「親が住んでいた実家を、どうすればいいのだろう」——。親御さんが亡くなったあと、あるいは施設に入られたあと、誰も住まなくなった実家を前に、立ちすくんでしまう方は少なくありません。
そして、多くの方が同じところで立ち止まります。「壊してしまうのは、なんだか申し訳ない。でも、このまま持ち続けるのも重い」——この板ばさみです。
まず、お伝えしたいことがあります。実家を壊すことにためらいを感じるのは、あなたが親御さんや家を大切に思っている証拠です。その気持ちに、迷って当然です。
そのうえで、放っておいた空き家は、傷み・税金・ご近所への心配など、じわじわと負担が増えていくのも事実です。だからこそ、いま情報を集めているあなたの一歩は、とても大切です。
この記事では、実家を解体するかどうかを決める前に知っておきたいことを、順番にお伝えします。
- 気持ちの整理のしかた(罪悪感・寂しさとの向き合い方、きょうだいでの話し合い)
- 遺品整理から解体、土地の処分までの実家じまいの全体像
- 「解体しない選択」も含めた、選択肢の比べ方
- 遠方に住んでいても進められる段取り、相続・名義の注意、供養や近隣への配慮まで
必要なところから読めます。
- 気持ちの整理から始めたい方 → 「実家じまいという考え方」の章へ
- 何から手をつけるか知りたい方 → 「実家じまいの全体像」の章へ
- 壊すべきか迷っている方 → 「解体する?しない?」の章へ
- 遠方に住んでいる方 → 「遠方でも進められる」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌で実家じまいや空き家・解体の相談窓口を運営しています。
遺品整理から、解体、土地の処分まで、生活の流れに沿ってご相談を承っています。この記事では、急かすのでも脅すのでもなく、あなたが後悔しない判断をするための材料を、正直にお伝えします。
- 1 親の家を壊すのは、つらい|「実家じまい」という考え方と気持ちの整理
- 2 実家じまいの全体像|遺品整理から解体、土地の処分までの流れ
- 3 解体する? しない?|売却・賃貸・空き家管理という選択肢
- 4 遠方に住んでいても進められる|札幌の実家を離れて解体する手順
- 5 解体の前に決めておくこと|相続・名義・きょうだい共有の注意
- 6 家の中の家財・遺品はどうする?|片付けと遺品整理の進め方
- 7 仏壇・神棚・お祓い|解体の前に済ませておきたい供養と段取り
- 8 実家の解体にかかる費用と、使える制度の目安
- 9 解体のあとにやること|建物滅失登記・ご近所への挨拶
- 10 実家の解体について、よくあるご質問
- 11 まとめ|実家の解体は、気持ちの整理から一歩ずつ
親の家を壊すのは、つらい|「実家じまい」という考え方と気持ちの整理
費用や手順の話に入る前に、いちばん大事なところからお伝えします。それは、あなたの気持ちです。
実家の解体を調べていると、費用や坪単価の話ばかりが出てきます。でも、多くの方が本当に立ち止まっているのは、お金ではなく「壊していいのだろうか」という気持ちのところです。
罪悪感や寂しさは、あって当たり前
実家には、たくさんの思い出が詰まっています。子どものころに走り回った廊下、家族で囲んだ食卓、親御さんが手入れをしていた庭。それを自分の判断で壊すとなれば、心が痛むのは自然なことです。
こんな気持ちが、代わる代わるやってくるのではないでしょうか。
- 罪悪感:「親が大切にしていた家を、自分が壊してしまっていいのか」
- 寂しさ:「帰る場所が、なくなってしまう」
- 迷い:「まだ決めきれない。もう少し、このままでもいいのでは」
- 焦り:「でも、放っておくと傷むし、税金もかかる」
どれも、間違った感情ではありません。実家を大切に思うからこそ、湧いてくる気持ちです。まず、その気持ちを「そう感じて当然だ」と認めてあげてください。無理に割り切ろうとしなくて、大丈夫です。
「実家じまい」は、思い出を捨てることではない
最近は、実家を整理して手放すことを「実家じまい」と呼ぶようになりました。この言葉には、少し冷たい響きを感じる方もいます。
けれど、実家じまいは、思い出を捨てることではありません。親御さんが遺してくれた家に区切りをつけ、次の暮らしへ進むための、前向きな手続きです。
家がなくなっても、思い出はなくなりません。写真に残す、大切なものをいくつか手元に置く、家族で最後にゆっくり過ごす——そうやって、自分なりのお別れのしかたを選ぶことができます。実際に、「解体の前に、家族みんなで写真を撮りに行った」という方も少なくありません。
きょうだいで、気持ちを合わせておく
実家じまいで、費用や手続きよりもこじれやすいのが、きょうだい間の気持ちのすれ違いです。
「早く売って、すっきりしたい人」と「思い出があるから、まだ手放したくない人」。同じ実家でも、一人ひとり、家との思い出も、いまの生活の事情もちがいます。どちらが正しいということはありません。
だからこそ、いきなり「解体する・しない」の結論から入らないことをおすすめします。まずは、
- それぞれが、実家にどんな思いを持っているかを話す
- 維持にかかる負担(税金・管理・傷み)を、みんなで共有する
- そのうえで、どうするのがいちばんいいかを、いっしょに考える
この順で進めると、感情のもつれが起きにくくなります。「気持ちの部分」と「お金・手続きの部分」を、いったん分けて話すのがコツです。
実家じまいの全体像|遺品整理から解体、土地の処分までの流れ

気持ちの整理と並行して、「実際、何をどの順で進めるのか」の全体像が見えると、ずいぶん気持ちが楽になります。ここでは、実家じまいの大きな流れを、地図のようにお見せします。
実家じまいの、大きな5つのステップ
実家を整理して手放すまでは、だいたい次の順で進みます。
- 相続・名義を確認する:実家が誰のものになったのか、名義はどうなっているかを確かめます。ここが土台です
- 家の中を片付ける(遺品整理・不用品の処分):家財や思い出の品を整理し、家を空にしていきます
- 供養をすませる:仏壇や神棚がある場合は、解体の前にお祓いや供養をします
- 解体するかを決め、進める:解体する場合は、業者に見積りを取り、工事を進めます。「解体しない選択」もここで検討します
- 土地を処分・活用する:更地にした土地を、売る・貸す・持ち続けるなど、次の使い道を決めます
「一気に全部やらなければ」と思うと、気が重くなります。でも、実際は一つずつ順番に進めていけば、必ず前に進みます。
それぞれの工程は、こちらでくわしく
この記事は、実家じまい全体の「入口」です。それぞれの工程は、専門の記事でくわしくまとめています。
まず、実家じまい全体の進め方や、心構えを含めた流れは、実家じまいの進め方と流れで整理しています。この記事とあわせて読むと、全体像がつかみやすくなります。
家の中の片付けや遺品整理については、費用の目安を札幌の遺品整理の費用相場で、家具・家電などの不用品の処分は札幌の不用品回収の費用と業者選びで、それぞれ詳しくお伝えしています。
親御さんがまだお元気なうちに、いっしょに少しずつ進めるなら、それは生前整理とは?何から始める・やることの考え方が役立ちます。
解体する? しない?|売却・賃貸・空き家管理という選択肢

実家じまいと聞くと、つい「解体するもの」と思いがちです。でも、解体は、いくつかある選択肢の一つにすぎません。ここでは、中立の立場で、それぞれの道を並べてお見せします。あなたの実家に、いちばん合う道を選ぶための材料にしてください。
まず「壊さずに手放す」という道もある
「解体してからでないと売れない」と思い込んでいる方が、意外とたくさんいます。でも、そんなことはありません。おもな選択肢は、次のとおりです。
- 建物付き(中古住宅)で売る:まだ十分に使える家なら、建物ごと売る道があります。買い手が住んだり、リフォームして使ったりします。解体費がかからないのが利点です
- 古家付き土地として売る:家が古くても、「土地」を主役にして、家はおまけとして売る方法です。買い手が自分の都合で解体するので、こちらで解体費を出さずにすむことがあります
- 賃貸として貸す:立地や状態がよければ、貸して家賃収入を得る道もあります。ただし、貸せる状態にするための修繕費が必要になることもあります
- 当面は、空き家として管理する:「まだ決めきれない」なら、いったん適切に管理しながら持ち続ける選択もあります。放置とはちがい、風通しや点検を続けて、傷みを防ぎます
「決めきれないから、とりあえず放置」だけは避けたいところです。管理をしながら考える時間をとるのは、立派な選択肢の一つです。空き家の管理については、空き家管理の方法と費用でくわしくまとめています。
それでも、解体が向いているケース
一方で、次のような場合は、解体して更地にするほうがすっきりすることが多いです。
- 建物の傷みが激しく、そのままでは売りにくい・貸しにくい
- 倒壊や外壁の落下など、ご近所に迷惑や危険がおよびそう
- 更地にしたほうが、土地として売れやすい立地
- 相続人の間で、「更地にして売る」で気持ちがそろっている
とくに、傷みが進んで危険な空き家は、そのままにしておくと自治体から指導を受けることもあります。そうした「危険な空き家」の場合、札幌市では解体費用の一部を補助する制度が使えることがあります(対象や申請の手順は札幌の空き家 解体 補助金の対象と申請にまとめています)。
「放置」がいちばん高くつく理由
どの道を選ぶにしても、「何もしないまま放置する」だけは、おすすめできません。放っておくと、
- 建物の傷みが進み、あとで売る・貸すときの価値が下がる
- 倒壊・雪の落下・不審者の侵入など、ご近所への心配ごとが増える
- 傷みがひどくなると、自治体から管理の指導を受けることもある
時間がたつほど、選べる道がせまくなっていきます。急いで結論を出す必要はありませんが、「いったん保留」と「放置」は別ものだと考えてください。
遠方に住んでいても進められる|札幌の実家を離れて解体する手順

「実家は札幌、でも自分は本州に住んでいる」——このパターンは、実はとても多いご相談です。何度も帰省するのは、時間もお金もかかって大変ですよね。ここでは、現地に住んでいなくても、実家の解体を進めるコツをお伝えします。
現地に行かずに、できること
実家の解体は、思っている以上に「遠方からでも進められる」部分が多いです。
- 写真・動画で見積りを取る:家の外まわりや中の様子をスマホで撮って送れば、現地に行かなくても業者に見積りを出してもらえることがあります
- オンラインで相談する:電話やLINE、ビデオ通話で、進め方や費用の相談ができます
- 書類はやりとりで完結できることが多い:契約や各種の手続きは、郵送や電子でのやりとりで進められる場合があります
「立ち会いのために、何度も飛行機に乗らないと」と思い込まなくて大丈夫です。要所だけ帰省すれば、あとは遠方からでも進みます。
それでも、現地対応が必要になる場面
とはいえ、いくつかは現地での対応が必要になります。ここは、あらかじめ知っておくと安心です。
- 鍵の受け渡し:家の中の片付けや工事のために、業者に鍵を預ける必要があります。近くに住むご親族に頼む、帰省時にまとめて渡す、などの方法があります
- 現地確認・立ち会い:家の中に残った家財の確認や、工事前後の状態の立ち会いは、できれば一度は現地でしておくと安心です
- ご近所へのあいさつ:解体は音やほこりが出るため、着工前のあいさつが欠かせません(くわしくは後の章で)。遠方の場合は、業者に代行してもらえることもあります
これらも、「一度の帰省で、まとめてすませる」段取りにすれば、負担はぐっと減ります。信頼できる地元の業者を見つけておくと、細かい現地対応を任せられるので、遠方からでも安心して進められます。
解体の前に決めておくこと|相続・名義・きょうだい共有の注意

気持ちが「解体しよう」に傾いたら、その前に必ず確認しておきたいことがあります。それは、相続と名義です。ここを飛ばして進めると、あとで「実は勝手に壊せなかった」というトラブルになりかねません。
実家は「誰のもの」になっているか
まず確認したいのは、実家がいま誰の名義になっているかです。
親御さんが亡くなった場合、実家は相続人(配偶者や子どもなど)のものになります。ただし、名義変更(相続登記)をしていないと、登記上は亡くなった親御さんのままになっていることがあります。
「名義が親のままだから壊せない」というわけではありません。ただし、相続人が複数いる場合は、その全員の合意が前提になります。まず誰が相続人で、誰の同意が必要かをはっきりさせておくことが、すべての土台です。
共有名義なら、全員の合意が必要
きょうだいで実家を相続したようなケースでは、実家が複数人の共有になっていることがあります。この場合、解体には共有者全員の合意が必要です。
一人が「壊そう」と思っても、ほかの共有者が反対すれば、勝手に進めることはできません。あとで「聞いていない」ともめないよう、解体を決める前に、共有者全員で話し合い、合意しておくことが大切です。前の章でお伝えした「きょうだいで気持ちを合わせておく」が、ここでも効いてきます。
相続登記は2024年から義務に。解体との順序に注意
もう一つ、知っておきたい制度があります。法務省によると、2024年(令和6年)4月1日から、相続した不動産の登記(相続登記)が義務化されました。
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない場合、10万円以下の過料の対象になります。2024年4月より前に相続した実家も対象で、その場合は2027年(令和9年)3月31日までに登記が必要です。
実家を解体して土地を売る・活用するにも、名義がはっきりしていないと手続きが進みません。解体や売却を考えているなら、相続登記もあわせて進めておくと、あとがスムーズです。相続と実家をどうするか全体の整理については、相続放棄と空き家の管理義務もあわせてご覧ください。手放すべきか持つべきか、立ち止まって考える材料になります。
家の中の家財・遺品はどうする?|片付けと遺品整理の進め方
解体の工事に入る前に、必ず必要になるのが家の中を空にすることです。家具や家電、思い出の品——長く暮らした家には、想像以上のものが詰まっています。ここでは、その片付けの進め方をお伝えします。
解体前に、家財を空にしておく
解体工事は、基本的に家の中が空になっていることが前提です。残ったままだと、その分の処分費が上乗せされたり、工事が始められなかったりします。
ただ、思い出の詰まった家を片付けるのは、体力だけでなく、気持ちの面でも大変な作業です。「片付けを始めたら、手が止まってしまった」というお声も、よくいただきます。無理に一日で終わらせようとせず、少しずつ進めて大丈夫です。
家電4品目は、捨て方に決まりがある
片付けで気をつけたいのが、家電です。環境省によると、次の家電4品目は「家電リサイクル法」の対象で、ふつうのゴミには出せません。決められた方法でリサイクルする必要があります。
- エアコン
- テレビ
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
これらは、買い替えるお店に引き取ってもらう、指定引取場所に持ち込む、あるいは不用品回収業者や遺品整理業者にまとめて頼む、といった方法があります。
「自分で片付け」と「業者に頼む」の使い分け
費用を抑えたいなら、出せるものは自分で処分し、大物や大量のものは業者に頼むという組み合わせが現実的です。
- 自分でできること:燃えるゴミ・資源ゴミなど、自治体の収集に出せるものを先に減らしておく
- 業者に頼むと楽なこと:大型の家具・家電、量が多い場合、遺品整理をともなう場合、遠方で通えない場合
とくに、亡くなった親御さんの品を整理する場合は、貴重品や大切な書類(通帳・権利証・保険証券など)を誤って処分しないよう、遺品整理に慣れた業者に頼むと安心です。「無料回収」をうたう業者のなかには、あとから高額を請求したり、不法投棄をしたりするところもあるので、注意が必要です。
不用品の処分は札幌の不用品回収の費用と業者選び、遺品整理をともなう場合は札幌の遺品整理の費用相場で、それぞれくわしくお伝えしています。
仏壇・神棚・お祓い|解体の前に済ませておきたい供養と段取り
実家に仏壇や神棚がある場合、解体の前に供養やお祓いをすませておきたいという方が多くいます。ここは、ほかのサイトではあまり触れられていませんが、心の区切りとして、とても大切な部分です。
仏壇・神棚があるなら、まず菩提寺へ相談
仏壇には、ご先祖の魂が宿っているとされます。処分する前に、「閉眼供養(へいがんくよう)」(魂抜き・お性根抜きとも呼ばれます)をしてもらうのが一般的です。これをすませることで、仏壇を「ただの家具」として、安心して処分できるようになります。
まずは、お付き合いのあるお寺(菩提寺)に連絡し、相談してみてください。菩提寺が分からない場合や、宗派が不明な場合も、供養に対応してくれる方法があります。神棚がある場合は、神社に相談してお祓いをしてもらう形が一般的です。
家そのものの「お祓い」をする方も
仏壇・神棚とは別に、長く住んだ家そのものへの感謝を込めて、解体前にお祓いをする方もいます。これは義務ではありませんが、「お世話になった家に、きちんとお別れをしたい」という気持ちから選ばれます。
決まったやり方があるわけではありません。神主さんに来てもらって正式にお祓いをする方もいれば、家族だけで手を合わせ、お線香をあげてお別れする方もいます。大切なのは、あなたやご家族が「これで区切りがついた」と思えることです。
供養は、解体の日程に余裕をもって
段取りとして、供養やお祓いは解体の工事日より前にすませます。お寺や神社の都合もあるので、解体の日程が決まったら、早めに連絡して日取りを相談しておくと安心です。遠方の場合は、帰省の予定に合わせて、片付け・供養・立ち会いをまとめて行う段取りにすると、負担が減ります。
実家の解体にかかる費用と、使える制度の目安
気になる費用のことも、お伝えします。ただ、実家の解体費用は、家の大きさ・構造・立地・道路の広さなどで大きく変わります。ここでは全体像の要点だけお伝えし、くわしい相場は専門の記事にゆずります。
費用は「家の大きさ・構造」で大きく変わる
解体費用は、おおまかに次のような要因で決まります。
- 建物の大きさ:延べ床面積が大きいほど、費用は上がります
- 構造:木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の順に、費用が高くなる傾向があります
- 立地・道路条件:重機やトラックが入りにくい、道路がせまいといった場合、費用が上がることがあります
- 付帯物:庭木・ブロック塀・物置・カーポートなどがあると、別途費用がかかります
くわしい相場や、失敗しない業者の選び方は、札幌の家の解体費用と業者の選び方で整理しています。
使える制度があるかもしれない
費用の負担を軽くする制度もあります。傷みが進んで危険な状態の空き家なら、札幌市の解体費用の補助制度が使える場合があります。ただし、対象になる条件や申請の締切など、注意点がいくつかあります。くわしくは札幌の空き家 解体 補助金の対象と申請をご確認ください。
また、解体して更地にすると、翌年から土地の固定資産税が上がることがある点にも注意が必要です。家が建っている土地は税金が軽くされているため、更地にするとその軽減がなくなるからです。この「税金が上がる仕組み」については、解体して更地にすると固定資産税は上がる?でお伝えします。
解体のあとにやること|建物滅失登記・ご近所への挨拶

解体は、工事が終わったら「はい、おしまい」ではありません。そのあとに必要な手続きと配慮があります。ここを忘れると、あとで思わぬ手間や、ご近所との気まずさが生じることもあります。最後まで、しっかり押さえておきましょう。
解体したら、1か月以内に「建物滅失登記」を
建物を解体して更地にしたら、「建物滅失登記(たてものめっしつとうき)」という手続きが必要です。これは、「この建物はなくなりました」と登記の記録から消すための手続きです。
法務局によると、建物を取り壊したときは、その滅失の日から1か月以内に、建物滅失登記を申請しなければならないと定められています。正当な理由がないのに怠ると、10万円以下の過料の対象になります。
この手続きをしないと、なくなったはずの建物に固定資産税がかかり続けたり、土地を売るときに支障が出たりします。自分で法務局に申請することもできますが、不安な場合は土地家屋調査士に頼む方法もあります。解体後の大事な仕上げとして、忘れないようにしてください。
着工の前後で、ご近所へのあいさつを
解体工事は、どうしても音・振動・ほこり・トラックの出入りが発生します。ご近所にとっては、少なからず負担になります。だからこそ、あいさつが欠かせません。
- 着工の前:工事の日程や、おおよその期間を伝えて、あいさつをしておきます。両隣・向かい・裏の家など、影響がありそうなお宅に
- 工事の後:終わったら、「ご協力ありがとうございました」と、ひと言お礼を伝えると、その後の関係がよくなります
遠方に住んでいる場合は、このあいさつを解体業者が代行してくれることもあります。土地を売る・貸すにしても、ご近所との関係は続きます。ていねいなあいさつは、実家じまいの大切な締めくくりです。
実家の解体について、よくあるご質問
Q. 名義が亡くなった親のままですが、解体できますか?
名義が親御さんのままでも、あなたが相続人であれば、解体を進められる場合があります。ただし、共有名義(きょうだいなどで相続)の場合は、共有者全員の同意が必要です。あわせて、相続登記(名義変更)も進めておくと、土地の売却などがスムーズです。2024年から相続登記は義務化されているので、この機会に確認しておくと安心です。
Q. きょうだいで意見が割れています。どうすればいいですか?
まずは「解体する・しない」の結論を急がず、それぞれの気持ちと、維持にかかる負担を共有することから始めてください。感情の部分と、お金・手続きの部分を分けて話すと、まとまりやすくなります。第三者の窓口を間に入れて、中立に整理するのも一つの方法です。
Q. 遠方に住んでいても、解体を頼めますか?
できます。写真や動画での見積り、オンラインでの相談など、遠方からでも進められる部分はたくさんあります。鍵の受け渡しや近隣あいさつなど、現地対応が必要な部分は、地元の業者に代行してもらえることもあります。帰省の回数を減らせるよう、段取りをお手伝いします。
Q. 仏壇があります。解体の前に、何をすればいいですか?
まずは菩提寺(お付き合いのあるお寺)に連絡し、閉眼供養(魂抜き)を相談してください。神棚がある場合は、神社にお祓いを相談します。供養は解体の工事日より前にすませるので、日程が決まったら早めに連絡しておくと安心です。
Q. 解体しないほうがいい場合もありますか?
あります。まだ使える家なら、建物付きで売る・古家付き土地として売る・賃貸として貸す、といった「壊さない」選択肢もあります。当面は空き家として適切に管理しながら考える道もあります。建物の状態や立地、ご家族の考えによって、最適な道は変わります。中立の立場で、いっしょに比べます。
Q. 解体費用は、どのくらいかかりますか?
家の大きさ・構造・立地などで大きく変わるため、正確には建物を見てもらう必要があります。危険な空き家の場合は、札幌市の補助制度が使えることもあります。くわしい相場や補助金は、費用・補助金をくわしく扱う専門の記事で整理しています。まずは見積りを取るところから始めるのが確実です。
まとめ|実家の解体は、気持ちの整理から一歩ずつ
最後に、大切なことを、もう一度おさらいします。
- 実家を壊すことにためらいを感じるのは、自然なこと。気持ちの整理と、きょうだいでの話し合いから始める
- 実家じまいは「相続確認 → 片付け → 供養 → 解体を決める → 土地の処分」の流れ。解体は選択肢の一つで、売却・賃貸・管理という道もある
- 遠方でも、写真見積りや代行を使えば進められる。解体の前に相続・名義・共有者の合意を必ず確認する
- 仏壇・神棚があれば供養を。解体後は1か月以内の建物滅失登記と、ご近所へのあいさつを忘れずに
実家じまいは、思い出を捨てることではありません。親御さんが遺してくれたものに区切りをつけ、あなたが次の一歩を踏み出すための、前向きな手続きです。ここまで読んでくださったあなたは、もうその一歩を踏み出しています。
開拓札幌では、遺品整理から解体、土地のことまで、実家じまいをまるごとご相談いただけます。特定の業者に肩入れせず、あなたの状況に合う進め方を、中立の立場で整理してお伝えします。申し込んだ直後から何社もの営業電話が鳴ることはありません。ご案内するのは、条件に合う1〜2社だけ。「電話したらエリア外だった、もう埋まっていた」という探し直しも、こちらで引き受けます。
実家じまいは、気持ちの整理と並行して、期限のある手続きが進んでいきます。開拓札幌の公式LINEでは、「札幌の解体・空き家 損しないチェックシート」を無料でお渡ししています。

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