「換気扇のベタベタが、こすっても落ちない」「ファンを外してみたいけど、戻せなくなりそうで怖い」。
その気持ち、よく分かります。
でも、まず知ってほしいことがあります。換気扇の油汚れは、力でこすり落とすものではありません。
正体は「酸性の油」。これは、正しい洗剤でやわらかくしてから落とすのが、いちばんラクで確実です。
この記事の要点は、3つです。
- まず自分の換気扇のタイプ(プロペラ式かシロッコファン式か)を見分ける。ここで手順が決まります
- 油はアルカリで中和。ただしアルミや塗装の部品は中性洗剤。ここを間違えると変色します
- 「温度」と「つけ置き」でふやかす。こすらず落とすのがコツ。無理なときは、頼っていい
以下から、必要なところだけ読めます。
- 自分の換気扇のタイプを知りたい方 → 「タイプを知ろう」の章へ
- どの洗剤を使えばいい? とお悩みの方 → 「洗剤の使い分け」の章へ
- ファンの外し方・戻し方が不安な方 → 「シロッコファン式の手順」の章へ
- 自分では難しそうな方 → 「頼っていい」の章へ
私たち「くらしの味方 開拓札幌」は、札幌の暮らしの困りごとの相談窓口です。
ですがこの記事は、売り込みではなく、あなたが自分で換気扇をきれいにするための実践ガイドです。洗剤の選び方は、家電メーカーや洗剤メーカーの公式情報で裏を取りました。いっしょに、順番どおり進めましょう。
まず、自分の換気扇のタイプを知ろう
掃除を始める前に、ひとつだけ確かめてほしいことがあります。自分の家の換気扇が「どのタイプか」です。タイプによって、ファンの外し方も、掃除のしやすさも変わります。ここが分かれば、あとの手順で迷いません。
換気扇のファンは、大きく2タイプ

台所の換気扇は、中で回っている羽根(ファン)の形で、大きく2つに分かれます。まずは、ここを見分けましょう。
- シロッコファン式:筒の内側に、細かい羽根がびっしり並んだ形。今の住宅やマンションでいちばん多いタイプです。上に「レンジフード」という覆いがかぶさっているのが目印。外にダクトを通して排気します
- プロペラ式:扇風機のような大きな羽根が、壁に直接ついているタイプ。羽根の向こうがすぐ「屋外」で、壁のシャッターが開いて排気します。古いアパートや、昔ながらの戸建てに多く見られます
見分け方はかんたんです。羽根が壁の外に直接向いていればプロペラ式、上にフードがかぶさっていてダクトにつながっていればシロッコファン式と考えてください。ひと目で確かめられるよう、表にしました。
| 見るポイント | プロペラ式 | シロッコファン式 |
|---|---|---|
| 羽根の形 | 扇風機のような大きな羽根 | 筒の内側に細かい羽根がびっしり |
| 羽根の向こう側 | すぐ屋外(壁のシャッター) | ダクト(排気管)につながる |
| 上の覆い | 基本的になし | レンジフードがかぶさる |
| 多い住まい | 古いアパート・昔ながらの戸建て | 今の住宅・マンション(主流) |
| 掃除のしやすさ | 構造が単純で洗いやすい | 分解の手順がやや多い |
レンジフード(覆い)の形も見ておく
シロッコファン式の場合、上にかぶさっているフードの形も、いくつかあります。掃除の入り口(どこを開けるか)が変わるので、ざっと知っておくと役立ちます。
- ブーツ型(深型):下が広がったブーツのような形。もっとも一般的なタイプで、下からファンやフィルターに手が届きます
- スリム型(薄型):凹凸が少なく、平らでスッキリした形。コンロの真上に「整流板」という板がついていることが多く、まずこの板を開けて中に入ります
- フラット型(浅型):天井が低い場所向けの、薄くて浅いタイプ。内部が狭く、掃除はやや手間がかかります
「取扱説明書」を最初に用意する
タイプが分かったら、掃除を始める前にその機種の取扱説明書を手元に出しておきましょう。ファンの外し方・戻し方・使える洗剤は、機種ごとに細かく違うからです。
説明書が見当たらなくても大丈夫。多くのメーカーは、型番で検索すれば公式サイトからPDFで確認できます。型番は、フィルターを外した内側や本体の側面に貼られたシールに書かれています。
なお、リンナイの案内によると、最近は「自動洗浄機能」でファンの手洗いが要らない機種もあります。その場合は、説明書の案内に従うのがいちばんです。ご自宅の換気扇が該当しないか、先に確認しておくと安心です。
掃除の前に|道具と、洗剤の「正しい使い分け」
換気扇掃除でいちばん差がつくのが、洗剤選びです。ここを間違えると、汚れが落ちないどころか、部品を変色させてしまうこともあります。まず道具をそろえ、そのうえで「どの部品に、どの洗剤を使うか」を決めましょう。
用意する道具
- ゴム手袋:洗剤の手荒れと、金属部品の角でのケガを防ぎます。必ず着けましょう
- 大きめのゴミ袋(2〜3枚)または大きい桶:ファンやフィルターをつけ置きする容器に使います
- 新聞紙・ビニールシート:コンロや床に汚れが垂れるのを防ぐ養生用
- スポンジ・使い古しの歯ブラシ:羽根の細かい溝は、歯ブラシが届きます
- 雑巾・キッチンペーパー:本体の拭き取りと仕上げの水拭き用
- 洗剤:下で説明する「部品に合ったもの」を用意します
金属たわしや研磨剤入りのたわしは、用意しないでください。表面に細かい傷がつき、かえって汚れがつきやすくなるからです。富士工業(FUJIOH)の公式FAQでも、みがき粉(研磨剤)は変質・変色の原因になるため使わないよう案内されています。
油汚れは「アルカリ」で中和する

換気扇の油汚れは、酸性です。だから、反対の性質を持つアルカリ性の洗剤を使うと、中和されて落としやすくなります。長谷工の解説でも、酸性の油はアルカリ性の洗剤で中和することで、より簡単に落とせると説明されています。
アルカリ性の洗剤には、強さの違いがあります。第一石鹸の公式情報によると、アルカリ度(pH)の目安は次のとおりです。数字が大きいほど、油を分解する力が強くなります。ひと目で分かるよう、表にまとめました。
| 洗剤 | pHの目安 | 向く汚れ・使いどき | アルミ・塗装部品 |
|---|---|---|---|
| 重曹 | 約8.4(もっともおだやか) | 軽い油汚れ・こまめな掃除。粉のまま磨きにも | ×(変色のおそれ) |
| セスキ炭酸ソーダ | 約9.8 | 台所の油汚れの定番。水に溶けやすい | ×(変色のおそれ) |
| 過炭酸ナトリウム(オキシクリーン等)/アルカリ電解水 | 約10.5 | 固まった頑固な油。3つのなかで洗浄力が高い | ×(変色のおそれ) |
| 中性洗剤(台所用洗剤) | 中性(pH約7) | ふだんのお手入れ全般。素材にやさしい | ◯(メーカー推奨) |
迷ったら、ふだんの油汚れはセスキ、頑固なものは過炭酸ナトリウムを目安に。ただし、いずれもアルカリ性なので、アルミや塗装の部品には使えません。次の「素材の注意」を必ず先に読んでください。
アルミ・塗装の部品は「中性洗剤」に切り替える
ここが、いちばん大事な注意点です。アルミや塗装された部品に、強いアルカリ性洗剤を使うと、変色したり塗装がはがれたりします。
換気扇のファンやフィルターには、アルミが使われていることがよくあります。富士工業(FUJIOH)の公式FAQでは、お手入れには中性洗剤を使うよう案内され、シンナー・みがき粉・アルカリ性洗剤・60℃以上の熱湯は、変質・変色の原因になるため使わないよう明記されています。洗剤の解説記事でも、アルミや銅、テフロン加工などのコーティングは、アルカリで変質すると説明されています。
つまり、洗剤選びのルールはこうです。
- ステンレスや樹脂の部品 → セスキや過炭酸ナトリウムなどのアルカリ性でOK
- アルミ製・塗装された部品、素材が分からない部品 → 中性洗剤(台所用洗剤)を使う
オキシクリーンなどでのつけ置き(いわゆる「オキシ漬け」)は油に強力ですが、アルミ部品では変色の失敗が起きやすく、元に戻すのは難しいのが実情です。部品の素材が分からないときは、無理をせず中性洗剤を選ぶのが、いちばん安全な判断です。
なお、重曹は水に溶かした状態では弱いアルカリ性ですが、お湯で温度を上げると、より強いアルカリ性に変わりやすい性質があります。「熱いお湯のほうが油が落ちる」と熱湯を使うと、アルカリ性が強まって素材への刺激も増します。この点でも、次に説明する「お湯の温度は上げすぎない」というルールが効いてきます。
掃除を始める前の、安全チェック
換気扇は「電気」と「高い場所」がからむ掃除です。ケガや故障を防ぐために、作業に入る前に、次の3つだけ必ず確認してください。
1|必ず電源を切る(できればブレーカーも)
作業中にファンが回ると、大ケガのもとです。パナソニックのお手入れ案内でも、お手入れの前に必ず電源を切るよう明記されています。富士工業も、スイッチなどの電気部品に洗剤を直接かけないよう案内しており、電源を切ってから作業するのが安全の基本です。
スイッチを切るだけでなく、心配なときは台所の換気扇のブレーカーを落とすと、より安全です。とくにスイッチが濡れた手の近くにある場合は、ブレーカーからの遮断をおすすめします。
2|水やアルカリ水をかけてはいけない部品がある
換気扇の内部には、絶対に水や洗剤をかけてはいけない部分があります。ここは感電や故障に直結するので、覚えておいてください。
- モーター:ファンを回す心臓部。水がかかると故障します
- スイッチ・電気の基板・配線(コード):水濡れは、感電・ショートの原因になります
これらの「外せない電気部品」まわりを掃除するときは、洗剤を直接スプレーしないこと。パナソニックの案内でも、取り外せない部分は洗剤をキッチンペーパーや布に含ませて、貼り付けて拭き取る方法が案内されています。液だれで内部に垂れ込むのを防ぐためです。
3|料理直後は掃除しない(火傷に注意)
調理のすぐあとは、部品が熱くなっています。とくにスリム型についている「整流板」は熱くなりやすく、素手で触ると火傷のおそれがあります。時間を置いて、部品がしっかり冷めてから始めましょう。
また、高い場所の作業になるので、ぐらつかない安定した踏み台を使い、無理な姿勢は避けてください。首や腰を痛めないよう、こまめに休みながら進めるのがコツです。
シロッコファン式の外し方・掃除・戻し方【手順】
今の住宅でいちばん多い、シロッコファン式の手順です。「外す→つけ置き→洗う→戻す」の順で進めます。戻し方でつまずかないよう、外した部品は写真に撮りながら進めるのがおすすめです。
ステップ1:養生して、フィルターを外す
コンロや床に、新聞紙かビニールシートを敷いて養生します。次に、レンジフードの下側にあるフィルター(金属や不織布の網)を外します。スリム型なら、まずコンロ真上の整流板を開け、その中のフィルターを取り出します。
外した順番を覚えておくと、戻すときに迷いません。スマホで1枚ずつ撮っておくと安心です。
ステップ2:ベルマウスとファンを外す(ネジは「逆回し」のことがある)
フィルターを外すと、多くの機種では、ファンの手前に「ベルマウス」というドーナツ状の部品があります。これは風の通り道を整える部品で、1か所のネジを手でゆるめ、ツメをずらすと外せる機種が多いです。ある機種とない機種があるので、見当たらなければ、そのまま次のファンへ進んでかまいません。
奥にある、筒状のシロッコファンを外します。ファンの留め方は、大きく2タイプあります。
- ワンタッチ式:ファンについたボタンを押すと外れるタイプ。工具は要りません
- ネジ止め式:中央のネジ(キャップナット)をゆるめて外すタイプ。多くの機種はこちらです
ネジ止め式で、つまずきやすいポイントがあります。このネジは、ふつうのネジと逆で、「時計回り」でゆるむタイプが多いのです。反時計回りに回して固いときは、無理に力を入れず、時計回りを試してください。片手でファンを支えながら、落とさないようにゆるめます。
ネジがどうしても固くて動かないときは、無理をしないでください。部品を傷めたり、割ったりする原因になります。
ステップ3:つけ置きして、こすり洗いする
外したファンとフィルターを、次の章のやり方でつけ置きします。汚れがふやけたら、スポンジと使い古しの歯ブラシで、羽根の溝を1枚ずつ洗います。
このとき、シロッコファンについている「バランサー」という小さなおもりを動かさないように注意してください。これはファンの回転を安定させる部品で、位置がずれると、戻したあとにファンが振動したり異音が出たりします。
ステップ4:本体(外せない部分)を拭く
ファンを外して見えた本体の内側は、洗剤を含ませた布で拭き取ります。前の章のとおり、モーターや配線には洗剤を直接かけないこと。布に含ませて、やさしく拭きます。仕上げに、固く絞った雑巾で水拭きし、乾拭きします。
ステップ5:しっかり乾かして、元に戻す
洗った部品は、水気を完全に拭き取り、しっかり乾かしてから戻します。濡れたまま戻すと、故障やサビの原因になります。
戻す順番は、外したときと逆です。撮っておいた写真を見ながら、ファン→ベルマウス→フィルター→整流板の順に戻します。ネジ止め式のファンのネジは、外すときと逆(多くは反時計回り)で締めます。最後に電源を入れ、異音がないか、いつもどおり回るかを確認して完了です。
プロペラ式換気扇の外し方・掃除
壁に直接ついている、プロペラ式の手順です。羽根が大きく、構造がシンプルなので、シロッコファン式より掃除はしやすい傾向があります。ただし、羽根がアルミ製のことが多いので、洗剤選びに注意が必要です。
ステップ1:電源を切って、カバーと羽根を外す
まず電源を切ります。前面についているカバー(風よけの覆い)を外すと、プロペラ状の羽根が見えます。
羽根は、中央のキャップ(つまみ)を手で回すと外れる機種が多いです。これもゆるむ向きが逆(時計回り)のことがあるので、固いときは反対に回してみてください。無理に引っぱらず、支えながらゆっくり外します。
ステップ2:素材に合った洗剤で洗う
プロペラの羽根は、アルミ製のことがよくあります。前の「洗剤の使い分け」で説明したとおり、アルミには強いアルカリ性洗剤は避け、中性洗剤(台所用洗剤)で洗うのが安全です。変色を防げます。
ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、スポンジでやさしく洗います。羽根の裏側や付け根に油がたまりやすいので、歯ブラシで丁寧に。ステンレスや樹脂のカバーなら、セスキなどのアルカリ性でもかまいません。
ステップ3:乾かして、向きを合わせて戻す
洗った羽根とカバーは、水気を拭き取り、しっかり乾かします。戻すときは、羽根の表裏と向きを間違えないのがポイントです。多くのプロペラは、風を室外へ送る向きに取り付けます。羽根に「オモテ」の印や、風向きの矢印がある機種もあります。
外したときの写真を見ながら、カバー→羽根の順に戻し、キャップを締めます。最後に電源を入れ、羽根がスムーズに回り、ちゃんと外へ排気しているかを確認しましょう。
お手入れをラクにする「フィルターカバー」
プロペラ式は油が羽根に直接つきやすいので、市販の不織布フィルターやレンジフード用のフィルターカバーを貼っておくと、次回の掃除がぐっとラクになります。汚れたら貼り替えるだけです。ただし、機種によっては純正以外のカバーが推奨されない場合があるので、説明書を確認してから使ってください。
つけ置きのやり方|温度・時間・比率のコツ
換気扇掃除で「こすらずに落とす」ための、いちばんの近道がつけ置きです。油はお湯でやわらかくなるので、温かい洗剤液にしばらく浸けておくだけで、汚れが浮いてきます。
お湯の温度は「40〜50℃」まで。熱湯はNG
油は温めるとやわらかくなるので、水よりお湯のほうが早く落ちます。目安は40〜50℃のお湯です。
ただし、熱ければいいわけではありません。富士工業は、60℃以上の熱湯は変質・変色の原因になるため使わないよう案内しています。メーカーによっては、つけ置きの目安を35〜40℃としているところもあります。沸かしたての熱湯は使わず、手で触れられるくらいのお湯にしておくのが、部品にやさしく安全です。
洗剤の量と、つけ置きの時間
つけ置き液は、次を目安にしてください(お使いの洗剤の表示があれば、そちらを優先します)。
- セスキ炭酸ソーダ:お湯1Lに小さじ1杯ほど
- 重曹:お湯1Lに大さじ2〜3杯ほど(重曹は溶けにくいので、よく混ぜます)
- 中性洗剤(アルミ部品向け):お湯に台所用洗剤を適量。富士工業も、フィルターは中性洗剤のぬるま湯に浸すよう案内しています
つけ置きの時間は20〜30分が目安です。汚れがひどいときは、少し長めに置いてもかまいません。時間を置くほど汚れがふやけて、こする力が少なくて済みます。
ゴミ袋を使う「袋つけ置き」がラク
桶がない、シンクを塞ぎたくない、というときは、大きめのゴミ袋を二重にして使う方法が便利です。
- シンクにタオルを敷き、二重にしたゴミ袋を広げる(袋の破れ防止)
- ファンやフィルターを入れ、部品が浸るまでお湯を注ぐ
- 洗剤を入れ、空気を抜きながら袋の口を結ぶ
- 20〜30分置いたら取り出し、スポンジと歯ブラシで洗う
ネジなどの細かい部品は、なくさないよう別の小さい袋や容器にまとめておきましょう。つけ置きが終わったら、よくすすいで、しっかり乾かします。
落ちない頑固な油・固まった古い油の対処
何年も掃除していない換気扇は、油が酸化してカチカチに固まっていることがあります。つけ置きだけでは落ちないときの、次の一手をお伝えします。ただし、力まかせにこするのは逆効果。あくまで「ふやかす時間」を増やすのが基本です。
1|つけ置きを「繰り返す」
1回のつけ置きで落ちなければ、お湯と洗剤を新しくして、もう一度つけ置きします。冷めた液は油を落とす力が弱まるので、ぬるくなったら温かい液に入れ替えるのがコツです。何度か繰り返すと、固い油も少しずつゆるんできます。
2|「洗剤パック」で密着させる
垂直な面やこすりにくい場所の頑固な汚れには、洗剤を含ませたキッチンペーパーを貼り付けて置く「パック」が効きます。パナソニックも、取り外せない部分の油汚れには、洗剤を含ませたキッチンペーパーを15〜30分ほど貼り付けて浮かせる方法を案内しています。浮いてきたら、ペーパーごと拭き取ります。
3|強い洗剤に切り替える(素材を確認してから)
それでも落ちないときは、より強いアルカリ性の洗剤(過炭酸ナトリウムや、換気扇用の強力洗剤)に切り替える手があります。ただし、必ず素材を先に確認してください。アルミや塗装部品には使えません。心配なら中性洗剤のまま、つけ置き時間で勝負しましょう。
なお、キッチンのシンクや蛇口についた白い水あかは、油とは性質が逆(アルカリ性の汚れ)なので、同じ洗剤では落ちません。水あかには酸性のクエン酸を使います。場所ごとの落とし方は、キッチン・お風呂の水垢の落とし方でまとめています。
それでも固い油が取れないときは
何年も蓄積した油は、家庭の掃除では限界があるのも事実です。無理にこすって部品を傷つけたり、割ってしまっては元も子もありません。「どうしても落ちない」「分解が複雑で戻せる自信がない」というときは、後の「頼っていい」の章で、プロに任せる選択肢もお伝えします。
お風呂・トイレの換気扇の掃除(軽め)
換気扇は、台所だけではありません。お風呂やトイレの換気扇も、ほこりがたまると換気の力が落ちます。ただし、こちらの汚れは油ではなくほこりが中心なので、掃除はぐっとかんたんです。
お風呂・トイレの換気扇は「ほこり取り」が基本
台所の油汚れと違い、お風呂・トイレの換気扇にたまるのは、乾いたほこりです。だから、つけ置きは基本的に不要。次の手順で十分きれいになります。
- 必ず電源(またはブレーカー)を切る
- カバー(ルーバー)を外す。多くは、両側を軽く押しながら手前に引くと外れます
- カバーのほこりを、掃除機や乾いた布で取る。汚れがひどければ、中性洗剤で水洗いして乾かす
- 内側の見える範囲のほこりを、掃除機のノズルや、乾いた綿棒・ブラシでやさしく取る
- カバーを乾かして戻し、電源を入れる
中の羽根やモーターには、水をかけない
お風呂・トイレの換気扇でとくに気をつけたいのが、内部に水をかけないことです。奥にはモーターや電気部品があり、水濡れは故障や感電の原因になります。
内部のほこりは、乾いた状態で掃除機や綿棒で取るのが基本です。奥の羽根が簡単に外せない機種も多いので、無理に分解せず、見える範囲のほこりを取るだけでも換気は回復します。カビが気になるお風呂は、換気扇を回しっぱなしにして、湿気をためないのがいちばんの予防になります。
掃除の頻度の目安と、汚れをためない工夫
換気扇の汚れを放置すると、油とほこりがたまって吸い込みが弱まり、換気の力が落ちていきます。においや、換気効率が下がることでの余計な電気代にもつながります。掃除を「大ごと」にしないコツは、こまめに手を入れて、油を固まらせないことです。頻度の目安と、日々の予防をまとめます。
場所別・頻度の目安
メーカーの案内をもとにした、掃除の頻度の目安です。汚れ方は使い方で変わるので、あくまで目安として、汚れが気になったら早めに手を入れてください。
- 台所のフィルター:月に1回ほど。富士工業は、フィルターは1ヶ月に1度を目安に案内しています
- 台所のファン・レンジフード内部:3〜4か月に1回ほど。パナソニックは3カ月に1度くらいのお手入れを目安にしています
- お風呂・トイレの換気扇:2〜3か月に1回ほど、カバーのほこり取りを
何年も放置すると、油が固まって掃除の難易度が一気に上がります。「軽いうちに、こまめに」が、結局いちばんラクです。
汚れをためない、3つの習慣
油汚れは、つく前に防ぐのがいちばんです。次の習慣で、掃除の回数そのものを減らせます。
- 調理後も5〜10分、換気扇を回す:油を含んだ蒸気を外に出しきると、フィルターに油がつきにくくなります
- 月1回、フィルターをサッと拭く:固まる前なら、中性洗剤を含ませた布で軽く拭くだけで落ちます
- 使い捨てのフィルターカバーを貼る:汚れたら貼り替えるだけ。ファンやフィルター本体を守れます
ついでに、洗濯機や水回りもまとめてお手入れすると、家全体がスッキリします。洗濯槽の掃除は、換気扇と同じく「つけ置き」でこすらず落とせるので、要領が似ています。気になる方は、あわせてどうぞ。
やってはいけないこと・よくある失敗
最後に、換気扇掃除で「やりがちだけど、やってはいけないこと」をまとめます。ここを避けるだけで、変色・故障・ケガのほとんどは防げます。
洗剤・素材の失敗
- アルミ・塗装部品に、強いアルカリ性洗剤を使う:変色・塗装はがれの原因。素材が分からなければ中性洗剤に
- 60℃以上の熱湯を使う:富士工業が変質・変色の原因として案内。手で触れられるくらいのお湯に
- 研磨剤・金属たわしでゴシゴシこする:表面に細かい傷がつき、かえって汚れがつきやすくなります
- 異なる洗剤を混ぜる:とくに塩素系と酸性を混ぜると有毒ガスが出て危険。洗剤は単独で使います
電気・組み立ての失敗
- 電源を切らずに作業する:ファンが回ると大ケガのもと。必ず電源(心配ならブレーカー)を切る
- モーター・基板・配線に水や洗剤をかける:感電・故障の原因。布に含ませて拭く
- 濡れたまま部品を戻す:サビ・故障のもと。完全に乾かしてから戻す
- バランサー(おもり)を動かす:ファンの回転が乱れ、異音・振動の原因になります
「戻せなくなった」ときは、どうする?
分解したものの戻せなくなった――これは、換気扇掃除でいちばん多い失敗です。落ち着いて、次を試してください。
- まず、外すときに撮った写真を逆からたどる
- 写真がなければ、機種の取扱説明書(型番でネット検索すればPDFが見つかることが多い)を確認する
- ネジの締め向きに注意(ファンのネジは逆ネジのことがある)
- それでも戻せない・部品を壊してしまったときは、無理せずメーカーのサポートや業者に相談を
無理に押し込むと、部品を割ったり、回転がずれたまま使い続けて故障につながることもあります。「戻せる自信がない」と感じたら、最初から分解しないで、手の届く範囲の拭き掃除にとどめるのも、賢い判断です。
自分で難しいときは、頼っていい
ここまで読んでも、「やっぱり、自分では難しそう」と感じる方もいると思います。それは、まったく問題ありません。換気扇掃除には、DIYで頑張る場所と、プロに任せたほうがいい場所があります。
こんなときは、プロに頼ることを考えて
次のどれかに当てはまるなら、無理をせず、業者のクリーニングを検討していい場面です。
- 10年以上、分解掃除をしていない:油が固まり、家庭の掃除では落としきれないことが多いです
- 分解が複雑で、戻せる自信がない:無理な分解は、破損のもとになります
- 高い場所での作業がつらい・体力に不安がある
- 吸い込みが弱くなった気がする:内部の汚れが進んでいるサインです
- 年末や引っ越し前で、時間がない
プロに頼めば、家庭では届かない内部まで分解して洗浄してくれます。その時間で、あなたはほかのことに手を回せます。
業者に頼むと、いくらかかる?
換気扇・レンジフードのクリーニングは、種類や汚れ具合で費用が変わります。まずは1台いくらかの見積りを取り、内容と料金が見合うかを確かめるのが安心です。
札幌で頼むときの料金の相場や、失敗しない業者の選び方(大手チェーンと地元業者の違い、追加料金の有無、出張範囲など)は、札幌のハウスクリーニングの選び方・料金相場でまとめています。
とはいえ、換気扇だけでなく「うちのレンジフードは1台いくらが適正?」「追加料金でつり上げられないか?」と、いざ見積りを見比べる段になると迷うものです。そこで、換気扇・エアコン・浴室など箇所ごとの料金の相場観と、失敗しない業者の見分け方を、いざという時に手元で見返せる1枚の無料シートにまとめました。

その名も「ハウスクリーニング 箇所別料金相場&業者選びシート」。公式LINEから無料で受け取れます。相場を1枚で押さえておけば、届いた見積りを前に「この金額、高いのかな…」と一人で悩まず、自分の目で適正かどうかを確かめてから頼めます。
私たち開拓札幌は、特定の業者に肩入れせず、お客さまにとって最適な方法を中立の立場でご案内する、札幌の相談窓口です。「どこに頼めばいいか分からない」というときは、お気軽にご相談ください。
一括見積もりサイトのように、申し込んだ直後から何社もの営業電話が鳴ることはありません。ご案内するのは、ご希望の条件に合う1〜2社だけ。「電話したら対象エリア外だった」「もう予約でいっぱいだった」という探し直しも、こちらで引き受けます。
換気扇・レンジフードの掃除について、よくあるご質問
Q. 重曹とセスキ、結局どっちを使えばいいですか?
ふだんの油汚れなら、洗浄力が高く水に溶けやすいセスキ炭酸ソーダが使いやすいです。重曹はよりおだやかで、こまめな軽い掃除や、粉のまま磨きたいときに向きます。ただし、どちらもアルカリ性なので、アルミや塗装の部品には使わず、中性洗剤に切り替えてください。
Q. オキシクリーンでの「オキシ漬け」は換気扇に使えますか?
油汚れには強力ですが、アルミ製の部品では変色の失敗が起きやすく、元に戻すのは難しいのが実情です。部品がステンレスや樹脂だと分かっている場合に限り、素材を確認したうえで使ってください。素材が分からなければ、中性洗剤が安全です。
Q. お湯は熱いほど、油が落ちますか?
いいえ。ある程度の温度は有効ですが、60℃以上の熱湯は、部品の変質・変色の原因になります(富士工業の案内より)。手で触れられるくらいの40〜50℃のお湯が、安全で効果的です。
Q. ファンのネジが回りません。壊れているのでしょうか?
故障とは限りません。換気扇のファンのネジは、ふつうと逆で「時計回り」でゆるむタイプが多いです。反時計回りで固いときは、時計回りを試してください。それでも固いときは、無理をせず、部品を傷めないようにしてください。
Q. 分解して、戻せなくなりそうで不安です。
外す前と外す途中を、スマホで1枚ずつ撮っておくのがいちばんの対策です。戻すときは、その写真を逆からたどります。それでも不安なら、無理に分解せず、手の届く範囲の拭き掃除にとどめるか、後述のようにプロに相談する方法もあります。
Q. 何年も掃除していません。自分でできますか?
油が固まっていると、家庭の掃除では落としきれないことがあります。まずはつけ置きを繰り返してみて、それでも落ちない・分解が不安なときは、無理をせず業者のクリーニングを検討してください。「頼っていい」の章を参考にどうぞ。
まとめ|換気扇掃除は「タイプ・洗剤・つけ置き」で決まる
最後に、大切なことをおさらいします。
- まず自分の換気扇のタイプ(プロペラ式/シロッコファン式)を見分ける。手順はここで決まります
- 油はアルカリで中和。ただしアルミ・塗装の部品は中性洗剤。迷ったら中性洗剤が安全です
- 「40〜50℃のお湯」と「20〜30分のつけ置き」で、こすらず落とす。熱湯・研磨剤はNG
- 電源を切る・水厳禁の部品を覚える・冷めてから触る。この3つで、失敗はほぼ防げます
- 分解は写真を撮りながら。戻せる自信がないときや、10年放置の油は、頼っていい
換気扇のベタベタは、力ではなく「順番と洗剤選び」で落とせます。今日は、まず自分の換気扇のタイプを確かめるところから、始めてみてください。