「家の中で、急に小さな羽アリが大量に発生した」「窓辺に、羽の落ちた黒い小さな虫が…これ、シロアリ?」。
春から初夏の札幌で、こんな場面に出くわして、ドキッとした方は少なくありません。
まず、いちばん大事なことをお伝えします。北海道で、春から初夏に室内で羽アリを見たら、シロアリの可能性を疑ってください。「北海道にシロアリはいない」というのは、じつは誤解です。そして、室内で羽アリが出たということには、見過ごせない意味があります。
この記事の要点は、3つです。
- 北海道でシロアリの羽アリが出るのは、一般に5月末〜6月ごろ。とくに雨上がりの、温暖な午前中です
- 室内で羽アリが出た=すでに床下の木材が食べられているサイン。羽アリが飛ぶのは、巣(コロニー)が十分に育った証拠だからです
- まずはシロアリかクロアリかを見分け、シロアリらしければ、あわてて薬剤を撒く前に早めに専門家へ相談を
必要なところから読めます。
- これシロアリ?クロアリ?と迷っている方 → 「見分け方」の章へ
- 今の時期に出るのはなぜ?が気になる方 → 「出る時期」の章へ
- 羽アリが出た家はどうなってる?と不安な方 → 「被害進行のサイン」の章へ
- 見つけたら何をすればいい?という方 → 「正しい対処」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌の暮らしの困りごとの相談窓口です。
ですがこの記事は、駆除の売り込みではなく、羽アリを見つけたあなたが、落ち着いて次の一手を打つためのガイドです。北海道の発生時期や羽アリの意味は、道総研(北海道立総合研究機構)林産試験場や札幌市の情報で裏を取りました。なお、「そもそも北海道にシロアリはいるの?」という疑問からの方は、先に北海道・札幌にシロアリはいる?いない?をご覧ください。この記事では、羽アリを見つけたところから、順番に見ていきます。
これはシロアリ?クロアリ?羽アリの見分け方

羽アリを見つけて、まず知りたいのは「これは、シロアリ? それとも、ただのクロアリ?」でしょう。ここは、落ち着いて見れば、自分でも見分けられます。
見分けるのは、色ではなく「体のつくり」
最初に、多くの方が勘違いしているポイントをお伝えします。「黒い羽アリだから、クロアリだ」というのは、正しくありません。
道総研の資料によると、シロアリの職蟻(しょくぎ/働きアリ)や兵蟻(へいぎ)は、その名のとおり白い色をしていますが、飛び立つ羽アリは、褐色〜黒色をしています(道総研 林産試だよりの羽アリの資料によると)。札幌市も、シロアリの羽アリの体色は黒色だと案内しています。つまり、シロアリの羽アリも、見た目は黒っぽいのです。色だけで「クロアリだ」と決めつけると、シロアリを見逃してしまいます。
では、どこを見るのか。決め手は、体のつくりです。道総研も、胴・翅(はね)・触角(しょっかく)の形を見ることで、アリかシロアリかを区別できるとしています。ポイントは、次の3つです。
- 触角(しょっかく)の形:シロアリは数珠(じゅず)のように、まっすぐ。クロアリはくの字に、折れ曲がっています
- 胴のくびれ:シロアリは寸胴(ずんどう)で、くびれがない。クロアリは胸と腹の間が、キュッとくびれています
- 4枚の翅(はね):シロアリは前後の翅が、ほぼ同じ大きさ。クロアリは前の翅のほうが大きいのが特徴です
この3点のうち、一つでも「シロアリ寄り」なら、シロアリを疑ってよい段階です。とくに触角と、くびれの有無は、ルーペがあれば家庭でも確認できます。
迷ったら、抜け落ちた翅も手がかりになる
生きた羽アリが見当たらなくても、判断の材料はあります。シロアリの羽アリは、飛んだあとに翅を落とす習性があります。窓辺や玄関、洗面所などに、同じ大きさの透明な翅が、そろって落ちているなら、シロアリの羽アリだった可能性があります。
なお、シロアリとクロアリのより詳しい違いや、北海道にいるシロアリの種類については、北海道・札幌にシロアリはいる?いない?で写真つきの図とあわせてまとめています。この記事では、ここから先は「シロアリの羽アリだったら、どうするか」に絞って進めます。
北海道で羽アリが出る時期は「5月末〜6月」

「なぜ、今の時期に急に出たの?」——羽アリの発生には、はっきりした季節があります。時期を知っておくと、「たまたま」なのか「要注意」なのかの、見当がつきます。
群飛(ぐんぴ)は、5月末〜6月・雨上がりの午前中
北海道でシロアリの羽アリが飛ぶ時期は、だいたい決まっています。道総研の羽アリの資料によると、北海道では一般的に5月末頃から6月にかけて、とくに雨上がりの温暖な午前中に、羽アリが見られます。
いっせいに飛び立つこの現象を、群飛(ぐんぴ)と呼びます。道総研によると、そのしくみはこうです。シロアリは、幼虫からニンフ、そして有翅虫(ゆうしちゅう/羽のある虫)へと分化して羽アリになり、ある時期になると、集団で巣から飛び出します。そして、やがて王と女王が対(つい)になって、新しいコロニー(巣)を作るのです。つまり、羽アリは「巣を出て、新しい家庭を持ちに行く、シロアリの旅立ち組」というわけです。
札幌市は、少し幅を持たせて6〜7月の、湿度が高く蒸し暑い日を挙げています。道総研(5月末〜6月)と札幌市(6〜7月)で、多少の幅はありますが、いずれも春から初夏にかけての、暖かく湿った日という点で共通しています。梅雨のない北海道でも、雨上がりのむしむしした午前中は、羽アリが飛びやすい条件がそろいます。
なぜ、この条件で飛ぶのか。群飛は、シロアリがいっせいに、外に出て相手を見つけるためのイベントです。雨上がりで湿度が高い日は、体が乾きにくく、羽アリにとって飛びやすい。だから、条件のそろった同じ日に、あちこちの巣から、まとまって飛び立ちます。「1匹だけ、たまたま」ではなく「同じ日に、家の中で何匹も」という出方をしやすいのは、このためです。
「今、羽アリが出た」なら、この季節の可能性が高い
逆に言えば、この5月末〜7月の時期に、家の中や窓辺で黒っぽい羽アリを見たなら、それはシロアリの群飛の可能性を、まず考えるべきです。道総研も、住宅で多数の羽アリの発生が見られた場合、シロアリの群飛の可能性が考えられるとしています。「季節外れの、たまたま1匹」ではなく、季節どおりの「大量発生」なら、なおさら注意が必要です。
次の章で、なぜ「注意が必要」なのかを、くわしくお伝えします。
シロアリの羽アリが出た家は、どうなっている?
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。「羽アリが出た」というのは、単に虫が湧いた、という話ではありません。家からのSOSサインである可能性が高いのです。
羽アリが出た=巣が「成熟している」証拠
なぜ、羽アリの発生がSOSなのか。理由は、羽アリが「飛べる状態のシロアリ」だからです。
道総研の羽アリの資料は、こう指摘しています。コロニーから羽アリが出るということは、そのコロニーが十分に成熟しているということで、過去何年かにわたって食害し続けていたと考えられます。羽アリは、巣がある程度の規模まで育って、初めて生まれます。つまり、あなたの家で羽アリを見たということは、もう何年も前から、どこかでシロアリが木材を食べ続けてきた可能性が高い、ということなのです。
土台などの木材が、すでに被害を受けている可能性
さらに道総研は、はっきりとこう述べています。羽アリがシロアリであった場合、住宅に使用されている土台などの木材が、既に被害を受けている可能性が高いと考えられる、と。
羽アリは、家の外に出てきて初めて、私たちの目に触れます。ところが、被害の本体は、目に見えない床下や土台の中で、静かに進んでいます。実際、道総研の資料でも、シロアリの被害は、居住者が羽アリの群飛に気づいて、初めて発見されることが多いとされています。言いかえると、羽アリは「気づける、数少ないサイン」でもあるのです。見つけたことを、悪いことととらえず、「早めに気づけた」と考えてください。
北海道の被害は、水回りの床下・土台から
では、家のどこを見ればいいのか。北海道にいるシロアリはヤマトシロアリだけで、加害の激しいイエシロアリはいません。そしてヤマトシロアリが好むのは、浴室・台所などの水回りの床下や、湿った土台まわりの木材です。反対に、乾いた天井などは、基本的に食べません。
なお、道総研によると、北海道では主に函館を中心とした道南地域、札幌を中心とした道央地域で被害が報告されています。ですから、羽アリを見たら、まず気にすべきは水回りの床下です。北海道のシロアリの生態や、狙われやすい家の条件については、北海道・札幌にシロアリはいる?いない?でくわしくまとめています。「うちの水回りは大丈夫か」が気になる方は、あわせてご覧ください。
羽アリと同時に、確認しておきたいサイン
羽アリを見たら、その場でいっしょに、次のサインがないかを見ておくと、状況をつかみやすくなります。どれも、床下でシロアリが動いている手がかりです。
- 抜け落ちた翅の山:窓辺・玄関・洗面所などに、同じ大きさの透明な翅が、まとまって落ちていないか
- 蟻道(ぎどう):シロアリは、光や乾燥を嫌い、土のトンネルを作って移動します。基礎のコンクリートや束石(つかいし)に、細い土の筋がついていたら、その通り道の可能性があります
- 木の空洞音・床のきしみ:柱や土台を軽く叩くと、中が空っぽのような軽い音がしないか。とくに水回りの床が、以前よりきしんだり沈んだりしていないか
無理に床下へもぐる必要はありません。目に見える範囲で確認するだけでも、専門家に相談するときの、よい手がかりになります。それぞれのサインの見方は、北海道・札幌にシロアリはいる?いない?の早期発見チェックでもう少しくわしく紹介しています。
羽アリを見つけたときの、正しい対処とNG行動

羽アリを見つけたとき、やってしまいがちな「NG行動」と、やっておきたい「正しい対処」を整理します。ここを間違えると、かえって被害を広げてしまうことがあります。
やってはいけない、2つのこと
気持ちは分かりますが、次の2つは、逆効果になりがちです。
- 殺虫剤を、むやみに撒く:目の前の羽アリを退治したくて、手持ちの殺虫剤を撒きたくなります。ですが、これは要注意です。むやみに薬剤を撒くと、シロアリが警戒して、被害箇所がかえって別の場所へ広がってしまうことがあります。しかも、目に見える羽アリを倒しても、床下や地中の巣(本体)は、そのまま残ります
- 潰す・掃除機で吸うだけで、満足する:羽アリを潰して回ったり、掃除機で吸ったりすれば、その場は片づきます。ですが、それは「外に出てきた一部」を片づけただけ。根本の巣が床下に残っている限り、また出てきます。掃除で終わりにしないことが大切です
つまり、羽アリ退治のゴールは「見えている虫を消すこと」ではなく、「床下の巣がどうなっているかを、正しく把握すること」です。
やっておきたい、3つのこと
あわてて薬剤を撒く前に、次の3つをやっておくと、あとの判断がスムーズになります。
- 羽アリを、数匹だけ採取しておく:ティッシュやテープで、数匹をそっと確保します。あとで種類を確認したり、専門家に見せたりするときの、大事な手がかりになります。透明な袋やケースに入れておくと、翅がとれずに残ります
- 発生した場所を、記録する:どこから出てきたか(窓・床のすき間・柱・洗面所など)を、写真やメモで残します。発生場所は、床下の巣のありかを推測する、重要な手がかりです。とくに、水回りの近くから出ていないかを見てください
- シロアリらしければ、早めに専門家へ相談する:見分けの3点でシロアリの可能性があれば、次のステップは専門家への相談です。道総研の資料も、シロアリと思われる羽アリを見つけたら、早急に専門業者に相談してくださいと、はっきり明記しています
なぜ、自分で駆除しきるのが難しいのか。それは、被害の本体が、狭く暗い床下にあるからです。床下にもぐっての点検や薬剤処理は、危険をともない、専門の知識と道具が要ります。表面の羽アリを退治しても、床下の巣を残したままでは、根本の解決になりません。
駆除にかかる費用の相場や、後悔しない業者の選び方、そして「点検商法」などの悪質な手口の見抜き方については、札幌のシロアリ駆除の費用と業者選びでくわしくまとめています。あわてて契約する前に、まず相場という「ものさし」を持っておくと安心です。
札幌でシロアリの羽アリを見つけたら
「シロアリの羽アリかもしれない」。そう思っても、いざとなると、「どこに相談すればいいのか」「そもそも本当にシロアリなのか」と、迷うものです。そんなときは、契約や駆除に進む前に、開拓札幌にご相談ください。
中立の立場で、最適な進め方をご案内します
開拓札幌は、特定の業者に肩入れせず、お客さまにとって最適な方法を、中立の立場でご案内する、札幌の相談窓口です。「これは本当にシロアリの羽アリ?」という見分けの段階の相談から、点検や駆除が必要になったときの業者探しまで、承っています。
シロアリは、不安を煽られやすいテーマです。だからこそ、開拓札幌がご案内するのは、見積りを項目ごとに出し、追加請求をせず、その場で契約を迫らない業者だけです。
一括見積もりサイトのように、申し込んだ直後から何社もの営業電話が鳴ることはありません。ご案内するのは、ご希望の条件に合う1〜2社だけ。「電話したら対象エリア外だった」「もう予約でいっぱいだった」という探し直しも、こちらで引き受けます。
その「写真を送る前に、まず自分の目で確かめておきたい」という方のために、この記事でお伝えした触角・くびれ・翅の3点の見分けと、見つけたあとの正しい対処を、いざという時に手元でパッと見返せる1枚の無料シートにまとめました。

それが「札幌の虫・害獣・蜂・鳥 見分け&対処 早見表」です。公式LINEから無料で受け取れます。羽アリはもちろん、札幌の家で出やすい虫・害獣を、「これは自分で対処? 業者を呼ぶ?」まで一目で判断できる1枚。今回のように黒い羽アリにドキッとした朝も、この早見表があれば、あわてて殺虫剤を撒く前に、落ち着いて次の一手を選べます。
シロアリの羽アリについて、よくあるご質問
Q. 北海道で、シロアリの羽アリはいつ出ますか?
道総研の資料によると、北海道では一般的に5月末頃〜6月、とくに雨上がりの温暖な午前中に見られます。札幌市は、6〜7月の湿度が高く蒸し暑い日を挙げています。いずれも、春から初夏の、暖かく湿った日という点で共通しています。
Q. 黒い羽アリだから、クロアリで安心ですよね?
いいえ、色だけでは判断できません。道総研によると、シロアリの羽アリも、体色は褐色〜黒色で、見た目は黒っぽく見えます。見分けるのは色ではなく、触角がまっすぐ(数珠状)・胴に くびれがない(寸胴)・4枚の翅がほぼ同じ大きさという、体のつくりです。
Q. 羽アリが出たら、もう手遅れですか?
「手遅れ」と落ち込む必要はありませんが、油断もできません。道総研によると、コロニーから羽アリが出るのは巣が十分に成熟した証拠で、土台などの木材が、すでに被害を受けている可能性が高いとされています。ただ、羽アリは目に見えない被害を教えてくれるサインでもあります。気づけた今が、いちばん被害の軽いタイミングだと考えて、早めに動くのが得策です。
Q. 羽アリは、自分で駆除できますか?
見えている羽アリを退治することはできますが、それだけでは根本の解決になりません。被害の本体は、床下や地中の「巣」にあり、表面の羽アリを潰したり掃除機で吸ったりしても、巣は残ります。むやみに殺虫剤を撒くと、かえって被害が広がることもあります。くわしくは札幌のシロアリ駆除の費用と業者選びをご覧ください。
Q. 羽アリを見つけたら、まず何をすればいいですか?
あわてて薬剤を撒く前に、次の3つです。①羽アリを数匹そっと採取する ②どこから出てきたか(発生場所)を記録する ③見分けてシロアリらしければ、早めに専門家に相談する。道総研も、シロアリと思われる羽アリを見つけたら、早急に専門業者に相談するよう案内しています。
まとめ|羽アリは「家からのサイン」。落ち着いて見分けて相談を
最後に、大切なことをおさらいします。
- 見分けは色ではなく体のつくり。触角がまっすぐ・胴に くびれがない・4枚の翅が同じ大きさなら、シロアリの可能性。黒い羽アリでもシロアリのことがある
- 北海道でシロアリの羽アリが出るのは、5月末〜6月(札幌市は6〜7月)の、雨上がりの温暖な午前中。群飛は、新しい巣を作るための旅立ち
- 室内で羽アリが出た=巣が成熟し、土台などの木材がすでに食べられている可能性が高いサイン。でも、気づけた今がいちばん被害が軽い
- NG行動はむやみな殺虫剤・掃除機で吸って満足すること。正しくは数匹採取・発生場所を記録・シロアリらしければ早めに専門家へ相談
- 費用相場や業者選び、点検商法の見抜き方は札幌のシロアリ駆除の費用と業者選びで。北海道のシロアリの生態は北海道・札幌にシロアリはいる?いない?で確認を
羽アリを見つけると、不安になるものです。でも、それは家が出してくれた「早めのサイン」。落ち着いて見分けて、正しく動けば、大ごとになる前に手を打てます。