う別記事にゆずります。補助額の計算に使う「見積り額」は、まず解体業者に見てもらうのが確実です。解体費そのものの相場や内訳は、札幌の家の解体費用と業者の選び方でくわしくまとめています。
【最重要】申請スケジュールと、見落としがちな3つの落とし穴

制度の中身より先に、じつは「日程」でつまずく方がいちばん多いのがこの補助金です。ここは、他のサイトがあまり書いていない核心です。しっかり押さえてください。
令和8年度のスケジュール
札幌市公式(2026年6月10日更新)によると、令和8年度の日程は次のとおりです。
| 手続き | 期限・目安 |
| 事前確認依頼の受付 | 令和8年(2026年)5月15日〜9月16日まで |
| 危険空家等かどうかの判定 | 書類提出から約2週間 |
| 交付申請の受付 | 令和8年5月15日〜9月30日(予算に達し次第終了) |
| 工事の完了報告 | 交付決定後、原則3か月以内 |
落とし穴①:締切は「9/30」ではなく、実質「9/16」
「申請は9月30日まで」とだけ覚えている方が、少なくありません。ですが、申請の前に事前確認(危険空家等かどうかの判定)を受けなければなりません。そして、その事前確認の依頼を出せるのは9月16日までです。
しかも判定には約2週間かかります。9月16日ぎりぎりに事前確認を出すと、判定が返ってくるのが9月末になり、9月30日の申請締切に間に合わない危険があります。「9/16」を実質の締切だと考えて、余裕をもって動いてください。
落とし穴②:予算がなくなり次第、途中でも終了
申請は「9月30日まで受付」ですが、予算に達した時点で、期日前でも受付は終了します。人気の年は早く締め切られることもあります。「まだ9月だから大丈夫」と油断せず、早めに動くのが安全です。
落とし穴③:市の「交付決定」より前に契約・着工したら対象外
これがいちばん多い失敗です。札幌市公式は、「すでに完了した工事、着手した工事、交付決定を受ける前に契約した工事は、補助の対象にならない」とはっきり書いています。
「先に業者と契約して工事を進めてから、あとで補助金を申請しよう」という順番は、アウトです。必ず「事前確認 → 交付申請 → 市の交付決定 → そのあとに契約・着工」の順を守ってください。焦って業者と契約する前に、この記事を読んでいただけてよかったです。
いつまでに動けばいい? 逆算の目安
締切から逆算すると、動き出すタイミングが見えてきます。あくまで目安ですが、次のように考えると余裕をもって進められます。
- 〜9月上旬までに、事前確認を依頼したい(判定に約2週間かかり、依頼受付は9/16まで)
- 判定が出たら、9/30までに交付申請(予算がなくなれば早期終了)
- それと並行して、解体業者に見積りを取っておく(申請には見積書が必要。ただし契約・着工は交付決定のあと)
夏の終わりに気づいて動き出すと、日程がタイトになりがちです。この記事を読んだ今が、いちばん余裕のあるタイミングです。
申請の流れと、そろえる書類

ここからは、実際の手続きの流れを、順を追ってお伝えします。むずかしそうに見えますが、やることは一本道です。
申請から交付までの7ステップ
- 事前確認を依頼する:札幌市に「この空き家は危険空家等に当たるか」の判定を依頼します(依頼書の受付は9/16まで)
- 判定を受ける:書類提出から約2週間で、危険空家等に該当するかどうかの結果が届きます
- 交付申請する:危険空家等と判定されたら、予算の範囲内で交付申請を受け付けてもらえます(受付は9/30まで・予算次第で早期終了)
- 交付決定を受ける:市から「補助しますよ」という交付決定が届きます
- 契約・工事する:交付決定を受けたあとで、業者と契約し、解体・更地化を進めます
- 完了報告する:工事が終わったら、原則3か月以内に完了報告書を提出します
- 補助金が交付される:内容が確認されると、補助金が振り込まれます
くり返しになりますが、「契約・工事は交付決定のあと」が鉄則です。この順番さえ守れば、大きな失敗はありません。
事前確認で、まずそろえる書類
最初の一歩である「事前確認の依頼」で必要なのは、次の4点です。持参でも郵送でもかまいません。
- 事前確認依頼書(札幌市の様式。公式ページからダウンロードできます)
- 本人確認書類の写し(運転免許証や保険証などのコピー)
- 対象建物の場所がわかる地図(地図を印刷し、対象の建物に印をつけたもの)
- 対象建物の現況写真(建物と敷地の全体がわかるように撮ったもの)
提出先は、次の窓口です。
- 提出先:〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所2階(8番窓口) 札幌市都市局建築指導部建築安全推進課 空き家対策担当
- 電話:011-211-2808
手続きで注意したい、名義のそろえ方
細かいですが、つまずきやすい点があります。札幌市公式によると、申請者・見積書や領収書の宛名・補助金の振込口座の名義は、すべて同じである必要があります。夫の名義で申請するなら、見積書も領収書も口座も夫名義、という具合です。ここがちぐはぐだと手続きが止まります。
また、提出した書類は返却されません。手元に控えが必要なものは、コピーを取ってから出してください。
様式(申請書類)は公式ページからダウンロードできる
事前確認の次に進む「交付申請」以降で使う書類も、札幌市の様式が用意されています。自分でゼロから作る必要はありません。札幌市の公式ページの「関係資料」から、次のような様式(ワード版・PDF版)をダウンロードできます。
- 事前確認依頼書(最初の判定を依頼するときの様式)
- 交付申請書(補助の交付を申請するときの様式)
- 同意書(他の所有者や権利者の同意を示す様式)
- 完了報告書(工事が終わったあとに提出する様式)
様式は年度ごとに更新されることがあります。使うときは、必ず公式ページからその年度の最新版を取ってください。あわせて、制度の要綱・要領やパンフレットも同じ「関係資料」から確認できます。
相続した実家で、空き家 解体 補助金を申請するには

このページにたどり着いた方の多くが、「親から相続した実家」をどうするか悩んでいます。相続がからむと、条件が少し複雑になります。ここを整理します。
名義人が亡くなった親のままでも申請できる
「建物の名義が、亡くなった親のままなのですが…」というご相談は、とても多いです。
札幌市公式によると、申請できるのは「建物の所有者(登記名義人などの相続人を含む)」です。つまり、名義が亡くなった親のままでも、あなたが相続人であれば申請できる可能性があります。ここは、あきらめなくて大丈夫です。
ただし、次の点は必ず満たす必要があります。
- 空き家の所有関係が明確であること(誰が相続人なのかがはっきりしている)
- あなた以外にも建物の所有者(他の相続人など)がいる場合は、その全員から、解体することについての同意を得ていること
- 抵当権など、所有権以外の権利がついている場合は、その権利者全員の同意があること
- 申請者(あなた)が、市税(市民税・固定資産税・都市計画税)を滞納していないこと
なお、相続ではなく「空き家を買って取得した」という方には、もう一つ注意点があります。札幌市公式によると、空き家を売買している場合は、直近の売買から申請までに1年以上が経過していることが必要です。買ってすぐに補助金で解体、という使い方はできない、と考えてください。相続した実家ではなく、購入した空き家で申請したい方は、取得した時期も確認しておきましょう。
きょうだいで実家を相続したようなケースでは、「全員の同意」がカギになります。ここでつまずくと、条件を満たしていても申請に進めません。次のような順で進めておくと、手続きがスムーズです。
- まず、建物の相続人が誰なのかを確認する(相続登記が済んでいれば名義でわかります)
- 相続人が複数いるなら、解体することへの同意を全員から得ておく
- 住宅ローンなどが残っていて抵当権がついている場合は、その権利者(金融機関など)の同意も必要になる
- 申請者本人に、市税の滞納がないことを確認しておく
これらは、いきなり全部そろえる必要はありません。ただ、話し合いが必要な「同意」の部分は時間がかかりがちなので、締切から逆算して早めに動くのが安心です。
相続登記の義務化との関係
2024年4月から、相続した不動産の登記(相続登記)が義務化されました。実家を相続したのに名義変更をしていない方は、この機会に登記の状況も確認しておくと安心です。所有関係をはっきりさせておくことは、補助金の「所有関係が明確であること」という要件にもつながります。
相続した実家をどうするか——解体するのか、活用するのか、手放すのか。その全体像や、感情の整理も含めた進め方は、実家じまいの進め方と流れでくわしくまとめています。
また、「相続はしたけれど、負担が大きくて手放したい」という方は、相続放棄と空き家の管理義務もあわせてご覧ください。解体という選択が本当に最善か、立ち止まって考える材料になります。
解体後の固定資産税と、補助を受けたあとの実質負担
補助金の話をすると、必ず出てくるのが「解体したら、税金が上がるって本当ですか?」という質問です。ここは正確にお伝えします。
更地にすると、土地の固定資産税が上がることがある
札幌市公式も注意点として挙げていますが、住宅を解体すると、「住宅用地の特例」が外れ、土地の固定資産税などが上がることがあります。
家が建っている土地は、税金が軽くされる仕組み(住宅用地の特例)があります。解体して更地にすると、この軽減がなくなるため、翌年から土地の税額が上がる場合があるのです。「解体費の補助で得したのに、翌年から税金が増えた」とならないよう、事前に知っておいてください。
固定資産税は、その年の1月1日時点の状態で決まります。そのため、解体した翌年の課税から影響が出るのが一般的です。「解体したその日に、すぐ税金が跳ね上がる」わけではありませんが、翌年以降の負担は見込んでおくと安心です。
ただし、税額がどう変わるかは、土地の広さや評価によってちがいます。数字の細かい仕組みは、税金を専門に扱う別記事にゆずります。ここでは「解体=土地の税金が上がりうる」という事実だけ、頭の隅に置いてください。「必ず6倍になるわけではない」ことも含めた税額の仕組みは、解体して更地にすると固定資産税は上がる?で解説しています。
補助を受けても、自己負担は残る
ここまでの話を、お金の面で整理します。
- 解体費の一部(通常型で最大50万円)は補助で戻る
- 残りの解体費は、自己負担になる
- 翌年から、土地の固定資産税などが上がることがある
補助金は「解体費を軽くするもの」であって、「タダで解体できるもの」ではありません。この全体像を分かったうえで、解体するかどうかを判断するのが大切です。
なお、補助の対象になる業者は建設業法の許可、または建設リサイクル法の道知事登録を受けた事業者に限られます。どんな業者でもよいわけではなく、資格の裏づけがある業者に頼む必要があります。実際の解体費の相場や、失敗しない業者の選び方は、札幌の家の解体費用と業者の選び方で整理しています。
解体前に、家の中の家財や不用品を片付ける必要がある場合は、札幌の不用品回収の費用と業者選びもあわせてご覧ください。遺品整理をともなう場合は、札幌の遺品整理の費用相場が参考になります。
あわせて確認したい、札幌市の関連制度
危険空家等の除却補助のほかにも、札幌市には住まいにまつわる補助制度があります。ただし、本補助は「他の補助金などと併用できない」点に注意が必要です(解体工事費に対して、他の補助を受けていないことが条件です)。目的が別の工事なら、別制度を使える場合があります。
ブロック塀等の撤去補助
危険なブロック塀の撤去には、別の補助制度があります。札幌市の公式ページ(2026年6月15日更新)によると、令和8年度の補助額は、①撤去工事費の2分の1、②前面道路に面するブロック塀の長さ(m)×13,000円、③10万円(上限)のいちばん低い額です。受付は2026年4月20日〜11月27日です。空き家の敷地にある危険なブロック塀が気になる方は、確認しておくとよいでしょう。塀の危険度チェック・撤去費用の相場・補助の申請手順は、札幌のブロック塀 撤去・修理ガイドにくわしくまとめています。
住宅エコリフォーム補助(別制度)
「解体ではなく、直して活かす」選択をする場合は、住宅エコリフォーム補助という別の制度があります。省エネ改修やバリアフリー改修が対象で、解体とは目的も窓口も異なります。受付回数や予算に限りがあるため、使いたい場合は早めに札幌市の該当ページで最新の受付状況を確認してください。
空き家 解体 補助金について、よくあるご質問
Q. 今年の申請に間に合いそうにありません。どうすればいいですか?
まず、事前確認の依頼が9月16日を過ぎていないかを確認してください。過ぎている場合、令和8年度の申請は難しくなります。ただし、この制度は例年続いています(金額や条件は年度ごとに見直されます)。翌年度に向けて、今のうちに現況写真をそろえ、業者に見積りを取っておくと、来年スムーズに動けます。焦って交付決定前に契約しないことだけ、守ってください。
Q. 遠方に住んでいますが、手続きできますか?
できます。事前確認の書類は、持参だけでなく郵送でも提出可能です。現況写真の撮影や現地の確認など、遠方だと動きにくい部分は、地元の業者や窓口の力を借りると進めやすくなります。開拓札幌では、遠方から実家の解体を進める方のご相談も承っています。
Q. 会社(法人)名義の空き家でも使えますか?
使えません。この補助金は個人のみが対象で、法人などの申請はできません。個人が所有する(または相続した)空き家が対象です。
Q. まだ人が住めそうな空き家でも対象になりますか?
対象になるのは、市の事前確認で「危険空家等」と判定された空き家です。まだしっかりしている建物は、対象外になる可能性があります。まずは事前確認を受けて、判定を仰ぐのが確実です。
Q. 補助金はいつ振り込まれますか?
補助金は、工事の完了報告を出し、内容が確認されたあとに交付されます。解体費は、いったん自分で立て替えて支払う流れになる点にご注意ください(先にお金を用意しておく必要があります)。
Q. 古い家なので、アスベスト(石綿)が心配です。
一定の年代に建てられた家では、解体前にアスベストの有無を調べる調査が必要になることがあります。調査や、含まれていた場合の除去には、別途費用や工程が加わります。補助の対象工事や費用の考え方にも関わるため、まずは資格のある業者に建物を見てもらい、必要な調査の要否を確認してください。開拓札幌がご案内するのは、こうした調査に対応できる業者です。
Q. 見積りは、1社だけで決めても大丈夫ですか?
できれば2〜3社から見積りを取ることをおすすめします。1社だけでは、その金額が妥当かどうかを判断しにくいためです。ただし、補助の対象になるのは建設業法の許可、または建設リサイクル法の道知事登録を受けた業者の工事に限られます。安さだけで選ばず、資格の裏づけがあるかも必ず確認してください。
まとめ|札幌の空き家 解体 補助金は、順番と締切がすべて
最後に、大切なことをもう一度おさらいします。
- 対象は、市の事前確認で「危険空家等」と判定された、1年以上使っていない空き家。申請できるのは個人(相続人を含む)
- 補助額は通常型で最大50万円。3つの式のいちばん低い額なので、家が小さいと満額に届かないこともある。150万円の地域連携型は今年もらえるものではない
- 締切は「申請9/30」の前に「事前確認9/16」がある。予算次第で早期終了。交付決定より前の契約・着工は対象外
- 正しい順番は「事前確認 → 交付申請 → 交付決定 → 契約・工事 → 完了報告 → 交付」
制度そのものより、「順番」と「締切」でつまずかないことが、この補助金を受け取れるかどうかの分かれ目です。ここまで読んでくださったあなたは、もう大きな一歩を踏み出しています。
開拓札幌では、この制度を使った解体に慣れた地元の業者だけをご案内しています。特定の業者に肩入れせず、お客さまの状況に合う進め方を、中立の立場で整理してお伝えします。申し込んだ直後から何社もの営業電話が鳴ることはありません。ご案内するのは、条件に合う1〜2社だけ。「電話したらエリア外だった、もう埋まっていた」という探し直しも、こちらで引き受けます。
この補助金は、制度の中身より「順番」と「締切」でつまずきます。開拓札幌の公式LINEでは、「札幌の解体・空き家 損しないチェックシート」を無料でお渡ししています。

補助額を出す3つの計算式、事前確認9月16日という実質の締切、構造別の解体費相場、そして解体後の固定資産税まで、申請の前に確かめられる1枚です。ご登録だけでも大丈夫です。しつこい営業は、いたしません。
