「外壁塗装って、100万円を超えるって聞くけど、うちはいくらなんだろう」「訪問してきた業者に『今すぐ塗らないと家が傷みます』と言われて、契約を迫られている」——。
外壁・屋根の塗装は、10年に一度あるかないかの、大きな出費です。しかも「相場がわからない」まま、訪問業者の言葉に焦って、あわてて契約してしまいがちなテーマでもあります。
先に、この記事の要点を3つお伝えします。
- 札幌の外壁塗装は、30坪ほどの戸建てで80〜110万円が目安です(屋根も同時に塗ると+20〜40万円ほど)。家の大きさ・塗料・傷み具合で変わります
- いちばん気をつけたいのが、不安を煽る訪問販売と、「火災保険で無料になる」「助成金が出る」といった誘い文句です。国民生活センターも、点検商法の増加を注意喚起しています
- 札幌は、塗装できる時期が限られます。冬期は気温が低くて施工に向かず、適期はおおむね春〜晩秋。「冬は安い」という全国向けの情報は、札幌には当てはまりません
必要なところから読めます。
- 費用の相場を知りたい方 → 「費用相場【坪数別】」の章へ
- 見積書の見方が気になる方 → 「費用の内訳」の章へ
- 札幌でいつ塗るかを知りたい方 → 「塗装できる時期」の章へ
- 業者の選び方・悪質商法を避けたい方 → 「業者選び」「悪質商法」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌の暮らしの困りごとの相談窓口です。特定の業者に肩入れせず、お客さまにとって最適な方法を、中立の立場でご案内しています。この記事では、脅すのでも急かすのでもなく、正直な費用相場と、札幌ならではの注意点をお伝えします。相場や工程の説明は複数の費用調査をもとに、塗装できる時期は日本ペイントの資料をもとに、悪質商法の注意点は国民生活センターの公表内容をもとに整理しました。
なお、すでに壁や天井から水がしみている場合は、塗装の前にやるべきことがあります。塗装は劣化を防ぐための「予防メンテ」であって、すでに起きている雨漏りは塗るだけでは止まりません。心当たりのある方は、先に外壁からの雨漏りは塗装だけでは直らないをご覧ください。この記事では、傷む前・軽いうちに塗り替える「メンテとしての塗装」の費用と業者選びに絞ってお伝えします。
札幌の外壁・屋根塗装の費用相場【坪数別・総額】

まずは、費用の全体像からお伝えします。外壁・屋根塗装の費用は、「家の大きさ(塗る面積)」「塗料のグレード」「傷みの程度」で、おおよそ決まります。
いちばんの基準になるのが、家の大きさ(坪数)です。札幌の相場を主に、坪数別の総額の目安を表にまとめました。
坪数別・総額の目安
| 家の広さ(延床) | 外壁のみ | 屋根のみ | 外壁+屋根 同時 |
| 30坪ほど | 80〜110万円 | 43〜65万円 | 100〜140万円 |
| 40坪ほど | 110〜150万円 | — | — |
| 50坪ほど | 130〜180万円 | — | — |
※札幌のローカル相場を主にした目安です。塗料のグレード・傷みの程度・付帯工事の有無で変わります。全国の相場でみると、30坪の外壁塗装は60〜150万円と、さらに幅があります。
つまり、札幌の一般的な戸建て(30坪ほど)なら、外壁塗装で80〜110万円ほどが現実的な目安です。屋根も同時に塗る場合は、そこに+20〜40万円ほどをみておくとよいでしょう。いずれも一つの目安なので、ご自宅の状態によっては上にも下にも動きます。
「外壁+屋根の同時施工」が割安になる理由
表を見て、「別々に頼むより、同時のほうがお得そう」と感じた方は、鋭いです。理由は足場にあります。外壁も屋根も、工事には必ず足場を組みます。この足場代が、後の章で述べるとおり、工事費のおよそ2割を占めます。外壁と屋根を別々の年に頼むと、足場を2回組むことになり、そのぶん余計にお金がかかります。同時に頼めば、足場は1回で済む。だから、屋根も近いうちに塗り替え時期が来そうなら、外壁と一緒にやるほうが、トータルでは安くなりやすいのです。
外壁の面積は、坪数から目安が出せる
「うちの外壁は、何㎡くらいなんだろう」と気になる方へ。おおまかな目安は、延床の坪数から計算できます。式は延床坪数 × 3.3 × 1.2 ≒ 塗装する面積(㎡)。たとえば30坪の家なら、およそ119㎡が外壁塗装のおおよその面積になります。次の章で出てくる「㎡あたりの単価」に、この面積をかけると、費用の見当がつきます。
ただし、これはあくまで概算です。窓やドアの多さ、家の形(凹凸が多いか)でも面積は変わります。相場は「入口の目安」、正確な金額は現地を見た見積りでしか出せない——これが、外壁・屋根塗装の費用の基本です。ネットの金額だけで決めず、必ず現地調査のうえでの見積りで確かめてください。
費用の内訳|見積書のどこを見るか

「相場は80〜110万円のはずなのに、見積りがそれより高い(または、やけに安い)」——。その理由は、見積書の中身にあります。ここを知っておくと、見積りの妥当性を、自分である程度は判断できるようになります。
外壁塗装の見積りは、この項目で成り立っている
外壁・屋根塗装の見積りは、いくつもの工程の積み重ねでできています。主な項目と、単価の目安(業界の一般値)は、次のとおりです。
- 足場:700〜1,100円/㎡(30坪でおよそ15〜25万円)。工事費の約2割を占める、大きな項目です
- 高圧洗浄:100〜300円/㎡。古い塗膜や汚れを洗い流します。塗料の密着に関わる、大事な下ごしらえです
- 養生(ようじょう):100〜500円/㎡。窓や床など、塗らない場所をビニールで覆う作業です
- 下地補修(シーリング):外壁のつなぎ目のゴム状の充填材を、増し打ち(500〜900円/m)または打ち換え(700〜1,200円/m)で直します。30坪で10万円以上かかることもあります
- 塗装(下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り):下塗りは600〜900円/㎡。中塗り・上塗りの費用は、使う塗料のグレードで大きく変わります(次の章でくわしく)
- 付帯部(ふたいぶ)塗装:雨どい・軒天(のきてん)・破風(はふ)・水切りなど、外壁以外の部分の塗装です。数万円から、交換が必要なら10万円以上のことも
- 諸経費:運搬・廃材処理・現場管理などの費用で、工事費の5〜15%ほどが一般的です
「外壁塗装一式」だけの見積書に注意
ここでいちばんお伝えしたいのが、「外壁塗装一式 ◯◯万円」としか書かれていない見積書には、いったん立ち止まってほしいということです。
上のように、外壁塗装は足場・洗浄・下地・塗装・付帯部と、たくさんの工程でできています。それを「一式」でまとめると、どの工程に、いくらかかっているのかが分かりません。下塗りが省かれていても、シーリングが増し打ちだけで済まされていても、外からは見えないのです。
見積りは、「一式」ではなく、項目ごとに単価と数量(㎡数・m数)を書いてもらうのが基本です。項目ごとに書いてあれば、他社と同じ条件で比べられますし、「この工程は本当に必要か」も確かめられます。
シーリングは「増し打ち」か「打ち換え」かで変わる
見積書で見落とされがちなのが、外壁のつなぎ目を埋めるシーリング(コーキング)です。ここには2つのやり方があり、費用が違います。
- 増し打ち:既存のシーリングの上から、新しいものを重ねる方法。安く済みますが、傷みが進んでいると根本的な補修になりません
- 打ち換え:古いシーリングを撤去して、新しく充填し直す方法。手間はかかりますが、しっかり直せます
どちらが適切かは、傷み具合によります。安い見積りが「増し打ちだけ」で組まれていないか、必要なら「打ち換え」になっているかを、確かめておくと安心です。見るべきは総額ではなく、内訳——これが、外壁塗装の見積りの鉄則です。
塗料のグレードで、費用も”もち”も変わる

費用を左右する、もう一つの大きな要素が塗料のグレードです。同じ家でも、選ぶ塗料によって、費用も、塗り替えまでもつ年数も、大きく変わります。ここを理解しておくと、見積りの比較がぐっとやりやすくなります。
塗料は、グレードごとに単価と耐用年数が違う
外壁塗料は、原料によっていくつかのグレードに分かれます。㎡あたりの単価と、耐用年数(塗り替えまでもつおおよその年数)の目安を、表にまとめました。
| 塗料の種類 | ㎡単価の目安 | 耐用年数の目安 |
| アクリル | 1,000〜1,800円/㎡ | 3〜8年 |
| ウレタン | 1,500〜2,500円/㎡ | 5〜10年 |
| シリコン | 1,800〜3,500円/㎡ | 7〜15年 |
| ラジカル | 3,000〜5,000円/㎡ | 12〜16年 |
| フッ素 | 3,500〜4,500円/㎡ | 12〜20年 |
| 無機 | 3,900円/㎡前後 | 15〜25年 |
※塗料の単価・耐用年数の目安です。メーカーや製品、塗る環境によって前後します。
実際の施工データでみても、この傾向は同じです。複数の費用調査や大手ポータルの施工データによると、実際に使われることの多いシリコンで2,600円/㎡ほど、フッ素で3,500円/㎡ほど、無機で3,900円/㎡ほどが、一つの目安とされています。
「安い塗料で何度も塗る」より「長持ちする塗料で回数を減らす」
表を見ると、「単価の安いアクリルでいいのでは」と思うかもしれません。でも、ここで大事なのが耐用年数です。
たとえば、アクリルは単価が安いですが、3〜8年で塗り替えが必要になります。一方、シリコンやフッ素は単価が高めでも、10〜20年もちます。塗り替えのたびに足場代(15〜25万円)もかかることを考えると、安い塗料で何度も塗り替えるより、長持ちする塗料で回数を減らすほうが、結局は安くつくことが少なくありません。
とくに、後の章でお伝えするとおり、札幌は塗装できる時期が限られ、寒暖差や凍結融解で外壁が傷みやすい土地です。塗り替えの回数を減らせるメリットは、寒冷地ではより大きいといえます。
どの塗料が合うかは、家と予算しだい
とはいえ、「いちばん高い塗料を選べば正解」でもありません。あと何年その家に住むか、予算、下地の状態——こうした条件で、最適な塗料は変わります。塗料の選び方(水性か油性か、断熱・遮熱タイプはどうか等)は、それだけで一つのテーマになるほど奥が深いので、外壁塗装の塗料の種類と選び方【北海道の視点】でくわしくまとめています。ここでは、「単価だけでなく耐用年数で考える」「足場代を含めた総コストで比べる」という考え方だけ、覚えておいてください。見積りのときに、業者に「なぜこの塗料をすすめるのか」を説明してもらうと、判断の助けになります。
【札幌の要注意】塗装できる時期は限られる+寒冷地の劣化

ここが、札幌で外壁・屋根塗装を頼むときに、いちばん知っておいてほしいところです。ネットの塗装情報の多くは、本州を前提にしています。それをそのまま札幌に当てはめると、判断を誤ることになりかねません。
塗装には「気温5℃以上・湿度85%未満」という条件がある
まず知っておきたいのが、塗料には、きちんと乾いて性能を発揮するための「気象条件」があるということです。
日本ペイントの資料によると、塗装は「気温5℃以上、湿度85%未満の気象条件の下で塗装可能」とされています。さらに、「冬場の朝方は気温が5度以上になっても被塗装面が冷え切っているため、早朝は塗装に適しません」とも案内されています。夕方は結露が生じやすいため、早めに塗装を終えるのがよく、「春と秋が塗装に向いた季節」だと同社は述べています。
要するに、寒すぎても、湿りすぎても、塗料は本来の性能を発揮できないのです。
だから札幌は、冬期の塗装に向かない
この条件を、札幌の気候に当てはめてみましょう。札幌は、12月から3月ごろにかけて、日中でも気温が5℃を下回る日が多く、真冬の1〜2月は平均気温が氷点下になります。
つまり、札幌の冬は、日本ペイントのいう「気温5℃以上」という塗装の条件を満たしにくく、冬期は塗装の適期ではないのです。地元の塗装業者も、施工できる時期をおおむね3月の中頃から12月の頭ごろとしているところが多く、その年の気象条件で前後します。とくに向いているのは、日本ペイントも挙げる春と秋です。
そして、この「札幌の冬は塗れない」は、体感ではなく数字にもはっきり表れています。気象庁の札幌の平年値(1991〜2020年)によると、月の平均気温が5℃以上になるのは4〜11月で、12〜3月は5℃を下回ります(1月・2月は約マイナス3℃、12月も氷点下)。日本ペイントのいう「気温5℃以上」という条件と重ねると、札幌で塗装に向くのは、やはりおおむね4〜11月だと分かります。

ここで、本州向けの情報とのズレに注意してください。全国向けの記事には、よく「冬は塗装の閑散期だから値引きしてもらえる」と書かれています。ですが、これは札幌にはまったく当てはまりません。札幌の冬は「安い時期」ではなく、そもそも物理的に塗装に向かない時期です。「今なら冬の特価で」と冬場に契約を急かされたら、むしろ立ち止まって考えてよい場面です。焦って冬に契約する必要は、ありません。
寒冷地ならではの、外壁・屋根の傷み
札幌の家は、本州とは違う傷み方をします。塗装を考えるうえで、知っておきたい寒冷地特有の要因があります。
- 凍結融解(とうけつゆうかい):外壁のわずかなひび割れに入った水が、夜に凍って膨らみ、昼にとける。これを冬じゅう繰り返すことで、ひび割れが広がり、塗膜や外壁材が傷んでいきます。寒冷地で外壁が傷みやすい、大きな原因です
- 雪の重みと密着:屋根や外壁に長く雪が積もり、密着することで、塗膜や部材に負担がかかります
- すが漏り:屋根の雪がとけては凍ることで、軒先などに氷の塊(すが)ができ、その下から水が入り込むことがあります。すが漏りについてはすが漏りとは?札幌の家で起きる仕組みと対策でくわしくまとめています
こうした傷みに備えるため、札幌では雪止め金具・スノーダクト(無落雪屋根の排水)・ドレン(排水口)まわりの状態も、塗装のタイミングで一緒に点検しておくと安心です。
塗装だけでは直らない傷みもある
大事な線引きをお伝えします。塗装は、まだ傷みが軽いうちに塗り替えて、外壁・屋根を長もちさせる「予防メンテ」です。すでに雨漏りが起きている場合、塗るだけでは水は止まりません。
ひび割れや隙間から水が入って、すでに室内にしみ出しているなら、塗装の前に、まず水の入り口を突き止めて補修する必要があります。この点は外壁からの雨漏りは塗装だけでは直らないでくわしく解説しています。「もう漏れている」方は、塗装の見積りの前に、こちらを確認してください。
なお、寒冷地では、外壁材そのものを新しく張り替える大工事の代わりに、既存の外壁の上に金属サイディングを重ねて張る「カバー工法(上張り)」が選ばれることもあります。傷みが塗装で対応できる範囲か、それとも張り替え・カバー工法が必要かは、現地を見た業者の診断で変わります。塗替え時期の見きわめ方や、劣化のサインの見分け方は、外壁の塗り替え時期の目安と劣化サインの見極め方でくわしくまとめています。
費用を抑える、正しい方法
「大きな出費だから、できるだけ抑えたい」——当然の気持ちです。ただし、外壁塗装で「安さ」だけを追うと、手抜き工事や、あとからの追加請求で、かえって高くつくことがあります。ここでは、質を落とさずに費用を抑える、正しい方法をお伝えします。
① 2〜3社から相見積りを取る
いちばん効くのが、相見積りです。1社だけの見積りでは、その金額が高いのか妥当なのか、判断できません。同じ工事でも、業者によって数十万円の差が出ることは珍しくありません。手間はかかりますが、2〜3社に同じ条件で見積りを頼めば、相場感がつかめ、言い値も防げます。
このとき、坪数・塗料のグレード・工程を、各社そろえて依頼するのがコツです。条件がバラバラだと、金額だけ見ても比べられません。
② 外壁と屋根を同時に塗る
相場の章でも触れたとおり、外壁と屋根を別々の年に頼むと、足場を2回組むことになり、そのぶん15〜25万円ほど余計にかかります。屋根も近いうちに塗り替え時期が来そうなら、外壁と一緒に頼むほうが、トータルでは安く済みます。「今回は外壁だけ」と決める前に、屋根の状態も一緒に見てもらうとよいでしょう。
③ 中間マージンの少ない、自社施工の業者を選ぶ
塗装の依頼先には、大きく分けて「自社で職人を抱えて施工する業者」と、「受注だけして実際の工事は下請けに回す業者(ハウスメーカー・リフォーム会社など)」があります。後者は、下請けに回すぶんの中間マージンが、費用に上乗せされることがあります。自社施工の専門業者は、この中間マージンがないぶん、費用を抑えやすい傾向があります。
④ 「閑散期の値引き」は、札幌では期待しにくい
全国向けの情報にある「閑散期(冬)を狙えば安い」は、札幌では当てはまりません。前の章のとおり、札幌の冬はそもそも塗装に向かない時期だからです。むしろ、適期である春〜秋に、余裕をもって相見積りを取るほうが、良い業者を落ち着いて選べます。「安いから」と無理に冬に契約するのは、避けたほうが賢明です。
⑤ 助成金・火災保険は「正しく」使う
外壁塗装で使える公的なお金や保険もありますが、ここには誇大な勧誘がつきものです。
- 助成金:外壁塗装そのものに国の補助制度は基本的にありませんが、自治体によっては断熱改修などの制度が使える場合があります。ただし「助成金が必ず出ます」という誘い文句には注意が必要です
- 火災保険:風災など、災害による損傷であれば対象になることもありますが、経年劣化は対象外が原則です。「火災保険で無料で塗れます」という勧誘には、慎重になってください
どちらも、正しく使えば費用の助けになりますが、勧誘の口実にも使われやすいテーマです。助成金の正確な扱いは外壁塗装の助成金は札幌にある?で、火災保険が使えるケースの線引きは火災保険で外壁・屋根塗装は「無料」になる?で、それぞれくわしくまとめています。ここでは、「必ず出る」「無料になる」という言葉には裏がある、とだけ覚えておいてください。
後悔しない、札幌の塗装業者の選び方

費用の相場と、見積りの見方が分かったら、次は「どこに頼むか」です。外壁塗装は、仕上がりの良し悪しが数年後に出る工事です。だからこそ、業者選びが肝心です。後悔しないために、次の点を確認してください。
① 必ず現地調査をしてから見積りを出すか
まず大前提です。まともな業者は、必ず家を実際に見て(現地調査をして)から、見積りを出します。外壁の面積、傷みの程度、シーリングの状態、付帯部の劣化——これらは、見なければ分かりません。
「電話だけ」「写真だけ」で正確な金額を即答する業者や、現地を見ずに「今日契約なら◯◯万円」と迫る業者は、慎重になったほうがよいでしょう。
② 見積りが項目ごとで、「一式」でないか
内訳の章でお伝えしたとおり、「外壁塗装一式 ◯◯万円」ではなく、足場・洗浄・下地・塗装(塗料名も)・付帯部・諸経費が、項目ごとに書かれているかを確認します。項目ごとに出してくれる業者は、それだけで信頼の目安になります。
③ 自社施工か、下請けに回すか
費用を抑える章でも触れましたが、自社で職人を抱えているか、下請けに回すかで、費用にも、責任の所在にも差が出ます。「工事は、どこの職人さんがやりますか」と、率直に聞いてみてください。
④ 保証の年数と、内容がはっきりしているか
塗装には、施工後の保証が付くのがふつうです。ただし、大事なのは年数だけでなく「内容」です。「何年保証か」だけでなく、「どんな不具合が対象か」「定期点検はあるか」まで、書面で確かめてください。逆に、塗料の耐用年数を大きく超えるような、極端に長い保証をうたう業者には、その根拠を確かめる慎重さがあってよいでしょう。
⑤ 建設業許可・塗装技能士などの資格があるか
一定規模以上の工事を請け負う業者は、建設業許可(北海道知事許可など)を持っています。また、「塗装技能士」という国家資格を持つ職人がいるかどうかも、その業者が一定の知識と基準で営業している目安になります。会社の情報として、確認しておくとよいでしょう。
⑥ 契約を急かさないか
最後に、これが意外と大事です。「今日中なら安い」「今契約しないと、この価格は出せない」と急かす業者は、避けたほうが無難です。まともな業者は、相見積りを取ることも、じっくり考えることも、いやがりません。焦らせてくること自体が、一つの危険信号です。
なお、すでに雨漏りしている家では、塗装の前に原因の補修が必要です。塗装業者が、雨漏りの原因まで見て「まず補修が要る」と正直に言ってくれるかも、信頼できる業者かどうかの目安になります。この点は外壁からの雨漏りは塗装だけでは直らないもあわせてご覧ください。
⑦ 国が登録した「住宅リフォーム事業者団体」に所属しているか
ここまでの①〜⑥に加えて、もう一つ知っておくと心強い目印があります。国土交通省によると、一定の基準を満たしたリフォーム事業者の団体を国が登録する「住宅リフォーム事業者団体登録制度」があります(平成26年施行)。この登録団体の会員業者は、内訳を示した見積書の書面交付や、一定額以上の工事での瑕疵(かし)保険加入など、消費者保護のルールを守ることになっています。②の「一式でない見積り」や④の「保証」を、制度として後押ししてくれる仕組みです。
外壁・屋根塗装の分野でも、日本塗装工業会や木造住宅塗装リフォーム協会などが登録団体に入っています。名刺や社用車に「住宅リフォーム事業者団体 国土交通大臣登録」のマークがあるかどうかが見分け方です。なかでも日本住宅リフォーム産業協会(JERCO)などでは、頼んでいない訪問勧誘(不招請勧誘)を主な営業手法にしないことが入会条件になっており、次の章でふれる訪問販売のトラブルを避けるうえでも一つの目安になります。地域や工事の種類から会員業者を探せる公式の検索ページもあります。
注意したい「塗装の悪質商法」の入口
ここからは、外壁塗装でとくにトラブルの多い「悪質商法」について、正直にお伝えします。これは口コミにとどまる話ではなく、国の機関も注意喚起を出しています。外壁塗装は金額が大きいぶん、狙われやすいテーマなのです。
① 訪問販売・点検商法
いちばん多いのが、突然訪ねてくる業者による勧誘です。典型的な流れは、こうです。頼んでいないのに訪ねてきて「近くで工事をしているので、無料で点検します」と言い、点検後に「このままでは家が傷みます」「今すぐ塗らないと大変なことになります」と不安を煽り、その場で契約を迫る——というものです。
国民生活センターも、こうした訪問販売・点検商法について注意喚起しており、相談件数は増加傾向にあります。見抜くための目安は、シンプルです。頼んでいない訪問点検には応じない。その場で契約しない。「今だけ」「今日中なら」と急かされても、即決しない。この3つを守るだけで、多くのトラブルは防げます。訪問販売の具体的な手口と、断り方については、外壁・屋根塗装の訪問販売|悪質業者の手口・見抜き方・断り方でくわしくまとめています。
② 「火災保険で無料になる」商法
「火災保険を使えば、自己負担なく塗装できます」——これも、要注意の勧誘です。
前の章で触れたとおり、風災など災害による損傷なら対象になることもありますが、経年劣化は火災保険の対象外が原則です。「保険が使えるように、書類の書き方を教えます」といった誘いに乗ると、保険金の不正請求に加担させられるおそれもあります。火災保険が使えるケースと、その線引きについては、火災保険で外壁・屋根塗装は「無料」になる?でくわしく解説しています。「無料で塗れる」という言葉には、まず疑ってかかってください。
③ 「助成金が必ず出る」商法
「助成金が出るので、実質タダ同然です」という勧誘にも、注意が必要です。外壁塗装そのものに国の補助制度は基本的になく、自治体の制度も、条件や予算枠が決まっています。「必ず出る」と断言する業者は、慎重に見たほうがよいでしょう。助成金の正確な扱いについても、外壁塗装の助成金は札幌にある?でまとめています。
契約してしまっても、クーリングオフできる場合がある
「もう契約してしまった」という方も、あきらめないでください。訪問してきた業者と契約した場合は、訪問販売にあたり、契約書面を受け取った日を1日目として8日以内であれば、クーリングオフ(無条件での契約解除)ができます。
判断に迷うときは、ひとりで悩まず、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話してください。局番なしで「188」とかけるだけで、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。相談は無料です。見積書・契約書・広告などは、大事な証拠になるので残しておきましょう。
札幌に拠点を持つ地域塗装業者【中立比較表】
選び方と悪質商法の見分けを踏まえて、札幌に拠点を置く自社施工の地域塗装業者を、公式サイトの公開情報のまま一覧にします。おすすめ順・ランキングではありません(2026年7月時点・各社公式サイト調べ)。一括見積もりサイト・全国FC・札幌市外の業者は載せていません。料金は各社で幅があるため、この記事の上の「費用相場」を目安に、実際は相見積りで確かめてください。ここでは塗装ならではの信頼軸——建設業許可の番号・自社施工・塗料メーカー認定・保証——を列にしました。
| 屋号(区) | 建設業許可(塗装工事業) | 自社施工の明示 | 塗料メーカー認定・保証 | 電話 |
|---|---|---|---|---|
| 札幌塗装工業(中央区) | 般-28 石第00905号 | 自社職人・1級技能士(自社施工の明言なし) | 全国マスチック長期性能保証(第三者) | 011-611-2563 |
| ペイントホーム(東区) | 般-23 石第21061号 | ○ すべて自社の職人で施工 | 記載なし(アフター対応のみ) | 011-748-8523 |
| 雅塗装(白石区) | 般-2 石第23815号 | ○ 自社施工 | 菊水化学工業SA工法 認証施工店 | 011-313-0441 |
| 幸和塗装(白石区) | 石狩第15933号 | ○ 直接責任施工 | エスケー化研・スズカファイン登録/関西ペイント系 | 011-206-6208 |
| 石川塗装店(中央区) | 般-8 石第8079号 | 記載なし | 記載なし | 011-561-5325 |
| 松原塗装店(豊平区) | 要確認 | ○ 元請直営(下請けに頼らない) | 関西ペイント リフォームサミット/5年保証 | 011-852-2665 |
| 札幌塗り替えセンター(白石区) | 取得(番号は要確認) | 記載なし | 5年+メーカー10年+JIOかし保険 | 0120-128-326 |
| リノベーション(東区・総合リフォーム系) | 保有(塗装の番号は非掲示) | 記載なし | リフォーム瑕疵保険 適応事業者 | 0120-47-1177 |
| 三共塗装(東区) | 要確認 | ○ 一括対応の施工体制 | 記載なし | 011-782-6601 |
| 川本建装(清田区) | 要確認 | ○ 自社の職人が施工(示唆) | 記載なし | 011-883-7487 |
表の見方を、4点補足します。
- 建設業許可の「番号」を公式に出しているか=500万円以上の塗装工事には建設業許可が必要です。今回、塗装工事業の許可番号(北海道知事許可 般-○・石第/石狩第○号)まで公開していたのは10社中5社。番号は北海道の建設業許可データベースで照合できます(「要確認」は各社公式や見積書で番号を確認してください。番号がない=無許可とは限りません)
- 「自社施工」を公式に明言しているか=手抜き工事は多重下請けで起きやすいため、「自社の職人が施工」と言い切っているかは一つの目安になります
- 塗料メーカー認定と保証=エスケー化研・関西ペイント・菊水化学工業などの認定/登録店は、正規ルートの塗料+メーカー保証の裏づけになります。保証は自社の5年保証と、第三者保証(マスチック長期性能保証・リフォーム瑕疵保険/JIO)は別物——第三者保証は業者が倒産しても効くのが強みです
- これら(許可番号・自社施工・認定・第三者保証)を公式に開示している業者と、「今日契約すれば安い」「火災保険を使えば無料」と飛び込みで迫る業者は正反対です。前章の塗装の悪質商法・訪問販売の手口とあわせて見分けてください
札幌で外壁・屋根塗装を相談するなら
ここまで、費用相場・見積りの見方・塗料・札幌の塗装時期・業者選び・悪質商法への備えをお伝えしてきました。それでも、いざ自分の家となると、「この見積りは妥当なのか」「この業者に頼んで大丈夫か」「訪問業者に迫られているけど、どうすれば」と、判断に迷うものです。
そんなときは、契約する前に、開拓札幌にご相談ください。
中立の立場で、最適な進め方をご案内します
開拓札幌は、特定の業者に肩入れせず、お客さまにとって最適な方法を、中立の立場でご案内する、札幌の相談窓口です。ご案内するのは、見積りを項目ごとに出し、現地をきちんと見てから金額を出し、追加請求をせず、保証がはっきりしている業者だけです。その場で契約を迫るような業者は、ご案内しません。
一括見積もりサイトのように、申し込んだ直後から何社もの営業電話が鳴ることはありません。ご案内するのは、ご希望の条件に合う1〜2社だけ。「電話したら対象エリア外だった」「もう予約でいっぱいだった」という探し直しも、こちらで引き受けます。「この見積りは高くないか」「訪問業者に迫られている」「そもそも今、塗るべきなのか」という段階のご相談だけでも、もちろん構いません。写真1枚からで大丈夫です。
ここまでお伝えした相場のものさしと、業者選びの目安は、印刷して手元に置けるかたちにまとめてあります。開拓札幌の公式LINEでは、「札幌の外壁・屋根塗装 損しないチェックシート」を無料でお渡ししています。

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札幌の外壁・屋根塗装について、よくあるご質問
Q. 札幌の外壁塗装は、いくらかかりますか?
一般的な戸建て(30坪ほど)で、外壁塗装なら80〜110万円が目安です。屋根も同時に塗る場合は、そこに+20〜40万円ほどをみておくとよいでしょう。屋根塗装だけなら、30坪で43〜65万円ほどが目安です。金額は、家の大きさ・塗料のグレード・傷みの程度で変わります。ただし正確な金額は、家を実際に見た「見積り」でしか分かりません。
Q. 冬でも塗装できますか?
札幌の冬は、塗装に向きません。日本ペイントの資料によると、塗装は「気温5℃以上、湿度85%未満」の条件で行うもので、冬場の早朝は被塗装面が冷え切っているため適さない、とされています。札幌は12〜3月ごろ、日中でも5℃を下回る日が多いため、冬期は塗装の適期ではありません。適期はおおむね春〜晩秋(地元業者は概ね3月中頃〜12月頭)です。「冬なら安い」という全国向けの情報は、札幌には当てはまりません。
Q. 何年ごとに塗り替えればいいですか?
使う塗料の耐用年数によります。目安として、シリコンで7〜15年、フッ素で12〜20年ほどです。ただし、札幌は凍結融解などで外壁が傷みやすいため、この目安より早く塗り替えが必要になることもあります。ひび割れ・色あせ・チョーキング(外壁を触ると白い粉がつく)などの劣化サインが出たら、点検の目安です。塗替え時期の見きわめ方は、外壁の塗り替え時期の目安でくわしくまとめています。
Q. 「火災保険で無料になる」というのは本当ですか?
慎重に見たほうがよい勧誘です。風災など、災害による損傷なら対象になることもありますが、経年劣化は火災保険の対象外が原則です。「無料で塗れる」「保険の書類の書き方を教える」といった誘いには、不正請求のリスクもあります。火災保険が使えるケースの線引きは、火災保険で塗装は「無料」になる?でくわしく解説しています。
Q. 助成金は出ますか?
外壁塗装そのものに、国の補助制度は基本的にありません。自治体によっては断熱改修などの制度が使える場合もありますが、条件や予算枠があります。「助成金が必ず出る」と断言する業者には、注意してください。助成金の正確な扱いは、札幌の塗装 助成金の実際でまとめています。
Q. 訪問業者と契約してしまいました。解約できますか?
できる場合があります。訪問してきた業者と契約した場合は訪問販売にあたり、契約書面を受け取った日を1日目として8日以内なら、クーリングオフ(無条件での契約解除)ができます。まずは消費者ホットライン「188」に相談してください。見積書・契約書などは証拠になるので、残しておきましょう。
まとめ|札幌の外壁・屋根塗装は、相場と時期を知って冷静に選ぶ
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 札幌の外壁塗装は、30坪ほどで80〜110万円が目安(屋根同時で+20〜40万円)。屋根塗装のみは43〜65万円ほど。家の大きさ・塗料・傷み具合で変わり、正確な金額は現地を見た見積りで確定する
- 見積りは「一式」ではなく項目ごとに。足場(工事費の約2割)・下地補修・塗料の種類を必ず確認。「外壁塗装一式」だけの見積書は、内訳を聞く
- 塗料は単価だけでなく耐用年数で考える。安い塗料で何度も塗るより、長持ちする塗料で塗り替え回数(=足場代)を減らすほうが、結局は安いことが多い
- いちばんの札幌固有の注意点は塗装できる時期。冬期は適期でなく、適期は春〜晩秋。「冬は安い」は札幌に当てはまらない。凍結融解・雪・すが漏りなど寒冷地の傷みにも注意
- 業者選びは相見積り2〜3社・現地調査・項目ごとの見積り・保証の内容・急かさないことが目安。「今すぐ」「火災保険で無料」「助成金が必ず出る」は危険信号。契約しても8日以内ならクーリングオフでき、困ったら「188」へ
外壁・屋根塗装は、金額も大きく、専門的で、ひとりで判断するのは大変です。でも、相場という「ものさし」を一本持ち、札幌ならではの時期と、悪質商法の手口を知っておけば、焦らず、冷静に選べます。急いで決める必要は、ありません。