「北海道はシロアリがいないと聞いていたのに、家の中で羽アリを見た」「中古の戸建てを買うけど、北海道でもシロアリは気にすべき?」。
札幌で暮らしていると、ふとした拍子にこんな不安が頭をよぎることがあります。
まず知ってほしいのは、「北海道にシロアリはいない」は、正確ではありませんということです。かつて広く信じられてきた”いない神話”は、いまや公的機関と研究機関の調査によって、はっきりと否定されています。
この記事の要点は、3つです。
- 北海道にいるのはヤマトシロアリです。家に甚大な被害を出すもう一種のイエシロアリは、北海道にはいません
- 生息の北限は、いまや名寄まで北上しました。札幌をはじめ、道内のほとんどの地域が分布圏に入っています
- 被害は水回り・床下が中心。近年は寒冷地向けの基礎断熱住宅で被害が増えているという報告もあります
以下から、必要なところだけ読めます。
- そもそも本当にいるの?と疑っている方 → 「北海道にシロアリはいる」の章へ
- 種類や見分け方を知りたい方 → 「いるのはヤマトシロアリだけ」の章へ
- 自分の地域は大丈夫?が気になる方 → 「どこにいる?分布北限」の章へ
- うちの家は狙われる?と心配な方 → 「北海道の住宅リスク」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌の暮らしの困りごとの相談窓口です。
ですがこの記事は、駆除の売り込みではなく、北海道のシロアリの実態を、正しく知るための解説です。数字や年代、地名は、道総研(北海道立総合研究機構)や森林総合研究所、札幌市、しろあり対策協会といった、公的機関と研究機関の一次情報で裏を取りました。いっしょに、順番に見ていきましょう。
北海道にシロアリはいる。「いない」は誤解です
結論から言います。北海道にシロアリはいます。「いない」というのは、残念ながら誤解です。しかもこれは、最近になって入ってきた話ではありません。歴史をたどると、北海道とシロアリの関わりは、100年以上前までさかのぼります。
明治時代には、すでに函館で見つかっていた
「北海道のシロアリは温暖化で最近入ってきたのでは」と思う方は多いのですが、記録はもっと古くにあります。森林総合研究所の報告によると、明治時代にはすでに、北海道の函館でヤマトシロアリの生息が報告されていました(1885年、Kolbeによる記録)。
つまり、北海道にシロアリが「いる」こと自体は、100年以上前から知られていた事実なのです。
さらに、道総研(北海道立総合研究機構)林産試験場の報告によると、19世紀後半、現在の北斗市(旧・上磯町)付近で見つかった個体が新種として記載され、それがヤマトシロアリでした。言いかえれば、ヤマトシロアリという種の基産地(学術的な故郷の一つ)は、北海道にあるということです。「北海道にはいない」どころか、この種を語るうえで北海道は外せない土地なのです。
札幌での最初の家屋被害は、1968年に確認された
では、実際に住宅の被害はいつからあるのか。道総研の報告によると、ヤマトシロアリによる北海道で最初の家屋被害は、1968年に札幌で確認されました。決して「最近の話」ではなく、半世紀以上前から、札幌の住宅はシロアリの被害を受けてきたのです。
なお、シロアリは世界で見ると膨大な種類がいますが、日本国内には22〜23種ほどが生息しているとされます(道総研は22種、森林総合研究所は離島を含め23種と、数え方に差があります)。そのうち、木造住宅に甚大な被害を出すのは、主にイエシロアリとヤマトシロアリの2種です。北海道にいるのは、このうちのヤマトシロアリ。次の章で、くわしく見ていきます。
念のため、市の公式情報も添えておきます。札幌市も「住まいの害虫」の一つとしてヤマトシロアリを掲載しており、市内に生息する虫として正式に案内されています。「うちの地域にはいないはず」という前提そのものを、いったん外して読み進めてください。
北海道にいるのは「ヤマトシロアリ」だけ。イエシロアリはいない
北海道でシロアリを警戒するなら、覚えるべき種類は一つだけです。ヤマトシロアリ。これに尽きます。もう一つの厄介な種類であるイエシロアリは、北海道には分布していません。ここを正しく知ると、必要以上に恐れずに済みます。
ヤマトシロアリとイエシロアリ、何が違う?
日本の住宅に被害を出す2大シロアリの分布は、はっきり分かれています。日本しろあり対策協会の解説によると、次のとおりです。
- ヤマトシロアリ:北海道北部を除く、日本全土に分布。寒さに比較的強く、湿った木材を好みます。北海道で警戒すべきは、この種です
- イエシロアリ:神奈川県以西の海岸線に沿った温暖地と、千葉県の一部、南西諸島・小笠原などに分布。群れが巨大で加害が激しい種類ですが、寒い北海道には分布していません
道総研の報告でも、イエシロアリは本州南部・四国・九州・沖縄などの温暖地に分布するとされ、北海道にいないことが裏づけられています。近年は、輸入木材などにまぎれて入る乾材シロアリ(アメリカカンザイシロアリ)も全国的に増えているという報告がありますが、北海道の一般的な住宅で最初に考えるべき相手は、あくまでヤマトシロアリです。
言いかえると、こうなります。北海道で警戒すべきシロアリは、ヤマトシロアリの一択。もっとも被害が激しいイエシロアリがいない分、正しく知って早めに対処すれば、過度に恐れる必要はありません。
羽アリを見たら?「シロアリ」と「クロアリ」の見分け方

「羽アリを見た」という相談で、いちばん多いのが「これはシロアリ?それとも、ただのクロアリ?」という迷いです。ここは、落ち着いて見分けられます。
まず、意外な事実から。札幌市の案内によると、シロアリはアリの仲間ではなく、ゴキブリに近い虫です。見た目が似ているだけで、まったく別のグループなのです。だから、体のつくりにも違いが出ます。見分けるポイントは、次の3つです。
- 触角(しょっかく)の形:シロアリは数珠(じゅず)のようにまっすぐ。クロアリはくの字に折れ曲がっています
- 胴のくびれ:シロアリは寸胴(ずんどう)でくびれがない。クロアリは胸と腹の間がキュッとくびれています
- 4枚の翅(はね):シロアリは前後の翅がほぼ同じ大きさ。クロアリは前の翅のほうが大きいのが特徴です
なお、シロアリという名前ですが、働きアリや兵アリの体が白色なだけで、飛び立つ羽アリの体色は黒色だと札幌市も案内しています。「黒い羽アリだからクロアリだ」と決めつけるのは早いのです。ヤマトシロアリの羽アリも、体は黒っぽく見えます。判断に迷ったら、シロアリの羽アリを見つけたときの見分け方と対処もあわせてご覧ください。この記事の後半で紹介する自宅チェックも役立ちます。
どこにいる?札幌・道央から名寄まで──分布北限の最新事情

「北海道にいるのは分かった。でも、自分の住む地域は本当にいるの?」。ここがいちばん気になるところだと思います。結論を先に言うと、被害が確認された最北端は名寄。札幌を含む道内の多くの地域が、分布圏に入っています。しかもこの北限は、この数十年で一気に北へ動きました。
かつての北限は「上砂川」だった
道総研の報告によると、長らく日本のヤマトシロアリの生息北限とされてきたのは、1977年に上砂川町のイチョウの街路樹で採集された個体でした。空知地方の上砂川。ここが、20世紀の終わりまで「北限」とされていた地点です。
2000年に旭川、2001年に名寄で──北限が約100km北上した
ところが、2000年代に入って状況が変わります。道総研の報告によると、
- 2000年6月、旭川市内で生きた個体が発見されました(建物の外壁のすき間から、職蟻・兵蟻が確認)
- 2001年8月ごろ、名寄で生体と被害が確認されました(京都大学の吉村剛(よしむらつよし)助教授らとの調査による)
旭川は上砂川から約30km北、名寄は約100km北にあたります。つまり、わずか数年で、ヤマトシロアリの生息北限が一気に約100kmも北上したことになります。
森林総合研究所の報告でも、この動きは裏づけられています。2001年の段階では札幌市付近が北限とされていたものが、その後の精査で北海道北部(名寄市)まで拡大したとされ、かつては防蟻(ぼうぎ/シロアリを防ぐ薬剤処理)が不要とされてきた北海道や青森でも生息・被害が認められ、防蟻処理が必要な地域が広がっていると指摘されています。
札幌・道央はもちろん、道南・道東でも
地域別に見ると、相談が多いのは道央、とくに札幌です。道南では、そもそも100年以上前に北斗市付近でヤマトシロアリが見つかった土地ですから、古くからの分布地といえます。
なお、道東(帯広など)については、2022年に道東で初めて確認されたという業者側の報告もあります。ただしこれは競合サイトが紹介している二次情報のため、この記事では「そうした報告もある」という扱いにとどめます。断定できるのは、あくまで一次資料が示す被害確認の最北端=名寄という事実です。
いずれにしても、はっきり言えるのはこうです。「北のほうだから、うちは大丈夫」とは、もう言えない時代になっています。
寒い北海道で、なぜシロアリが生きられるのか

ここまで読んで、「そもそも、あんなに寒い北海道で、どうやって冬を越すの?」と不思議に思った方も多いはずです。この「なぜ」を理解すると、うちの家が危ないかどうかの見当がつきます。じつは、シロアリが北海道で生きられる理由は、研究で具体的に分かっています。
シロアリは寒さに強いわけではない。「土の中」が暖かいのだ
意外かもしれませんが、シロアリはもともと寒さに強い虫ではありません。道総研の報告によると、シロアリは低温耐性をもともと持たず、まわりの温度によって行動範囲が決まる虫です。では、なぜ北海道の冬を越せるのか。答えは、土の中や木材の中は、外気ほど冷えないからです。
道総研が旭川の林産試験場の暴露試験地で行った実測(2001年12月〜2002年3月)が、これをはっきり示しています。この期間、外気温は約14℃から−27℃まで大きく上下しました。ところが、
- 深さ15cmの土中温度は、0.9〜3.4℃
- 深さ30cmの土中温度は、1.3〜4.8℃
と、ほぼ一定の、氷点より上の温度に保たれていました。外がマイナス27℃まで冷え込んでも、土の中は+1〜5℃ほど。この安定した環境が、シロアリの越冬を可能にしているのです。
「北限=1月平均気温マイナス4℃線」は、書き換わった
かつては、シロアリの野外分布の北限は「1月の平均気温がマイナス4℃の線」あたりだと考えられてきました。ところが、道総研の報告によると、この考えは実測で覆されました。
名寄と旭川の1月の平均気温は、それぞれマイナス9.7℃、マイナス7.7℃(1971〜2000年の平均)。マイナス4℃どころか、マイナス10℃近い寒冷地でも、ヤマトシロアリは現に生息していたのです。つまり、実際の北限はマイナス4℃線から、マイナス10℃前後の線に置き換わったことになります。そして、マイナス10℃前後が北限なら、道内のほとんどの地域が、分布可能な範囲に入ってしまうという結論になります。
雪が「布団」になる。だから道東では被害が出にくかった

もう一つ、北海道ならではの重要な要素があります。それが雪です。森林総合研究所の報告によると、名寄盆地は冬の早い時期に根雪(長期の積雪)になり、その積雪が断熱材のように働いて、土壌の凍結が進みにくくなります。雪が地面にかけた「布団」のおかげで、枯死木の内部などが、シロアリの生息可能な温度に保たれるのです。
反対に、これまでシロアリが確認されてこなかった北海道東部(道東)では、根雪になる前に気温が氷点下まで下がり、土壌が深くまで凍結してしまいます。雪の布団がかかる前に地面が凍ってしまうため、シロアリが越冬しにくい。これが、道東で長く被害が出にくかった科学的な理由です。同じ北海道でも、雪の降り方一つで、シロアリの棲みやすさが変わるというわけです。
さらに、住宅の側の事情も無視できません。道総研は、寒冷地向けに進んだ気密・断熱住宅で床下の環境が改善したことが、かえってヤマトシロアリには好都合になったと指摘しています。床下が冬でも冷え込まず、そこに木材と水分がそろえば、シロアリにとっては快適な住まいになってしまうのです。
なお、一部では「北海道の個体はマイナス4℃で約84%が蘇生する(本州産は16〜20%)」という実験結果を紹介する情報もありますが、これは一般の情報サイトが伝える二次情報で、一次資料では確認できませんでした。あくまで参考程度にとどめておくのが妥当です。
北海道の住宅リスク──被害の実態と、うちが危ない条件

ここからは、いちばん知りたい「うちの家は大丈夫か」の話です。北海道のヤマトシロアリは、どこを、どんなふうに狙うのか。実態を知れば、自分の家の危険度が見えてきます。
狙われるのは「湿った木材」。乾いた木材は加害しない
まず、ヤマトシロアリの好みをはっきりさせておきます。札幌市や道総研の情報によると、ヤマトシロアリが好むのは浴室・台所などの床下や土台まわりの、湿った木材や腐りかけた木材です。反対に、天井などの乾いた木材は、基本的に加害しません。ここがイエシロアリとの大きな違いで、被害は「下から・湿ったところから」始まると考えてください。
シロアリは、光や乾燥を嫌います。そのため、地面から木材へ、蟻道(ぎどう)と呼ばれる土のトンネルを作って移動します。基礎のコンクリートや束石(つかいし)に、細い土の筋がついていたら、これはシロアリの通り道である可能性が高いサインです。
羽アリが飛ぶのは「5月末〜7月」。発見の最大チャンス
シロアリの存在に気づく、いちばん多いきっかけが羽アリの群飛(ぐんぴ/いっせいに飛び立つこと)です。北海道でのヤマトシロアリの羽アリの発生は、道総研によると一般に5月末〜6月ごろ。札幌市は6〜7月の、湿度が高く蒸し暑い日を挙げています。いずれも、雨上がりの温暖な午前中に飛ぶことが多いとされます。
この時期に、家の中や窓辺で黒っぽい羽アリを大量に見かけたら、要注意です。「たまたま外から入っただけ」ではなく、家のどこかに巣がある証拠かもしれません。
近年は「基礎断熱住宅」で被害が増えているという報告も
前の章で触れたとおり、寒冷地の断熱住宅は、皮肉なことにシロアリに好都合な環境になり得ます。これを裏づける実務側の報告もあります。基礎断熱住宅(基礎の外側や内側を断熱材でくるむ工法)にくわしい業界団体などの報告によると、基礎断熱住宅の駆除件数の比率が、2009〜2013年の19.2%から、2014〜2018年には45.2%へと、2倍以上に増えたとされています。※これは業者・業界団体側の二次情報のため、傾向を示すものとして紹介します。
基礎断熱の家は、床下が冬でも氷点下にならないため、いったんシロアリが入ると追い出しにくいと指摘されています。さらに知っておきたいのが、費用の話です。建築後10年以内のシロアリ被害は、原則として住宅の瑕疵(かし)保険の対象外とされています。つまり、シロアリ対策は「保険で守ってもらえる」ものではなく、基本は自己責任と考えておく必要があります。
被害の深刻さを示す事例もあります。2018年の胆振(いぶり)東部地震で倒壊した厚真町・むかわ町の木造建築から、シロアリの食害が確認されたという報告があります(『北海道住宅新聞』2019年6月15日)。強度試験では、断面が16%減った木材は、圧縮・曲げの強度がおよそ半分に落ちるとされます。※これは新聞報道による二次情報ですが、シロアリ被害が住宅の耐震性に直結し得ることを示す例として紹介します。湿気が多く木材が腐りやすい家は、雨漏り・すが漏りによる木材の腐朽とも無縁ではありません。雨漏りで湿った木材は、シロアリを呼び込む温床になりやすいのです。
「うちが危ない条件」チェックリスト
次のうち、当てはまる項目が多い家ほど、注意が必要です。
- 築年数が古い(防蟻処理の効果が切れている可能性)
- 浴室・台所など水回りの床下に、湿気がこもりやすい
- 基礎にひび割れがある(シロアリの侵入口になり得る)
- 庭に枕木・ウッドデッキ・木材を直置きしている
- 山や緑、雑木林が近い立地である
- 基礎断熱の家である
一つでも当てはまるなら、次の章の自宅チェックを、この機会にやってみてください。
今日からできる、最低限の予防
大がかりな工事の前に、自分でできる予防もあります。シロアリが好む「湿気」と「エサになる木材」を減らすのが基本です。
- 水回りの床下の風通しをよくする:物を置きっぱなしにせず、換気口をふさがない。湿気をこもらせないことが、いちばんの予防です
- 庭の木材を、地面に直置きしない:枕木・ウッドデッキ・廃材は、シロアリを家に呼び込む「橋渡し」になります。地面から離すか、撤去を
- 基礎のひび割れを点検する:見つけたら、早めにふさぐ。蟻道や侵入口になります
- 床下点検口があれば、年に一度はのぞく:蟻道や羽アリの死骸がないか目視するだけでも、早期発見につながります
ただし、床下にもぐっての本格的な点検や薬剤処理は、危険もともないます。気になるサインがあれば、無理をせず専門家に相談してください。
「もしかして?」のサインと、札幌での相談先
「うちも当てはまるかも」と思った方へ。ここでは、自分でできる早期発見のチェックと、見つけたときにやってはいけないことを整理します。そのうえで、札幌でどこに相談すればいいかをお伝えします。
早期発見の「5つのチェックポイント」
次の5つを、季節の変わり目や大掃除のタイミングで確認してみてください。とくに羽アリの飛ぶ5月末〜7月は、発見の絶好機です。
- 蟻道(土のトンネル):基礎のコンクリートや束石に、細い土の筋がついていないか
- 羽アリ・その死骸や翅:窓辺や玄関に、黒っぽい羽アリや、抜け落ちた翅が落ちていないか
- 木材の小さな穴・空洞音:柱や土台を軽く叩くと、中が空洞のような軽い音がしないか
- 床のきしみ・沈み:とくに水回りの床が、以前よりきしんだり沈んだりしないか
- 庭の木材の被害:枕木・ウッドデッキ・木の杭がボロボロになっていないか
とはいえ、蟻道・黒っぽい羽アリ・水回りの床のきしみ──いざ目の前でサインを見つけると、「これは本当にシロアリ?」と頭が真っ白になるものです。そこで、札幌の家に出る虫や害獣を「見分けて、まず何をすべきか」までたどれる1枚の無料シートにまとめました。冷蔵庫に貼っておけば、その場で手元で見返せます。

「札幌の虫・害獣・蜂・鳥 見分け&対処 早見表」は、公式LINEから無料で受け取れます。虫は自分で対処できるもの・害獣は法律で業者が必須なもの・シロアリのように点検商法に注意すべきものを種類ごとに色分けしてあるので、「殺虫剤を撒いていいのか、業者を呼ぶべきか」で迷って手遅れになったり、慌てて損な契約をしたりせずに済みます。まずは自分で確かめてみたい方の、最初の1枚にどうぞ。
やってはいけない「市販殺虫剤をむやみに撒く」
シロアリを見つけると、つい手持ちの殺虫剤を撒きたくなります。ですが、これは逆効果になることがあります。むやみに薬剤を撒くと、シロアリが警戒して被害箇所がかえって別の場所へ広がってしまうことがあるのです。しかも、目の前の個体を潰しても、床下や地中の巣は残ったまま。見えるところを叩いて回るだけでは、根本的な解決にはなりません。
札幌市も、シロアリが発生したときは建築や駆除の専門業者に相談し、早めに駆除するよう案内しています。自己判断で撒いて悪化させる前に、まずは正しい状況把握をおすすめします。駆除にかかる費用は、被害の範囲や工法によりますが、一般的には十数万円が目安です。北海道はイエシロアリがいない分、関東以西で高額になりがちな乾材シロアリ(アメリカカンザイシロアリ)向けの特殊な工事は、基本的に必要ありません。くわしい相場や工法別の費用、信頼できる業者の選び方は、札幌のシロアリ駆除の費用と業者選びでまとめています。
「どこに頼めばいいか分からない」ときの相談先
とはいえ、いざ業者を探すとなると、「どこが良心的なのか分からない」「相場も分からず、言い値で契約してしまわないか不安」という声をよくいただきます。
私たち開拓札幌は、特定の業者に肩入れせず、お客さまにとって最適な方法を中立の立場でご案内する、札幌の相談窓口です。「これはシロアリの被害だろうか」という段階の点検の相談から、駆除が必要になったときの業者探しまで、お気軽にご相談ください。
一括見積もりサイトのように、申し込んだ直後から何社もの営業電話が鳴ることはありません。ご案内するのは、ご希望の条件に合う1〜2社だけ。「電話したら対象エリア外だった」「もう予約でいっぱいだった」という探し直しも、こちらで引き受けます。
北海道のシロアリについて、よくあるご質問
Q. 北海道にシロアリは、本当にいるのですか?
はい、います。「いない」は誤解です。明治時代(1885年)にはすでに函館でヤマトシロアリの生息が報告されており(森林総合研究所の報告より)、札幌での最初の家屋被害も1968年に確認されています(道総研の報告より)。決して最近の話ではありません。
Q. イエシロアリは、北海道にいますか?
いません。加害の激しいイエシロアリは、神奈川県以西の温暖地や南西諸島などに分布し(日本しろあり対策協会の解説より)、北海道には分布していません。北海道で警戒すべきは、ヤマトシロアリの一種のみです。
Q. 羽アリを見ました。シロアリ?それともクロアリ?
見分けるポイントは3つです。触角がまっすぐ(数珠状)・胴にくびれがない(寸胴)・4枚の翅がほぼ同じ大きさなら、シロアリの可能性が高いです。羽アリはシロアリでも体は黒っぽく見えるので、色だけで「クロアリだ」と判断するのは禁物です。
Q. 寒い北海道で、どうやって冬を越すのですか?
シロアリは寒さに強いわけではありませんが、土の中や木材の中は外気ほど冷えません。道総研の実測では、外気がマイナス27℃まで下がっても、深さ15〜30cmの土中は+0.9〜4.8℃に保たれていました。加えて、根雪の断熱効果や、断熱住宅の暖かい床下も、越冬を助けています。
Q. どんな家が狙われやすいですか?
浴室・台所など水回りの床下に湿気がこもる家、築年数が古い家、基礎にひび割れがある家、庭に枕木やウッドデッキなど木材がある家、山や緑が近い立地です。近年は基礎断熱住宅で被害が増えているという報告もあります。
Q. シロアリを見つけたら、どうすればいいですか?
市販の殺虫剤をむやみに撒くのは逆効果です(被害箇所が広がり、巣は残ります)。札幌市も、専門業者に相談して早めに駆除するよう案内しています。まずは状況を正しく把握するため、点検の相談から始めるのがおすすめです。
まとめ|「いない」は誤解。正しく知って備える
最後に、大切なことをおさらいします。
- 北海道にシロアリはいる。「いない」は誤解で、1885年に函館、1968年に札幌で被害が確認されている
- いるのはヤマトシロアリだけ。加害の激しいイエシロアリはいないので、過度に恐れず正しく対処できる
- 生息の北限は名寄まで北上(上砂川1977→旭川2000→名寄2001)。札幌を含む道内の多くが分布圏
- 越冬できるのは、土の中や床下が外気ほど冷えないから。雪の断熱と断熱住宅がそれを助けている
- 被害は水回り・床下の湿った木材が中心。市販殺虫剤の乱用は逆効果。早期発見が肝心
「北海道は寒いからシロアリはいない」。この思い込みを外して、うちの家に危ない条件がないか、いちど確かめてみてください。羽アリの飛ぶ5月末〜7月は、いちばんの発見チャンスです。
この記事の参考にした一次情報
この記事の数値・年代・分布は、次の公的機関・研究機関の資料をもとにしています。
