「雨あがりの朝、玄関先に細長い虫がびっしり」「壁を這い上がって、家の中まで入ってきた」。
梅雨から初夏にかけて、毎年のように出てくる困りごとです。
まず知ってほしいのは、ヤスデは、人を咬まない・毒もない虫だということです。見た目の気持ち悪さや、集団で這う不快さはありますが、ムカデのように咬んで害を与える虫ではありません。だから、過度に怖がる必要はありません。
この記事の要点は、3つです。
- 家に出るヤスデは、咬まない・毒はない「土の掃除屋」。似ているムカデ(咬む・毒あり)とは、まったく別の虫です
- 大量発生の正体は、梅雨〜初夏の長雨で、土の中にいられなくなって地表へ逃げてくること。ピークは5月末〜7月ごろです
- いちばん効くのは「入れないこと」。家のまわりの落ち葉・湿気を減らし、隙間をふさぐ。潰すと臭いので、そっと処理します
以下から、必要なところだけ読めます。
- これはヤスデ?ムカデ?と見分けたい方 → 「ムカデ・ゲジとの見分け方」の章へ
- なぜ大量発生するの?と気になる方 → 「なぜ大量発生するのか」の章へ
- 家に入れたくない方 → 「家に入れない対策」の章へ
- もう出てしまった・大量にいる方 → 「駆除のしかた」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌の暮らしの困りごとの相談窓口です。
ですがこの記事は、売り込みではなく、あなたが自分でヤスデの被害を減らすための実践ガイドです。ヤスデの生態や見分け方、対策は、札幌市の公式情報や自治体・専門家の資料、殺虫剤メーカーの生態情報で裏を取りました。いっしょに、順番に見ていきましょう。
ヤスデってどんな虫?咬まない・毒はない「土の掃除屋」
対策の前に、まず相手を正しく知りましょう。ヤスデは、名前は聞いても、その正体を知られていない虫です。ここを押さえると、あとの対策も、駆除の注意点も、すんなり理解できます。
ヤスデは、落ち葉を食べる「分解者」
ヤスデは、たくさんの脚を持つ節足動物で、見た目はダンゴムシを細長くしたような形をしています。ふだんは、石や落ち葉の下、堆肥の中など、日当たりが悪く湿った場所にすんでいます。札幌市の案内でも、ヤスデは「腐った植物の葉などをエサにしている」と紹介されています。
つまりヤスデは、落ち葉や枯れ木を食べて土に還す「分解者(土の掃除屋)」。ウェザーニュースの解説でも、専門家が「人に危害を加えることもないので、益虫と言える」と説明しています。農作物を荒らすこともありません。本来は、家に入りたい虫ではないのです。
人を咬まない・毒はない。ただし「臭い液」に注意
ここが、いちばん大事なところです。
- 人を咬まない・刺さない:ヤスデにはムカデのような毒はなく、人を咬んだり刺したりしません。札幌市も「衛生的な害はない」としています
- ただし、刺激すると「臭い液」を出す:踏んだり潰したりすると、刺激臭のある分泌液を出す種類がいます。この液は、種類によってヨード臭や、シアン化合物(青酸)を含む刺激臭があり、皮膚につくとヒリヒリしたり、炎症を起こしたりすることがあります
だから、素手で触らない・潰さないのが基本です。もし液が皮膚についたら、すぐに石けんで洗い流してください。目に入ると危険なので、とくに注意しましょう。
私たちが見るヤスデは、ほとんどが「成虫」
「これはムカデの幼虫では?」と思う方もいますが、ヤスデはムカデの幼虫ではありません。まったく別の生き物です。
ヤスデの卵や幼虫は土の中にいて、目にすることはほとんどありません。ダスキンの解説によると、外で見かける1〜2センチほどのヤスデも、幼虫ではなく成虫であることが多いとのこと。家のまわりで見かけるヤスデは、その多くが成虫と考えてよいでしょう。この点は、次の駆除・予防の考え方につながります。
ムカデ・ゲジとの見分け方【一覧表】

細長くて脚がたくさんある虫は、見た目が似ていて、混同されがちです。とくにヤスデ・ムカデ・ゲジ(ゲジゲジ)の3種は、間違えると対処を誤ります。ムカデは咬むので危険、ヤスデとゲジは無害。ここをはっきり分けましょう。
ひと目でわかる、3種の比較表
まず、いちばん大事な違いを表にまとめました。迷ったら、ここを見てください。
| 見るポイント | ヤスデ | ムカデ | ゲジ(ゲジゲジ) |
|---|---|---|---|
| 体の断面・形 | 丸い(半円筒状)・ずんぐり | 平たい・細長い | 平たい・丸みのある胴 |
| 1つの節から出る脚 | 左右に2本ずつ(2対) | 左右に1本ずつ(1対) | 左右に1本ずつ(1対) |
| 脚の長さ・数 | 短い脚がびっしり | 長めの脚 | とても長い脚(15対ほど) |
| 動き | ゆっくり。刺激で丸くなる | 素早い | 非常に速い |
| 食べるもの | 落ち葉・腐った植物(分解者) | 肉食(他の虫を襲う) | 肉食(ゴキブリ・ダニなどを食べる) |
| 咬む・毒 | 咬まない・毒なし | 咬む・毒あり | 基本咬まない・毒なし |
| 人への害 | 無害(潰すと臭い) | 危険(激しい痛み) | 無害(むしろ益虫) |
いちばん確実なのは「脚のつき方」と「動き」
表の中でも、迷ったときに使える決め手は、次の2つです。
- 脚のつき方:ウェザーニュースによると、胴の1節あたりの脚は、ヤスデは2対(左右に2本ずつ)、ムカデは1対(左右に1本ずつ)。ヤスデのほうが脚が多く、みっしり生えて見えます
- 触ったときの反応:刺激すると体を丸めるのがヤスデ、丸まらず素早く逃げるのがムカデです。ただし、ムカデは咬むので、確かめるために触るのは絶対にやめてください
断面の形も分かりやすい目印です。ヤスデは丸い(かまぼこ型)、ムカデは平べったい。上から潰そうとすると、ムカデは平たいので逃げ、ヤスデは丸まる、という違いにも表れます。
ゲジ(ゲジゲジ)は、見た目は怖いが「益虫」
脚がやたらと長く、すばやく走るゲジは、見た目のインパクトから怖がられます。ですが、札幌市も「咬んだり刺したりすることはありません」としており、基本的に無害です。
それどころか、ゲジはゴキブリやダニ、クモなどの小さな虫を食べてくれる益虫。札幌市によると、石や落ち葉の下、コンクリートの裂け目などにすみ、春から秋にかけてエサを求めて室内に入ってくることがあります。見た目は苦手でも、むやみに殺さず、そっと外に出すのがおすすめです。ヤスデと違い、集団で大量発生することも、まずありません。
見分け方を覚えても、雨あがりの朝、玄関先で細長い虫と鉢合わせすると、頭が真っ白になるものです。そこで、ヤスデ・ムカデ・ゲジの見分けと、やってはいけない対処を、いざという時に手元で見返せる1枚の無料シートにまとめました。

「札幌の虫・害獣・蜂・鳥 見分け&対処 早見表」は、公式LINEから無料で受け取れます。脚のつき方と動きでその場でパッと見分けられれば、危険なムカデをうっかり素手で触ることも、無害なヤスデにあわてて熱湯をかけることもなくなり、落ち着いてそっと処理できます。
なぜ大量発生するのか|梅雨〜初夏に集中する理由
「昨日までいなかったのに、雨あがりに一気に増えた」。ヤスデの大量発生には、はっきりした理由と時期があります。ここが分かると、いつ備えればいいかが見えてきます。
大量発生の正体は「雨で土から追い出される」こと
ヤスデはふだん、土の中や落ち葉の下で暮らしています。ところが、長雨が続いて土の中に水がたまると、息ができなくなり、地表へ逃げ出してきます。これが「大量発生」の正体です。ウェザーニュースの解説でも、専門家が「雨が溜まって水没すると、地上に出てくる。過度の湿気などへの逃避行動」と説明しています。
だから、雨が続いた翌日の朝に、玄関先や壁で一気に見かけることが多いのです。地面が乾けば自然に減っていきますが、その間に家へ侵入されないよう、対策が必要になります。
ピークは「5月末〜7月」。梅雨明けの時期に集中
ヤスデの幼虫は土の中で育ち、翌年の5月末〜7月初旬、ちょうど梅雨のころに成虫になって地表に現れます(ダスキンの解説より)。つまり、大量発生が集中するのは、この梅雨〜初夏。実際、この記事のもとにした検索の動きを見ても、「ヤスデ 対策」を調べる人が急増するのは、毎年この時期です。
産卵は8〜9月ごろで、1匹あたり150〜300個もの卵を産みます。葉山町の専門家勉強会の資料でも、成虫を駆除しても周囲に卵のかたまり(卵塊)が残っていると、また大量発生してしまうと説明されています。だからこそ、次の章でお伝えする「環境をととのえる」対策が、根本的な予防になります。
北海道・札幌でも、初夏にヤスデは出る
「北海道にヤスデはいないのでは?」と思う方もいますが、北海道にもヤスデは生息しています。浦幌町立博物館の講座(帯広畜産大学の研究者による)では、北海道からはこれまで25種のヤスデが記録されていると報告されています。落ち葉を分解する、生態系に欠かせない存在です。
北海道でも、雪どけのあとの初夏、雨が続いたあとに、家のまわりや壁で見かけることがあります。とくに、森や林に近い家、庭に落ち葉や腐葉土がたまりやすい家は要注意です。本州のような数年おきの記録的大発生は多くありませんが、「毎年うちだけ多い」という場合は、次章の環境チェックが効いてきます。
家に入れない対策|落ち葉・湿気・すき間を断つ

ヤスデ対策は、出てきたものを退治するより、そもそも寄せつけない・入れないほうが、ずっとラクです。ヤスデが好むのは「湿気」と「落ち葉」。この2つを断つのが基本方針です。優先順に見ていきましょう。
① 家のまわりの「落ち葉・腐葉土・湿気」を減らす
これが、いちばん根本的で効く対策です。ヤスデのエサと隠れ家をなくします。
- 落ち葉・枯れ草・古い木材を片づける:ヤスデのエサであり、卵を産む場所でもあります。家のまわりにためないことが最優先です
- 雑草を刈り、風通しをよくする:草が茂ると湿気がこもり、ヤスデの温床になります
- 植木鉢・プランターを地面に直置きしない:底が湿ってヤスデの隠れ家になります。ラックや台に載せ、風を通しましょう
- 側溝・排水まわりを掃除する:落ち葉がたまって湿った側溝は、格好のすみかです。川島町も、側溝の清掃をすすめています
- 水はけを改善する:水たまりができやすい場所は、砂利を敷くなどして乾きやすくします
札幌市も、対策の基本として「家屋周囲の石や落ち葉などを片づけ、生息しやすい場所を作らない」ことをすすめています。家のまわりを乾かすことが、最大の予防策です。
② 家のすき間をふさぐ
ヤスデは体が細く、ごくわずかなすき間からでも家に入ってきます。次の場所を重点的にチェックしましょう。
- 玄関ドアの下・サッシのすき間:すき間テープ(モヘアシール)で埋めます
- 網戸の破れ・ずれ:破れを補修し、網戸と窓枠の重なりをそろえます
- 換気口・通気口・床下換気口:目の細かい防虫ネットをかぶせます。床下換気口の網が破れていないかも確認を
- 配管の貫通部・基礎のひび割れ:壁を貫く配管まわりのすき間や、基礎の割れ目は、パテやシーリング材で埋めます
- エアコンのドレンホース(排水の管):先端に防虫キャップを付けます
すき間テープや防虫ネットは、ホームセンターや百円ショップでそろいます。とくに基礎と外壁のすき間から床下に入り、室内へ上がってくる経路は気づきにくいので、家のまわりを一周して点検してみてください。
③ 壁を登らせない「滑る素材」のバリア
ヤスデは、壁や塀を這い上がって、2階のベランダや窓から侵入することもあります。この習性の逆手を取るのが、「ツルツルした、登れない素材」を貼る方法です。
- 川島町は、塀の端や建物の基礎にガムテープや金属板を張り付けると、ツルツルして登れなくなり、侵入を防げると案内しています
- 葉山町が実際に試した例では、50ミリ幅の養生テープを使用。効果を高めるには、2本貼って幅を太くする・定期的に貼り替える・表面の汚れを拭き取る(汚れが付くと登りやすくなるため)のがコツとされています
- 同資料では、アルミテープのほうが表面が滑りやすく効果を感じたという声も紹介されています
お金をかけずにできる、地味だけれど理にかなった対策です。大量に登ってくる家は、試す価値があります。
④ 外周に「粉剤(粒剤)」を帯状にまく
物理的な対策とあわせて、薬剤のバリアを張ると、より確実です。
- 粉剤・粒剤タイプの殺虫剤を、家の外周に帯状にまく:札幌市も「建物の周囲や土台の腰回りに、帯状に殺虫剤を散布」する方法を案内しています。侵入を水際で止めるイメージです
- 雨で流れる点に注意:粉剤は雨で効果が落ちます。ウェザーニュースは、撥水性パウダー配合のものなら雨や湿気で効果が落ちにくい、とすすめています。天候を見て、まくタイミングを選びましょう
- 毒エサ(毒餌剤):薬剤をまきたくない場合は、容器タイプの毒餌剤も選択肢です。子どもやペットがいる家庭でも、比較的安心して使えます
梅雨入り前に、あらかじめ外周に仕込んでおくと、発生シーズンをカバーできます。
駆除のしかた|潰さない・熱湯に注意
どれだけ気をつけても、家の中に入ってきたり、外に大量にわいたりすることはあります。ここで大切なのは、やってはいけないことを先に知っておくことです。あわてて間違った方法をとると、かえって被害が広がります。
まず「潰さない・素手で触らない」
ヤスデは、刺激を受けると臭い分泌液を出します。潰すと、その場所に臭いと汚れが残り、液が皮膚につくと炎症を起こすこともあります。壁や床、カーペットの上ではなおさらです。
家の中で見つけたら、ティッシュやガムテープでそっとくるむか、ほうきで掃き出してから屋外で処分します。触れずに処理したいときは、スプレータイプの殺虫剤や、凍らせるタイプのスプレーが便利です。処分したあとの死骸を放置すると、別の虫を呼ぶので、すぐに片づけましょう。
「熱湯をかける」は、屋外でも慎重に
ネット上では「熱湯をかけて駆除する」方法がよく紹介されます。手軽に見えますが、これには注意が必要です。
葉山町の専門家勉強会の資料によると、ヤスデに熱湯をかけると、シアン化合物を含むガスが発生し、大量に吸うと頭痛・吐き気・下痢などの健康被害が出るおそれがあるとのこと。そのため、この資料では熱湯処理はあまり推奨されていません。使うとしても、屋外の風通しのよい場所で、少量にとどめ、ガスを吸い込まないよう気をつけてください。室内や、大量のヤスデにいっぺんに熱湯をかけるのは避けましょう。植物にかかると枯れる点にも注意が必要です。
大量発生したときの、集めて処分する方法
外に大量にわいてしまったときは、次の方法が現実的です。
- ほうきとちりとりで集める:素手で触らず、集めてゴミ袋に入れ、口をしっかり縛ります
- 集めて日光に当てる:葉山町の資料によると、ゴミ袋に集めて日なたに置いておくと、温度が上がって数時間で死滅します(袋の色は問いません)。薬剤を使わない処分法です
- 殺虫スプレー・粉剤:直接スプレーする、または集まっている場所に粉剤をまきます
- 掃除機は最終手段:吸うこと自体はできますが、吸ったあとすぐに袋を捨てないと、中で臭いを放ちます。生きたまま吸うと故障の原因になることもあるので、あまりおすすめしません
薬剤の「まきすぎ」が、逆効果になることも
意外に見落とされがちですが、殺虫剤をまきすぎると、ヤスデ以外の虫まで殺してしまう点にも注意です。葉山町の資料では、幼虫のヤスデを食べるアリなどの虫まで薬剤で減らしてしまうと、結果的にその後の大発生につながる可能性があると指摘されています。
やみくもに薬剤を広範囲にまくより、侵入経路や外周に絞って使い、根本は「環境をととのえること」。これが、長い目で見た正解です。
毎年出る家へ|来シーズンの予防をルーティンに
ヤスデは、条件がそろえば毎年出ます。だからこそ、出てから慌てるより、シーズン前の恒例の備えにしてしまうのが、いちばんラクで確実です。ポイントは「梅雨より前」に動くことです。
梅雨入り前(4〜5月)にやっておくチェックリスト
- 家のまわりの落ち葉・枯れ草・古材を片づける(エサと産卵場所をなくす)
- 雑草を刈り、側溝を掃除して、風通しと水はけをよくする
- 植木鉢・プランターを台に載せ、地面から浮かせる
- 玄関・サッシ・換気口・基礎のすき間を点検し、テープやネットでふさぐ
- 外周に粉剤(撥水性タイプ)を帯状にまく/登ってくる家は壁に滑る素材を貼る
とくに「落ち葉を残さない・湿気をためない」の2つは、卵を産ませない根本対策です。前のシーズンに卵を産まれていなければ、翌年の発生はぐっと減ります。
他の「家の虫」が気になる方へ
梅雨から夏は、ヤスデ以外にも、湿気を好む虫が出やすい季節です。似た姿の本や畳まわりのチャタテムシなど、住まいの虫はそれぞれ発生源と対策が違います。キッチンや水回りに湧くコバエの発生源と見分け方も、見た場所から発生源を逆引きで特定できます。「別の小さな虫も気になる」という方は、種類ごとの対策もあわせて確認してみてください。北海道の場合、秋にはカメムシの大量発生という、季節ごとの困りごともあります。
札幌でヤスデや家の虫に困ったら
ここまでの対策で、ヤスデの被害はずいぶん減らせます。それでも、「毎年大量に出て手に負えない」「家のまわりの落ち葉や側溝、庭木の管理まで手が回らない」「築年数が古く、すき間の補修が大がかりになりそう」というお宅もあると思います。
私たち開拓札幌は、特定の業者に肩入れせず、お客さまにとって最適な方法を中立の立場でご案内する、札幌の相談窓口です。害虫の駆除や外周の薬剤散布、庭木・草刈り、家のすき間の補修など、「どこに頼めばいいか分からない」というときは、お気軽にご相談ください。
一括見積もりサイトのように、申し込んだ直後から何社もの営業電話が鳴ることはありません。ご案内するのは、ご希望の条件に合う1〜2社だけ。「電話したら対象エリア外だった」「もう予約でいっぱいだった」という探し直しも、こちらで引き受けます。
ヤスデの大量発生について、よくあるご質問
Q. ヤスデに咬まれることはありますか?毒はありますか?
ヤスデは、人を咬んだり刺したりしません。ムカデのような毒もなく、基本的に無害です。ただし、刺激すると臭いのある分泌液を出し、この液が皮膚につくとヒリヒリしたり炎症を起こしたりすることがあります。潰さず、素手で触らないようにしてください。ついたらすぐ石けんで洗い流しましょう。
Q. ヤスデとムカデの見分け方は?
いちばんの決め手は「脚のつき方」と「動き」です。ヤスデは1つの節から脚が2対(左右2本ずつ)で断面が丸く、刺激すると丸くなります。ムカデは脚が1対(左右1本ずつ)で平たく、素早く動き、咬みます。確認のためにムカデを触るのは危険なので、避けてください。
Q. なぜ雨のあとに大量発生するのですか?
ヤスデはふだん土の中や落ち葉の下にいますが、長雨で土に水がたまると、息ができなくなって地表へ逃げ出してきます。これが大量発生の正体です。ピークは梅雨〜初夏(5月末〜7月ごろ)。地面が乾けば自然に減っていきます。
Q. 熱湯をかけて駆除してもいいですか?
おすすめしません。専門家の資料では、ヤスデに熱湯をかけるとシアン化合物を含むガスが発生し、大量に吸うと頭痛・吐き気などの健康被害が出るおそれがあるとされています。使うなら屋外で少量にとどめ、室内や大量への使用は避けてください。基本は、潰さずそっと集めて処分するか、殺虫剤・粉剤を使います。
Q. 北海道・札幌にもヤスデはいますか?
います。北海道からは25種のヤスデが記録されており、初夏の雨のあとなどに、森や林に近い家のまわりで見かけることがあります。対策は本州と同じで、落ち葉・湿気を減らし、すき間をふさぐのが基本です。
Q. 殺虫剤を使わずに対策できますか?
できます。家のまわりの落ち葉・雑草を片づけ、湿気を減らすのが最も根本的な対策です。あわせて、玄関・サッシ・換気口のすき間をふさぎ、壁にはツルツルの養生テープやアルミテープを貼って登らせないようにします。薬剤なしでも、環境をととのえるだけで発生はかなり抑えられます。
まとめ|ヤスデ対策は「入れない備え」が9割
最後に、大切なことをおさらいします。
- ヤスデは咬まない・毒はない「土の掃除屋」。ムカデ(咬む・毒あり)とは別の虫。見分けは脚のつき方と動きで
- 大量発生の正体は長雨で土から逃げてくること。ピークは5月末〜7月。北海道でも初夏に出る
- いちばん効くのは入れない備え。落ち葉・湿気を減らし、すき間をふさぎ、外周に粉剤、壁に滑る素材
- 駆除は潰さない・素手で触らない。熱湯はガスの害があり慎重に。集めて日光に当てる手も
- 薬剤はまきすぎない。侵入口と外周にしぼり、根本は環境をととのえること
ヤスデは、退治するより「入れない」ほうが、ずっとラクです。梅雨に入る前に、まずは家のまわりの落ち葉を片づけ、玄関のすき間をふさぐところから始めてみてください。
