「家の軒下に、蜂が巣を作っている」「庭で大きな蜂を見かけた。これは危ない蜂だろうか」——。ある日とつぜん見つけると、心臓がドキッとしますよね。
そんなとき、まず知りたいのは「これは何蜂なのか」「どれくらい危険なのか」「自分でなんとかできるのか、業者を呼ぶべきか」の3つだと思います。
先にお伝えすると、蜂の種類は「巣の形」と「飛んでいる蜂の姿」の2つを見れば、専門家でなくても、だいたい見分けられます。そして種類が分かれば、危険度も、次にとるべき行動も決まります。この記事の要点は、3つです。
- 巣がマーブル模様のボール状ならスズメバチ、ハスの実のような六角形むき出しならアシナガバチ。まず巣の形で当たりをつける
- 危険度はスズメバチ>アシナガバチ>ミツバチ。とくにスズメバチは、無理をせず業者に頼むのが安全です
- 札幌でよく見るのは、ケブカスズメバチとコガタスズメバチ。全国記事で主役の「オオスズメバチ」は、札幌ではあまり見かけません
必要なところから読めます。
- 今すぐ正体を知りたい方 → 「巣の形で見分ける早見表」の章へ
- 種類ごとの特徴をくわしく知りたい方 → 「種類別の特徴と見分け方」の章へ
- どれくらい危険かが心配な方 → 「危険度は?」の章へ
- 札幌でよく見る蜂を知りたい方 → 「札幌でよく見る蜂」の章へ
- 見つけたあと、どうすればいいかを知りたい方 → 「見つけたらどうする?」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌で家まわりの困りごとの相談窓口を運営しています。
この記事では、札幌市の公式情報をもとに、蜂の見分け方・危険度・最初の対応を、やさしい言葉でお伝えします。特定の業者に肩入れせず、「自分でやれること」も「プロに任せたほうがいいこと」も、中立の立場で正直にお伝えします。読み終えるころには、目の前の蜂とどう向き合えばいいかが、はっきりします。
【まず結論】巣の形で見分ける、蜂の種類 早見表

細かい種類はあとで見ていきます。まずは、いちばん手っ取り早い「巣の形」で、大きく3グループに当たりをつけましょう。遠くからでも判断しやすく、危険な蜂に近づかずに済みます。
| 巣の形 | 蜂の種類 | 危険度 |
| マーブル模様の丸いボール状(表面がうろこ状の層に見える。とっくり型のことも) | スズメバチ | 高い |
| ハスの実(シャワーヘッド)状(六角形の穴がむき出し。外側の覆いがない) | アシナガバチ | 中くらい |
| 板状に垂れ下がる(六角形の巣板が何枚も重なる。屋根裏や樹洞に) | ミツバチ | 低い |
かんたんに言うと、「外側が覆われた丸い巣」=スズメバチ、「穴がむき出しの巣」=アシナガバチ、「垂れ下がる巣」=ミツバチです。スズメバチとアシナガバチは、この巣の形だけでかなり見分けられます。
飛んでいる蜂の姿でも見分けられる
巣が高い場所にあったり、まだ巣が見当たらなかったりするときは、飛んでいる蜂の姿で見分けます。ポイントは「大きさ」と「飛び方」です。
- スズメバチ:体が大きく(2〜4cmほど)、ずんぐりして見えます。オレンジ・黄色と黒の、はっきりした色合い
- アシナガバチ:ほっそりした体で、後ろ足を長く垂らして、ふわふわ飛ぶのが最大の特徴です。「足を垂らして飛ぶ蜂」を見たら、まずアシナガバチ
- ミツバチ:小さく丸っこく(1〜1.5cmほど)、体に毛が多め。花のまわりをせわしなく飛びます
「大きくてボール状の巣」ならスズメバチ、「足を垂らして飛び、穴むき出しの巣」ならアシナガバチ、と覚えておくと、とっさのときに判断できます。
蜂の種類別の特徴と見分け方
早見表で当たりをつけたら、次はもう少しくわしく見ていきましょう。ここでは、家のまわりで出会う3グループ——スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチ——を、順番に見ていきます。
スズメバチ|マーブル模様のボール状の巣
いちばん警戒したいのがスズメバチです。見分けのポイントは、次のとおりです。
- 巣の形:外側がすっぽり覆われた丸いボール状。表面が、うろこ(マーブル)模様の層に見えます。作りはじめは、下向きの入口がある「とっくり型」のことも
- 巣の場所:軒下、屋根裏、壁の中、天井裏、木の枝、換気口など。閉じた空間を好みます
- 蜂の姿:体長2〜4cmと大きく、ずんぐり。オレンジ・黄色と黒の、くっきりした色合い
- 大きさの変化:初夏は握りこぶし大でも、秋にはバスケットボール大まで大きくなります
外側が紙のような膜で覆われ、中が見えないボール状の巣なら、まずスズメバチと考えてください。危険度が高いので、見つけても近づかないのが鉄則です。
アシナガバチ|ハスの実(シャワーヘッド)状の巣
アシナガバチは、スズメバチと混同されがちですが、巣を見れば一目瞭然です。
- 巣の形:ハスの実、あるいはシャワーヘッドのような形。六角形の穴が、外側からむき出しに見えます。スズメバチのような外側の覆いがありません
- 巣の場所:軒下、生け垣、ベランダ、樹木など。日当たりのよい、開けた場所を好みます
- 蜂の姿:ほっそりした体で、後ろ足を長く垂らして、ふわふわ飛びます。この飛び方が最大の目印
- 益虫の一面:ケムシなどの害虫を捕まえて食べる、庭にとっては役に立つ蜂でもあります
札幌市によると、アシナガバチの巣は1年限りで、その年のうちに使われなくなり捨てられます。冬を越すのは新しい女王蜂だけで、古い巣が翌年また使われることはありません。
ミツバチ|板状に垂れ下がる巣
ミツバチは、3グループのなかでいちばんおとなしい蜂です。
- 巣の形:六角形の穴がびっしり並んだ巣板(すばん)が、板状に何枚も垂れ下がります。屋根裏や樹洞、壁の中などに作られます
- 蜂の姿:体長1〜1.5cmと小さく、丸っこい。体に毛が多めで、花のまわりをせわしなく飛びます
- 性質:札幌市も「花の蜜や花粉を集める、比較的おとなしいハチ」と説明しています。刺激しなければ、めったに刺しません
ミツバチは、農作物の受粉を助ける大切な役割をもつ蜂です。あとの章でくわしくお伝えしますが、むやみに駆除せず、まず様子を見るのが基本になります。
まぎらわしい蜂|「怖そうに見えて、じつは無害」な蜂も
大きな蜂を見ると、つい「スズメバチだ」と身構えてしまいます。でも、見た目が怖いだけで、じつはおとなしい蜂もいます。むやみに怖がって、無害な蜂を駆除してしまわないよう、代表的なものを知っておきましょう。
マルハナバチ|札幌で「クマバチ」と間違われる無害な蜂
北海道で「クマバチが出た」と言われるとき、その多くはマルハナバチです。丸くて毛がふさふさし、体も羽音も大きいので、たしかに迫力があります。
ですが、札幌市は「体も羽音も大きいので、恐怖感を与えますが、花の蜜や花粉を集める、比較的おとなしいハチです」「人が近づいても、襲ってくることはほとんどありません」と説明しています。
営巣場所は、主に土の中。床下や屋根裏、壁の間に作ることもあります。見た目に反して、こちらから手を出さなければ、ほとんど危険はありません。
ドロバチ|土でできた、とっくり型の小さな巣
壁や木の枝に、土でできた小さな巣を見つけたら、ドロバチかもしれません。単独で生活する蜂の仲間で、群れを作りません。
札幌市も、単独性のハチについて「不用意に虫体をつまんだりすると刺されることがある」としていますが、群れで襲ってくるスズメバチのような危険性はありません。基本的には、そっとしておいて大丈夫です。
クロスズメバチ|草刈り中に注意したい、小さなスズメバチ
名前に「スズメバチ」とつきますが、体長1cmほどと小さいのがクロスズメバチです。主に土の中に巣を作り、屋根裏や床下の換気口に営巣することもあります。
札幌市は、草刈りのときに、気づかず巣を刺激して刺されることがあると注意を呼びかけています。庭仕事や草むしりの前に、足元に蜂が出入りしていないか、一度確かめておくと安心です。
危険度は? 攻撃性・毒性で見る段階

「刺されると危ないのは分かるけれど、どれくらい危険なのか」。ここを整理します。じつは危険度には、「刺されるリスク(攻撃性)」と「自分で対処できるか(駆除の難しさ)」の、2つの見方があります。分けて考えると、判断しやすくなります。
| 種類 | 刺されるリスク(攻撃性) | 自分で対処できるか |
| スズメバチ | 高い(近づくだけで攻撃されることも) | 難しい。業者に頼むのが安全 |
| アシナガバチ | 中くらい(刺激しなければおとなしい) | 初期の小さい巣なら、条件つきで検討可 |
| ミツバチ | 低い(基本おとなしい) | 駆除より、まず様子見・保護が基本 |
スズメバチが、いちばん危険な理由
スズメバチの危険度が高いのには、理由があります。
- 攻撃性が強い:巣に近づくだけで、警告なしに刺してくることがあります。とくに巣が大きくなる夏の終わり〜秋(9〜10月頃)は、群れを守るため気が立っています
- 毒が強く、何度も刺せる:ミツバチと違い、一匹が何度でも刺せます。仲間を呼ぶ性質もあり、集団で襲われる危険があります
- 巣が大きい:秋にはバスケットボール大まで育ち、中の蜂の数も数百匹にのぼります
一方アシナガバチは、札幌市も「攻撃性はスズメバチほど強くありませんが、巣に近づくと威嚇されます」としています。刺激しなければおとなしいものの、巣に手を出せば刺してきます。ミツバチは、分蜂(後述)のとき以外はおとなしく、こちらから刺激しなければ、めったに刺しません。
どの蜂でも、刺されると危険なことがある
種類にかかわらず、すべての蜂に共通する危険があります。それがアナフィラキシー(急性のアレルギー反応)です。
札幌市(ハチに刺されたら)は、「過去にハチに刺された経験のある人やアレルギー体質の人は、刺されてから15〜30分以内にじんましんがでたり、息苦しさなどの全身症状が急にあらわれることがあります」と注意を呼びかけています。
これは、2回目に刺されたときに起こりやすいとされます。「前に刺されて平気だったから大丈夫」とは限りません。刺されたあとの対応は、あとの章でくわしくお伝えします。
【札幌】でよく見る蜂は? 全国記事とは主役が違う

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。ネットの蜂の記事の多くは全国向けで、「オオスズメバチが最も危険」と書かれています。ですが、札幌でよく見る蜂は、全国の主役とは少し違います。札幌市の公式情報をもとに、地元の実情を整理します。
札幌の主役は、ケブカスズメバチとコガタスズメバチ
札幌市(スズメバチ類、アシナガバチ類)によると、市内でよく見られるスズメバチは、次の2種類です。
- ケブカスズメバチ:「市内でよく見られ、攻撃性が強い種」です。軒下・屋根裏・壁の中に、ボール状の大きな巣を作ります。札幌の代表的なスズメバチと考えてよいでしょう
- コガタスズメバチ:こちらも市内でよく見られますが、「ケブカスズメバチよりはおとなしい性質」です。低い木の枝や、家屋の軒下にボール状の巣を作ります
つまり、札幌で軒下や屋根裏にボール状の巣を見つけたら、まず疑うのはこの2種です。とくにケブカスズメバチは攻撃性が強いので、警戒が必要です。
「オオスズメバチ」は、札幌ではあまり見かけない
全国の記事で「最も危険」とされるオオスズメバチについて、札幌市は「体長3cm程と大型で、攻撃性が極めて強く、最も危険な種」としながらも、「市内ではあまり見られません」と明記しています。主に土の中に巣を作る蜂です。
もちろん危険な蜂ですが、「札幌の家の軒下にできる巣=オオスズメバチ」と早合点する必要はありません。全国記事のイメージに引きずられず、地元の実情で考えることが大切です。
マルハナバチは怖くない・ミツバチは保護が基本
前の章でもお伝えしたとおり、札幌で「クマバチが出た」と言われる蜂の多くは、マルハナバチです。札幌市も「比較的おとなしいハチ」「襲ってくることはほとんどありません」としています。見た目の迫力に反して、そっとしておけば危険はほぼありません。
ミツバチも、市が「比較的おとなしいハチ」とする蜂です。むやみに駆除せず、様子を見るのが基本になります。
札幌の営巣カレンダー|いつ、どうなる?
札幌市(スズメバチの一生)の情報によると、スズメバチの巣は、次のように変化していきます。
- 5〜6月頃:冬を越した女王蜂が、たった1匹で巣作りを始めます。この時期の巣は、まだ小さめ
- 7〜9月頃:働き蜂が次々に生まれ、9月頃に巣は最大になります。蜂の数も多く、いちばん危険な時期です
- 10〜11月頃:新しい女王蜂だけが冬眠に入り、巣は空になります。古い巣が翌年また使われることはありません
つまり、春〜初夏の小さい巣ほど対処しやすく、秋の大きい巣ほど危険ということです。冬に見つかる空の巣は、蜂がいなければ、あわてて撤去する必要はありません。
巣の場所からも、蜂の種類が推測できる
巣ができた「場所」も、種類を推測する手がかりになります。札幌市の情報をもとに整理すると、次のとおりです。
- 軒下・ベランダ・生け垣:スズメバチ(ケブカ・コガタ)とアシナガバチが好む場所。巣が丸いか穴むき出しかで見分けます
- 屋根裏・壁の中・天井裏:ケブカスズメバチが好みます。ミツバチが巣板を作ることも。閉じた空間なので、姿が見えにくいのが厄介です
- 換気口・床下:クロスズメバチや、マルハナバチのことがあります
- 土の中・地面の穴:オオスズメバチ、クロスズメバチ、マルハナバチ。草刈り中に刺激しやすいので注意
軒下や屋根裏でボール状の巣が見えたら、まずスズメバチを疑い、近づかないのが安全です。
営巣時期と「初期」の見極め|小さい今なら、対処しやすい
アシナガバチや、初期のスズメバチの巣を見つけた方の多くは、「小さい今のうちなら、自分で取れるのでは」と考えます。その判断のために、「初期の巣」がどんなものかを知っておきましょう。
「初期の巣」の目安
女王蜂が1匹で巣作りを始めるのが5〜6月頃という営巣時期は、札幌市(スズメバチの一生)の情報どおりです。一方、下にまとめた巣の大きさの数値は、市の情報ではなく、一般的な目安としてご覧ください。この時期の巣には、こんな特徴があります。
- 大きさ:直径2〜3cm、握りこぶしより小さいくらい。ゴルフボール〜ピンポン玉大が目安(一般的な目安)
- 形:スズメバチの初期は、下向きの入口がある「とっくり型」のことが多い。アシナガバチは、六角形の穴が数個だけの小さなもの
- 蜂の数:出入りしているのが1匹だけ(女王蜂のみ)なら、ごく初期です
逆に、握りこぶし大を超えていたり、複数の蜂が出入りしていたりする巣は、すでに働き蜂がいる段階です。この段階になると、自分での対処は一気に難しくなります。
「初期=安全」ではない
ここで大切なのは、初期でも、油断は禁物だということです。とくにスズメバチは、初期の巣でも女王蜂が刺してきます。女王蜂を1匹失うだけで巣が壊滅するため、必死に守ろうとするからです。
「小さいから大丈夫」ではなく、「小さくても、スズメバチなら業者を検討」が正しい考え方です。とくに、巣を作りはじめる春から初夏の時期は、女王蜂を1匹駆除するだけで、その後の営巣そのものを防げる可能性があります。札幌市も、この時期にスズメバチ用のハチとり器で女王蜂を捕まえる方法を紹介しています。早く気づくことに、大きな意味があるわけです。判断の分かれ目は、次の章でお伝えします。
見つけたらどうする? 自分で/業者/そっとしておく、の判断

正体と危険度が分かったら、最後は行動です。蜂の巣を見つけたときの選択肢は、大きく3つ。「自分で対処」「業者に頼む」「そっとしておく」です。どれを選ぶかは、蜂の種類と巣の状態で決まります。
そっとしておく|ミツバチ・マルハナバチ、危険のない高所の巣
次のケースは、あわてて駆除しなくて大丈夫です。
- ミツバチの分蜂:初夏、庭木などに蜂が大群で固まっていることがあります。これは引っ越し途中の「分蜂」で、札幌市(ミツバチ類、マルハナバチ類)も「分封中のハチはおとなしく、刺される心配はほとんどありません」「1〜数日で移動するので、刺激をしないで、そっとしておきましょう」としています。心配なら専門業者へ
- マルハナバチ:見た目は怖くても、襲ってくることはほとんどありません。手を出さなければ大丈夫です
- 人が通らない高所の巣:札幌市も、「高いところなど、危険のない場所」の巣は、無理に駆除しなくてよいとしています。秋には巣が空になり、翌年は使われません
自分で対処を検討できる|アシナガバチの初期・小さい巣
次の条件をすべて満たすなら、自分での対処を検討する余地があります。
- 蜂がアシナガバチである(スズメバチではない)
- 巣が握りこぶし大より小さい初期の段階
- 巣が、脚立を使わず手の届く低い場所にある(高所ではない)
- アレルギー体質でなく、防護できる装備がある
ただし、自分で駆除するには、正しい手順と道具が欠かせません。やり方を間違えると、かえって刺激して刺される危険があります。具体的な手順・道具・注意点は、蜂の巣を自分で駆除する方法と限界でくわしくまとめています。
業者に頼む|スズメバチ・大きい巣・高所・屋根裏
次のいずれかに当てはまるなら、無理をせず業者に頼むのが安全です。
- スズメバチの巣(ケブカ・コガタ・オオ・クロを問わず)。攻撃性が高く、素人の駆除は危険です
- 握りこぶし大を超えた大きい巣、または複数の蜂が出入りしている巣
- 屋根裏・壁の中・軒下の高所など、手が届きにくい場所の巣
- アレルギー体質の方がいる、または過去に蜂に刺されたことがある
なお札幌市は、「市では駆除を行っておりません」としています。私有地の巣の駆除は、所有者や管理者が対応する必要があります。市の相談窓口はありますが、実際の駆除は自分で業者を手配することになります。
札幌市の対応の全体像や、業者に頼むときの費用相場・失敗しない業者の選び方は、札幌の蜂の巣駆除の費用と業者の選び方でくわしくまとめています。
賃貸・アパートの場合は、まず管理会社へ
「自分の家ではなく、借りているアパートの共用部やベランダに巣ができた」というときは、対応が少し変わります。
- 賃貸住宅:まずは大家さん・管理会社に相談します。共用部(廊下・外壁・屋根裏など)の巣は、貸主側で対応してもらえることが多いためです。自己判断で駆除する前に、一度連絡しておくと安心です
- 持ち家:所有者である自分で対処します。自分でやるか業者に頼むかは、前の判断を参考に
- 公園・街路樹など公共の場所:市や区の担当窓口に連絡します。自分で手を出す必要はありません
放置した巣で通行人やご近所が刺されると、場合によっては管理責任を問われることもあります。「誰の敷地の巣か」で、まず連絡先を確かめるのが、遠回りに見えて確実です。
やってはいけないこと・刺されたら・よくある質問
最後に、蜂を見つけたときにやってはいけないことと、万一刺されたときの対応をまとめます。落ち着いて行動できるよう、頭の隅に入れておいてください。
蜂の巣を見つけたら、やってはいけないこと
- 巣を棒でつついたり、揺らしたりしない:蜂を刺激し、集団で襲われます
- 市販のスプレーで、いきなり退治しようとしない:札幌市(ハチに刺されないために)も「ハチの巣は、一般のスプレー式殺虫剤では退治できません」としています。中途半端に刺激するのが、いちばん危険です
- 黒い服・香水を避ける:札幌市によると、「黒い色はハチを刺激することがあります」。巣の近くでは、白や明るい色の服を。香水も控えましょう
- 手で払ったり、走り出したりしない:市も「あわてて手で払ったり、駆け出したりしないように」としています。蜂が寄ってきたら、姿勢を低くして、静かにその場を離れます
もし刺されたら
札幌市(ハチに刺されたら)が案内する、刺されたときの手当ての流れは次のとおりです。
- まず姿勢を低くして、すぐにその場を離れます(仲間の蜂を呼ぶため、追加で刺される危険があります)
- 刺された部分を血がにじむくらい指でしぼって毒を出し、水で洗い流したあと、氷などで冷やしながら病院(皮膚科または内科)へ
- 腫れはじめたら、抗ヒスタミン軟膏をつけます
なお、傷口を指でしぼる・冷やすといった応急手当は、蜂に刺されたときの一般的な対処としても知られています。ただし口で毒を吸い出すのは、傷口から雑菌が入るおそれがあるため避けてください。
そして、次の症状が出たら、すぐに病院で治療を受けてください。札幌市が「危険」とする、アナフィラキシーのサインです。全身にあらわれるのが特徴で、命にかかわることもあります。ためらわず救急車を呼ぶ判断も大切です。
- 一度に多くの蜂に刺された
- 呼吸困難、顔面蒼白、全身のじんましん、吐き気、激しい悪寒などのショック症状
判断に迷ったら、札幌市が案内する救急安心センターさっぽろ(#7119、または011-272-7119)に電話して相談できます。
Q. 巣がどこにあるか分かりません。蜂だけ見かけます。
蜂が同じ方向へくり返し飛んでいくなら、その先に巣がある可能性が高いです。ただし、巣を探して近づくのは危険です。とくに大きなスズメバチを見かけたら、無理に探さず、業者に相談するのが安全です。
Q. アシナガバチの小さい巣を見つけました。放っておいても大丈夫?
アシナガバチの巣は1年限りで、秋には使われなくなります。人が通らない場所なら、そのまま様子を見る手もあります。ただ、ベランダや玄関など生活動線にある場合は、大きくなる前に対処を検討しましょう。自分でやるか業者に頼むかは、前の章の判断を参考にしてください。
Q. 冬に、空っぽの古い巣を見つけました。
札幌では、秋以降に巣は空になり、翌年また使われることはありません。中に蜂がいないことを遠くから確かめられれば、あわてて撤去する必要はありません。気になる場合や、高所で自分では取れない場合は、業者に相談してください。
Q. スズメバチとアシナガバチ、結局いちばんの見分け方は?
「巣が丸いボール状(中が見えない)ならスズメバチ、六角形の穴がむき出しならアシナガバチ」です。飛んでいる蜂なら、「後ろ足を垂らしてふわふわ飛ぶ」のがアシナガバチ。この2点で、ほぼ見分けられます。
Q. 市役所は駆除してくれますか?
札幌市は「市では駆除を行っておりません」としています。私有地の巣は、所有者・管理者が自分で対応することになります。市の相談窓口はありますが、実際の駆除は業者を手配する形です。くわしくは札幌の蜂の巣駆除の費用と業者の選び方でまとめています。
まとめ|種類が分かれば、正しい距離感が分かる
最後に、大切なことをおさらいします。
- まず巣の形で見分ける。丸いボール状=スズメバチ、六角形むき出し=アシナガバチ、垂れ下がる巣=ミツバチ
- 飛んでいる蜂なら、足を垂らして飛ぶのがアシナガバチ。大きくずんぐりがスズメバチ
- 危険度はスズメバチ>アシナガバチ>ミツバチ。札幌の主役はケブカ・コガタスズメバチで、オオスズメバチは市内では稀
- マルハナバチ(クマバチと誤認されがち)やミツバチは、基本おとなしい。むやみに駆除せず、様子を見る
- スズメバチ・大きい巣・高所は業者/アシナガバチの初期・低所の小さい巣は自分で検討/ミツバチ・マルハナはそっとしておく
蜂は、正体さえ分かれば、必要以上に怖がらなくて済む相手です。大切なのは、種類ごとの「正しい距離感」を知ること。そして、危ない相手には、無理をしないことです。
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