「遺品整理を、業者に頼まず自分でやりたい」。費用を抑えたい、量が少ない、自分の手で見送りたい——理由はさまざまだと思います。
先に、結論からお伝えします。
- 遺品整理は、自分でできます。 ただし「自分で無理なくできるケース」と「無理をしない方がいいケース」があります
- 自分でやる費用は、処分費+消耗品が中心で、多くは2万円以内(家電や車の手配があっても3万円前後)。業者に頼むより大きく抑えられます
- ただし、一軒家まるごと・大量・特殊清掃・仏壇の供養などは、プロに任せた方がいい“やめどき”です
- 通帳・権利書・現金・遺言書などは、勝手に捨てないよう注意が必要です
この記事でわかることは以下のとおりです。
- 遺品整理を自分でできるケース・できないケース
- 自分でやると、いくら安くなるのか
- 札幌での、自分でやる手順(処分の仕方まで)
- 捨ててはいけないもの
- 「ここからはプロに」という“やめどき”の見極め方
遺品整理は自分でできる?(結論:条件つきでできます)
遺品整理とは、故人が遺した家財や身の回りの品を、仕分けして整理・処分することです。これは、専門の資格がなくても、自分で行えます。業者に頼まなければいけない決まりはありません。
ただし、向いているケースと、手に負えなくなりやすいケースがあります。まずはご自宅の状態を、落ち着いて見てみてください。
自分で無理なくできるケース
- 遺品の量が少ない(1K〜1LDKくらいが目安)
- 作業する時間と体力に、余裕がある
- 運び出しや処分場まで運べる車がある
- 特殊清掃(後述)が必要ない
自分だと大変になりやすいケース
- 一軒家まるごと、2LDK以上、量がとても多い
- ものが多く、足の踏み場が少ない状態
- 孤独死などで、特殊清掃が必要
- 仏壇・位牌の供養(お焚き上げ)が必要
- 遠方に住んでいて、現地に通えない
- ご高齢で、重いものの運び出しに不安がある
自分でやると、いくら安くなる?
いちばん気になる費用から見ていきましょう。
自分でやる場合にかかるのは、主に「消耗品」+「処分費」+(必要なら)「運搬」です。
- 消耗品:ゴミ袋・段ボール・軍手・マスク・ガムテープなど(数千円ほど)
- 処分費:札幌市の大型ごみ手数料(事前申込制・1点あたり数百円〜のシール制)、家電4品目のリサイクル料など
- 運搬:自家用車、またはレンタカー代
全部あわせて、量が少なく家電や車の手配がなければ、数千〜2万円ほどで済みます。
ただし、冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビ(家電4品目)の処分やレンタカーが必要になると、3万円前後まで上がることもあります。
いっぽう、業者に頼む場合の相場は間取り別で、1Kで約3万円〜、3LDK以上で約14万円〜。
くわしくは「札幌の遺品整理の費用相場」でまとめています。
| 項目 | 自分でやる | 業者に頼む |
|---|---|---|
| 費用 | 数千〜3万円ほど(家電・車の有無で変動) | 3万〜(間取り・量による) |
| 手間・時間 | 大きい(1Kでも数日) | ほぼ不要 |
| 向いている量 | 少なめ | 多い・まるごと |
ただし、安さの裏に“隠れコスト”があることも忘れないでください。
- 時間(1Kでも数日、2〜3LDKなら1週間前後かかることも)
- 体力(重い家具・家電の運び出し)
- 処分場への往復や、車の手配
- 「捨てていいのか」と迷い続ける、精神的な負担
札幌で、遺品整理を自分でやる手順【5ステップ】
自分でやると決めたら、次の5ステップで進めるとスムーズです。
ステップ1:計画を立てる
まず、いつまでに・誰と作業するかを決めます。期間の目安は、1Kで数日、2〜3LDKなら1週間前後。
あわてず、ゆとりのある日程で。2LDK以上は運び出しも仕分けも負担が大きいので、体力や時間に不安があれば、この段階で業者への相談も考えてみてください。
- 相続人(親族)と、あらかじめ相談しておく
- 形見分けしたい品があれば、先に声をかけておく
ステップ2:道具をそろえる
作業を始める前に、道具を用意します。
- 作業着・軍手・マスク(ほこり対策)
- 段ボール・ゴミ袋(可燃・不燃用は札幌市の有料指定袋)・ガムテープ
- 台車(重い物の運び出し用)
ステップ3:仕分けする
いちばん時間がかかるのが、仕分けです。大きく3つに分けると、迷う時間が減ります。
- 残す/貴重品:通帳・書類・思い出の品など(次章で詳しく)
- 譲る・売る:まだ使えるもの・価値のあるもの
- 処分する:残す・譲る以外のもの
迷ったものは、無理に判断せず「保留」の箱へ。あとでゆっくり決めれば大丈夫です。
ステップ4:処分する(札幌でのルール)
分けたら、札幌市のルールに沿って処分します。ここが自分でやるときのいちばんの山場です。
- 可燃ごみ・不燃ごみ:札幌市の有料指定袋に入れて、地域のゴミステーションへ
- びん・缶・ペットボトル:無料です。中身の見える透明・半透明の袋で、ゴミステーションへ(指定袋は不要)
- 大型ごみ(家具など):札幌市は事前申込制。電話かネットで申し込み → 手数料シール(1点200円〜・品目や大きさによる)を購入して貼り → 指定日の朝8時30分までに排出。手順と品目別の料金は「札幌市の大型ごみの出し方 完全ガイド」で詳しく解説しています
- 家電4品目(冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン):札幌市では収集しません。郵便局で家電リサイクル券を購入して市内の指定引取場所へ持ち込むか、販売店に引き取りを依頼します(リサイクル料が別途)。重くて運べないときは、無理をせず販売店や業者に頼みましょう。5つのルートの選び方は「札幌で冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコンを処分する方法」にまとめています
- まだ使えるもの:買取店・リサイクルショップへ(費用の足しになります)
ステップ5:掃除する
運び出しが終わったら、簡易清掃をして完了です。賃貸で原状回復が必要な場合や、汚れがひどい場合は、そこは専門業者にお任せください。
捨ててはいけないもの(貴重品・相続財産・重要書類)
自分でやるときに、いちばん気をつけたいのがこれです。うっかり捨てると、あとで大きな困りごとになるものがあります。
- 現金・預金通帳・キャッシュカード・印鑑
- 権利書・不動産の書類・保険証券・有価証券
- 遺言書(勝手に開封せず、家庭裁判所の検認が必要な場合があります)
- 年金手帳・マイナンバーカード・身分証
- スマホ・パソコン(ネット銀行・サブスクなどの「デジタル遺品」の手がかり)
- 写真・手紙など思い出の品(家族で確認してから)
とくに通帳・権利書・保険証券などは、相続の手続きに必要です。
相続には期限もあります。相続放棄は原則3か月以内、相続税の申告は10か月以内。いずれも“亡くなったことを知った時”が起点です。
【正直に】ここが“やめどき”|自分でやらず、プロに頼んだ方がいいケース
自分でやりたい気持ちは大切です。でも、無理を続けると、けがをしたり、気持ちがすり減ったりします。
次のようなときは、プロに任せた方が、結果的に楽で安全です。
- 量が多すぎる:一軒家まるごと、2LDK以上など。数日で終わらず、心も体も持たないことが多い
- 大型の家具・家電を運べない:無理に運ぶと、けがや住まいの破損のもと
- 孤独死などで特殊な汚れがある:専門の資格と機材がないと、においや汚れがぶり返します(特殊清掃)
- 仏壇・位牌の供養が必要:お焚き上げをどう手配するか(→「札幌のお焚き上げ」で解説)
- 遠方に住んでいて、通えない
- 期限が迫っている:相続の手続き、賃貸の退去、家の売却など
- 気持ちがつらくて、手が進まない
自分で?頼む?迷ったときの判断チェック
最後に、かんたんな判断リストです。当てはまる数が多いほど、プロに頼む方が向いています。
- 2LDK以上、または一軒家である
- 大型の家具・家電を、自分で運び出せない
- 特殊清掃が必要な状態である
- 仏壇・位牌など、供養が必要なものがある
- 遠方に住んでいる、または体力に不安がある
- 相続・退去・売却などで、期限が迫っている
- 気持ちがつらくて、作業が進まない
特殊清掃・供養・大型家電の運び出しは、1つでも当てはまるなら、その部分だけでもプロに任せると安心です。全体で3つ以上なら、まるごとお願いした方が、結果的に楽で安全です。
遺品整理を自分でやる|よくあるご質問
Q. 遺品整理は、いつから始めればいいですか?
決まりはありません。四十九日の法要のあとや、各種手続きが落ち着いてからを目安にする方が多いです。気持ちの整理がつかないうちは、急がなくて大丈夫です。
Q. 一人でもできますか?
量が少なければ、一人でも可能です。ただし、大型の家具・家電の運び出しは、けがのリスクがあります。二人以上で行うか、その部分だけプロに頼むと安全です。
Q. 賃貸の場合、どこまで自分でやればいいですか?
通常の掃除までは自分で、壁や床の破損・特殊な汚れの原状回復は、管理会社や専門業者に相談するのが基本です。契約内容を先に確認しておきましょう。
Q. 仏壇や遺影は、どうすればいいですか?
ゴミとして捨てず、お焚き上げ(供養)で手放すのが一般的です。方法や料金は「札幌のお焚き上げ」でまとめています。
Q. 自分で始めたけれど、進みません。途中から頼めますか?
はい。途中からでも、残りをプロに頼めます。無理に一人で抱え込まず、つらくなったら気軽にご相談ください。
まとめ|自分でやるか、頼むかは「量と体力」で決める
最後に、この記事の要点です。
- 遺品整理は自分でできる。ただし、少量・時間と体力があること・特殊清掃が不要なことが目安
- 自分でやると費用は数千〜3万円ほど。ただし時間・体力・車という“隠れコスト”がある
- 量が多い・大型家電・特殊清掃・供養・期限が迫るなら、迷わずプロに
大切な方の品を、自分の手で見送りたい——その気持ちは、とても尊いものです。でも、全部を一人で背負う必要はありません。


