「古くなった神棚を、どうすればいいのか」「家を片付けていたら、実家に神棚が残っていた」「引っ越し先に、神棚を置く場所がない」——。神さまをお祀りしてきた神棚だからこそ、粗末にはできず、この記事にたどり着かれたのだと思います。
まず、お伝えします。神棚は、正しい順番で進めれば、失礼なく手放せます。正しく手放せば、バチが当たることもありません。急ぐ必要も、ありません。
先に、この記事の結論をお伝えします。
- 神棚じまいは、まずお札(御札)を神社に返し、そのあと神棚本体を処分する、という順番が基本です
- 御霊抜き(みたまぬき)は、原則として任意です(魂が宿るのは、お札やご神体で、神棚本体ではないと考えられています。※設置時に「魂入れ」をした神棚は、御霊抜きをすると丁寧です。くわしくは本文で)
- 費用は、お札のお焚き上げ(数百円〜。多くは賽銭やお気持ちで)+本体の処分(自治体なら数百〜2千円ほど)が目安です
また、この記事では以下を参照していただければ、必要なところから読めます。
- お札はどうする? → 「お札の返納」の章へ
- 御霊抜きは必要? → 「御霊抜き」の章へ
- 本体はどう処分・いくら? → 「処分方法と費用」の章へ
- お供え物・榊は? → 「お供え物・神具」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌の家の困りごとの相談窓口として、家じまいで残った神棚のご相談も承っています。この記事では、神さまに失礼のない、後悔しない手放し方を、正直にお伝えします。
神棚を処分するのは、どんなとき?
神棚を手放すのは、たいてい次のようなときです。ご自分の状況に、当てはまるものがあるか見てみてください。
古くなった・傷んできた
神棚が汚れたり、傷んだりしたときは、新しくするタイミングです。神さまには、清らかな場所にいていただくのが基本とされます。
引っ越し・リフォーム・住まいの変化
マンションや、和室のない住まいに移るとき。神棚を置く場所がなくなり、見直す方が多いです。
家じまい・実家じまい・相続
誰も住まなくなった実家に、神棚が残ることは、よくあります。継ぐ人がいなければ、家じまいや遺品整理とあわせて、手放すことになります。
式年遷宮・心機一転
伊勢神宮の式年遷宮(20年ごと)に合わせて、神棚を新調する家もあります。また、厄年や人生の節目に、心機一転で新しくする方もいます。
神棚じまいの全体像|「お札を返す」→「本体を処分」の順
神棚じまいは、次の順番で進めます。ひとつずつ見ていけば、迷いません。
- お神札(御札)を取り出す(宮形の中に納めたお神札が、神さまの宿る「ご神体」にあたります)
- お札を、神社に返納する(→「お札の返納」の章)
- (魂入れをした神棚なら)御霊抜き(みたまぬき)を、お札を返すときに神社でお願いする(原則は任意。→「御霊抜き」の章)
- 神棚本体を処分する(→「処分方法と費用」の章)
- お供え物・神具を片付ける(→「お供え物・神具」の章)
大切なのは、「お札を先に、本体はあと」という順番です。神さまが宿るお札を、ていねいに神社へお返ししてから、入れ物である本体を手放します。
【最優先】お札・お守りの返納|「違う神社でもいい?」の答え
神棚じまいで、いちばん大切なのが、このお札の返納です。神さまが宿るお札を、きちんとお返しします。
お札は、神社の「古札納所」へ
お札は、神社にある「古札納所」や「納札所」に納めます。神社の方が、お焚き上げをして、清めてくれます。古くなったお守りも、同じように返せます。神社本庁も、古いお神札は「感謝の気持ちを込めて、神社へお納めください」としています(→参考:神社本庁)。
「違う神社でもいい?」——基本は授かった神社、でも…
本来は、お札を授かった神社に返すのが基本です。ただ、遠方などで難しいときは、近くの別の神社でも、受け付けてもらえることがあります(対応は神社によって違うので、事前にひと言、確認すると安心です)。
ひとつだけ、注意があります。神社のお札は神社へ、お寺のお札(お守り)はお寺へ。神道とお寺では、お焚き上げの作法が違うため、分けてお返しします。厄除けのお札も同じで、神社で受けたものは神社、お寺(護摩札など)で受けたものはお寺へ。なお、伊勢神宮のお札(神宮大麻)も、お住まいの地域の氏神さま(近くの神社)にお納めするのが正式です。
返納の時期は?
いつでも構いませんが、年末年始や、「どんど焼き」(1月15日ごろの左義長。北海道では「古神札焼納祭」とも)の時期は、お焚き上げをまとめて行うので、返しやすいです(→参考:北海道神社庁)。
遠くて行けないときは、郵送も
遠方や、行くのが難しいときは、郵送で受け付けてくれる神社もあります。お焚き上げ料を添えて送る形が多いです(現金を送るときは、現金書留で)。事前に、神社へ確認しましょう。
御霊抜き(みたまぬき)は必要?|「必ず神社で」は誤解
「御霊抜きをしないと、バチが当たるのでは」。そう不安に思う方へ、神道の考え方を、正直に整理します。
原則は、任意です
神棚じまいで、御霊抜き(みたまぬき)は原則として、必須ではありません。神さまが宿るのは、お札やご神体であって、神棚本体(宮形)は、あくまで「入れ物」と考えられているからです。お札を神社にきちんと返せば、本体は家具として手放せます。
「神棚は、必ず神社でお焚き上げしなければならない」というのは、じつは誤解です。
御霊抜きをしたほうがよいケース
ただし、神棚を設置したときに、神職に「魂入れ(御霊入れ)」をしてもらった場合は、対として御霊抜きをするのが丁寧です。心当たりがあるときや、気持ちの区切りをつけたいときは、行うとよいでしょう。
誰に頼む・いくら?
御霊抜きは、神社に依頼します。初穂料(お礼)は5,000円前後〜、自宅まで来てもらう出張祈祷は2〜3万円ほど(別途、車代がかかることも)が目安です。お札を返すときに、あわせてお願いすると、スムーズです。
【要注意】「ご神体」を、忘れずに
神棚じまいで、いちばんの見落としが、宮形の中に納めたお神札(ご神体)です。扉を閉めたまま、忘れてしまうことがあります。本体を処分する前に、必ず中を開けて、お神札を取り出してください。処分してしまってからでは、取り返しがつきません。
神棚本体の処分方法と、費用の目安
お札を返し終えたら、神棚本体(宮形)を手放します。本体は「入れ物」なので、次の方法から選べます。
① 神社でお焚き上げしてもらう
お札とあわせて、神棚本体もお焚き上げしてくれる神社があります(受け付けているかは、要確認)。玉串料・お焚き上げ料は5千〜1万円、大きな神棚は3万円ほどのことも。
② 神具店・販売店に引き取ってもらう
神棚を買い替えるなら、販売店が古い神棚を引き取ってくれることがあります。処分だけの依頼も可能です。
③ 遺品整理・不用品回収業者に頼む
家じまいや遺品整理で、神棚も一緒に手放したいときは、業者にまとめて相談できます。お焚き上げまで対応する業者もあります。
神棚や遺品を、まとめてお焚き上げする方法は、札幌でお焚き上げをする方法と料金相場でくわしく解説しています。
④ 自治体の粗大ごみに出す
お札を返し、(必要なら)御霊抜きを済ませたあとなら、神棚本体は自治体の粗大ごみとして出せます。費用は数百〜2千円ほどと、最も安く済みます。木材と金属など、分別のルールは自治体でご確認を。
なお、神棚が大きくて、粗大ごみの規定サイズに入らないときは、解体して小さくしても構いません。お札を返し、御霊抜きを済ませたあとの本体は「入れ物(木材)」ですので、宗教的な問題はありません。作業の前に、お塩でお清めをすると、より丁寧です。(札幌市では、指定の大きさを超えるものは「大型ごみ」の扱いになります。分からないときは、大型ごみ収集センター 011-281-8153 へ。)
⑤ 郵送のお焚き上げ
近くに神社がない・持ち運べないときは、郵送(宅配)のお焚き上げサービスもあります。神棚が入るサイズは5千〜1万5千円ほどが目安です(お札だけなら千円台から)。送料込みのプランもあります。
| 方法 | 費用の目安 |
| 神社でお焚き上げ | 5千〜1万円(大型は〜3万円) |
| 神具店・販売店の引き取り | 数千円〜(買い替えなら無料のことも) |
| 遺品整理・不用品回収業者 | 遺品整理費用に含む/別途見積り |
| 自治体の粗大ごみ | 数百〜2千円ほど(最も安い) |
| 郵送のお焚き上げ | 5千〜1万5千円ほど(お札のみなら千円台〜) |
お供え物・榊・神具(神鏡・しめ縄)の片付け方
神棚まわりには、お札のほかに、お供え物や神具(しんぐ)があります。これらは「神さまそのもの」ではないので、感謝を込めて、次のように片付けます。
お供え物(米・塩・水・お神酒)は「いただく」のが基本
神棚にお供えしたお米・お塩・お水・お神酒(おみき)は、神さまからの「おさがり」として、いただく(食べる・飲む)のが基本です。それが、いちばんのご供養になります。傷んでいて口にできないときは、お塩でお清めをして、白い紙に包んでから、感謝を込めて処分します。ご自宅の庭など私有地であれば、土に還す方もいます(公園や河川敷などに埋めるのは避けてください)。
榊(さかき)は、燃えるごみ/土に還す
榊は、神さまへの供え物である植物です。手放すときは、自治体の燃えるごみで構いません。気になる方は、お塩でお清めをしてから。お庭に埋めて、土に還す方法もあります。
神鏡・榊立て・水玉などの神具は、一般ごみでOK
神鏡(しんきょう)・榊立て・水玉(みずたま)・平瓮(ひらか)・瓶子(へいじ)・三方(さんぼう)といった神具は、神さまの依代(よりしろ)ではないため、一般ごみとして処分できます。金属・陶器・ガラスなど、素材ごとに分別してください。気持ちの区切りとして、お塩でお清めをし、白い紙に包んでから出すと、ていねいです。神社によっては、神具もお焚き上げしてくれます。
なお、神鏡は「ご神体では?」と気になりやすい神具ですが、家庭の神棚では、ご神体にあたるのはお神札のほうです。気になる方は、お札を返すときに、神社へ一緒に相談すると安心です。
しめ縄・紙垂(しで)は、どんど焼き/燃えるごみ
しめ縄や紙垂(しで)は、年始のどんど焼き(左義長)でお焚き上げしてもらうか、燃えるごみで手放します。神棚じまいのときは、お札とあわせて神社へ持って行っても構いません。
神棚を下ろすときの手順とマナー|やってはいけないこと
神棚じまいで大切なのは、高い費用でも、難しい作法でもありません。これまで見守っていただいたことへの「感謝」です。最後に、失礼のない下ろし方と、避けたいことを整理します。
手順①:最後に、感謝のご挨拶を
神棚を下ろす前に、まず手を洗い、口をすすいで身を清めます。そのうえで、「二拝二拍手一拝(にはい・にはくしゅ・いっぱい)」で、これまでの感謝をお伝えしましょう。2回おじぎをして、2回拍手、最後にもう1回おじぎ、という作法です。難しく考えず、「ありがとうございました」という気持ちが、いちばん大切です。
手順②:お神札を取り出し、白い紙で包む
宮形の扉を開け、中のお神札(ご神体としてお祀りしていたお札)を、忘れずに取り出します。取り出したお札や神具は、白い紙や布で包むと、ていねいです。あとは、前でご説明した「お札を神社へ返す → (必要なら御霊抜き)→ 本体を処分」の流れで進めれば大丈夫です。
【NG】神棚じまいで、やってはいけないこと
反対に、避けたいのは次のようなことです。
- お神札を取り出さずに、本体ごと処分する(ご神体の入れ忘れ。最も多い失敗です)
- お札を、そのまま家庭ごみに出す(お札は神社へ返すのが基本です)
- 神社のお札とお寺のお守りを、混ぜて返す(神社は神社、お寺はお寺へ)
- 感謝の気持ちなく、乱雑に扱う(踏む・またぐなどは避けます)
日取りは、気にしすぎなくて大丈夫
「大安・仏滅などの日取りを気にすべき?」とよく聞かれますが、六曜(ろくよう)は、もともと神道とは関係がありません。神棚じまいに、縁起の悪い日というものは、基本的にありません。ご家族の都合のよい日で構いません。気持ちよく手放せる日を選びましょう。
【札幌】神棚じまい・遺品整理とあわせてご相談を
札幌で、実家じまいや遺品整理にともなって、神棚を手放す方へ。私たち開拓札幌が、お手伝いできることをお伝えします。
神棚だけでなく、まとめてご相談を
「お札を返す神社に、心当たりがない」「仏壇や遺品も、いっしょに片付けたい」「遠方で、実家に何度も通えない」——。そんなときは、遺品整理とまとめて、ご相談ください。お札を返す神社さがしから、御霊抜きの手配、本体やお供え物の片付けまで、窓口ひとつで、段取りをご案内します。御霊抜きそのものは神社の神職が行うものですので、私たちは、その手配のお手伝いをします。
神棚といっしょに、仏壇や位牌も手放したい方は、仏壇の処分・仏壇じまいの進め方もあわせてどうぞ。
まだ元気なうちに、少しずつ整理しておきたい方には、生前整理という選択肢もあります。詳しくは生前整理とは?何から始める・やることリストと費用もどうぞ
「札幌の街のために」——私たちの想い
開拓札幌は、札幌出身の代表が、地元のご遺族のために立ち上げた相談窓口です。追加請求のない明朗な業者だけをご案内することを大切にし、神棚のような、心のこもったものこそ、ていねいに扱える業者を選びます。私たちの考えは、私たちの想いのページに綴っています。
まずは、公式LINEでご相談を
「神社が分からない」「何から手をつければいいか、分からない」。その状態からで大丈夫です。今のご状況を、そのままお送りください。
無理な営業は、いたしません。なお遺品整理の札幌の相場目安は、札幌の遺品整理の費用相場にまとめてあります。
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神棚の処分について、よくあるご質問
Q. 神棚を、そのまま粗大ごみに出してもいいですか?
まず、宮形の中のお神札(御札)を取り出し、神社にお返しください。そのうえで(設置時に魂入れをした神棚なら、御霊抜きも済ませたうえで)、本体は自治体の粗大ごみに出して構いません。神棚本体は「入れ物」で、神さまが宿るのはお札のほう、と考えられているためです。お札を入れたまま処分するのだけは、避けてください。
Q. 御霊抜きをしていません。バチが当たりますか?
当たりません。御霊抜き(みたまぬき)は、原則として任意です。お札をきちんと神社へお返しし、これまでの感謝を込めれば、失礼にはなりません。ただし、設置のときに神職に「魂入れ」をしてもらった神棚は、対として御霊抜きをすると、より丁寧です。
Q. お札を授かった神社が分かりません。近くの神社でもいいですか?
本来は授かった神社が基本ですが、分からない・遠いときは、近くの神社でも受け付けてもらえることが多いです(対応は神社によるので、事前にひと言確認を)。伊勢神宮のお札(神宮大麻)は、お住まいの地域の氏神さまにお納めするのが正式です。神社のお札は神社へ、お寺のお守りはお寺へ、と分けてお返しください。
Q. 費用は、全部でどのくらいかかりますか?
お札の返納は、お賽銭や「お気持ち」で受けてもらえる神社がほとんどです。本体を自治体の粗大ごみに出すなら、数百〜2千円ほど。神社に御霊抜きを頼む場合は、初穂料が5,000円前後〜が目安です(神社に持ち込む場合。神職に自宅へ来てもらう「出張祈祷」だと、2〜3万円+お車代になることもあります)。家じまいで、他の遺品もまとめて手放すなら、遺品整理業者にご相談ください。
Q. マンションで神棚を置けません。処分するしかないですか?
処分だけが答えではありません。お札立て(簡易な神棚)で、省スペースにお祀りを続ける方法があります。「大きな神棚は手放すけれど、いただいたお札は、まだお祀りしたい」というときにも、お札立てが便利です。上の階に人がいるマンションなら、お札立ての上の天井に「雲」の字を貼ると、より丁寧です(「神さまの上には、雲=空しかない」という意味です)。手放すか、続けるか、ご家族の気持ちで決めて大丈夫です。
Q. 神棚と仏壇、両方あります。順番はありますか?
どちらを先にしても構いません。それぞれ、神棚は神社の作法(お札を神社へ)、仏壇はお寺の作法(魂抜き・お焚き上げ)で進めます。仏壇の手放し方は、仏壇の処分・仏壇じまいの進め方でくわしく解説しています。
まとめ|神棚は、正しい順番で、感謝を込めて
神棚じまいは、むずかしくありません。順番さえ守れば、失礼なく、後悔なく手放せます。最後に、大切なところを、もういちど整理します。
- まず、お神札(御札)を神社に返す。神さまが宿るのは、本体ではなく、お札のほうです
- 御霊抜き(みたまぬき)は、原則として任意。魂入れをした神棚なら、対として行うと丁寧です
- 本体は「入れ物」。お札を返したあとなら、自治体の粗大ごみ(数百〜2千円ほど)でも手放せます
- お供え物はいただき、神具は清めて一般ごみへ。しめ縄はどんど焼きや燃えるごみで
- 日取りは気にしすぎなくて大丈夫。六曜は、もともと神道とは関係がありません
いちばん大切なのは、費用でも、完璧な作法でもありません。これまで見守ってくださったことへの「感謝」です。その気持ちさえあれば、バチが当たることも、後悔することも、ありません。

